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TRIP 腐的妄想

某5人組アイドルの腐的(BL)妄想小説です。成人女性限定でお願いします。

Sunshine (81)

Sunshine(やま)【81~ 】



「だから~、犬島のは絶対仮病ですって!」

お酒の入った佐々木さんはさらに饒舌。

せっかく来てくれたから、お昼ご飯?夕飯?を作ったんだけど……。

「あ~、このコロッケ、絶品ですね!」

「んふふ、母ちゃんに教えてもらったんだ~。」

母ちゃんのコロッケはおいらの大好物。

売ってるのより丸くって、ほんと美味しいんだ。

いつでも食べられるように、多めに作って冷凍してる。

揚げるだけならすぐできるもんね!

「お母様も料理上手なんですね!チャーハンも美味しい!」

佐々木さんはその細い体のどこに?ってくらい、もりもり食べる。

「ほんと、美味しいです!櫻井さん、これは太りますね?」

岡林君もガツガツ食べてくれて。

たくさん食べる人見てると気持ちいいよね~。

ショウ君が、口いっぱいに頬張って食べるのも、ほんと好きなんだ~。

「だろ?家に早く帰りたくなるだろ?」

二人がうなずいて、ショウ君がおいらの肩を抱き寄せる。

二人の前なの、ちゃんとわかってる?

「サトシは何やってもできるんだよ~。」

ショウ君も酔ってきたかも……?

抱いた肩をポンポン叩き出した。

「そんなことないよ。料理はきらいじゃないし。レパートリーは少ないけど。」

「いえいえ、十分ですよ!ね?櫻井さん?」

「十分!十分すぎる!」

「櫻井さんに大野さんはもったいない!」

「そう、もったいないくらい……。」

ショウ君がおいらを見つめる。

目が潤んでキラキラしてるのはお酒のせい?

顔もほんわか赤いし!

なんだかんだ言っても、嬉しいんだよね?

二人が来てくれたの。

ちょっとぐらい飲み過ぎでも……許そう!

「可愛いし、キレイだし、カッコいいし、絵は上手いし、字も上手いし、料理も旨い。

 歌を歌わせればいい声だし、

 踊ったって、ジュンの結婚式、みんなサトシに釘づけだった!」

「え?大野さんが踊ったんですか?見たかった~!」

佐々木さんが悔しそうに体を震わせる。

え?でも佐々木さん、おいらの作品のファンなんだよね?

おいらが踊ってるとこなんか……見たい?

「みんな上手かったからね~。バッチリ合ってて、それで盛り上がって……。」

「違う!」

ショウ君が大きく首を振る。

「あの中で何人の目がサトシを追ってたと思う?

 花沢類は間違いなくサトシしか見てなかった!」

「それは、知ってる人が珍しいことしてれば……。」

「新郎側のテーブルだけじゃない!

新婦側の雌オオカミどもが、舌なめずりして見てたの気づかなかった?」

「みんなカッコよかったからでしょ?練習の甲斐があったね。」

ショウ君が大きく首を振ると、佐々木さんも大きく首を振る。

「大野さんはわかってない!」

「そう、サトシは全然わかってないんだよ!」

「この点に関しては、櫻井さんに同情します。」

「そうだろ?わかってくれるか?」

「はい。」

二人がなぜか手を取り合って見つめ合ってる。

「大野さんは作品が醸し出す雰囲気のまま、

 可愛かったりカッコ良かったり、いろんな顔してくれるんですよね。

 いろんな表情を持ってて。

 きっとそれが、作品の幅を広げる一つの要因なんだと思うんです。」

そ、そっかな……。

「そう、そうなんだよ。サトシは可愛かったと思ったら妖艶になったりして……。」

「も、もういいから!」

ダメだ!やっぱり飲み過ぎはよくない!

これ以上ショウ君にしゃべらせたら……何言い出すか!

「きょ、今日は岡林君の話!ね?岡林君?」

岡林君がビールを飲みながら、おいらを見てにっこり笑う。

「なんか……大したことないんじゃないかって思えてきました。

 悩む必要ないよなって。」

「そ、そう?」

「こんな櫻井さん見てたら……。」

おいらがショウ君を見ると、ショウ君も不思議そうにおいらを見る。

岡林君がなんのこと言ってるのか、おいらにもショウ君にもわからない。

「仕事してるとパッキパキバリバリなのに、

 大野さんの話になると、いっつもデレるんですよ。顔も言葉も。

 家でも変わらないんですね。

 それ見てたら……ありのままでいいんだなって思えてきて……。

 正直、会社ではわざとデレてるんだと思ってるとこもあって。

 ほら、みんなを和ます為に?」

そうだよ。きっとショウ君はそう言うとこも計算づくで……。

本当に頭の良い人だもん。

「無理してないから、みんなが慕うんでしょうね。

 憧れるのも……そういうとこがあるから……。

 俺も憧れてます。櫻井さんに。ずっと……。」

そうだよね。憧れちゃうよね。こんなイケメンいないもん!

「だから、櫻井さんみたいに新人を育てなくっちゃと頑張りすぎてたんですよね。

 そんなの無理に決まってるのに。」

「岡林君もカッコいいと思うよ。穏やかな雰囲気とか、一緒にいて落ち着く。

 仕事に真面目なとこ、素敵だなって思うし。」

おいらが笑うと、岡林君も笑って、おいらのグラスにビールを注いでくれる。

「気も利くし!」

「櫻井さんの下で働いてますからね?」

二人で笑い合っていると、ショウ君の手がおいらを抱え込む。

「あっ、ショウ君、こぼれるっ!」

グラスをなんとか水平に保って、ショウ君を見上げると、

ショウ君が怖い顔で岡林君を睨んでて……。

「お前らもう帰れ!岡林、お前、奥さん待ってるんだろ?

 佐々木も田村さんと仲良くしてろ!俺もサトシと仲良くする!」

ショ、ショウ君……。

「もうちょっといいじゃないですかぁ。櫻井さんが大野さんを隠すから、

 大野さんと一緒に飲めるチャンス、滅多にないんですよ!」

「滅多じゃない、もう二度とない!」

「だったらなおのこと、もうちょっと飲みます!ね?大野さん?」

「う、うん……。」

チラッとショウ君を見ると、ショウ君がギュッとおいらを抱き締める。

「じゃ、俺らのイチャイチャ見ながら飲め!」

え、何言ってんの?

「不埒な考えなんか起きないくらい濃厚な……。」

ショウ君の顔がおいらに迫ってくる。

ま、待って!二人いるんだよ!

ショウ君っ!

ゴンッと音がしたと思ったら……。

おいらの拳がショウ君の頬に当たってて……。

「い、いい加減にしないと殴るよ!」

「……もう、殴ってるくせに。」

おいらから離れたショウ君が、頬を撫でて、子供みたいな顔してて。

「飲み過ぎてエロじじぃみたいになったショウ君が悪い!」

それを見ていた佐々木さんと岡林さんがつぶやく。

「大野さん……男らしい……。」

「グーなんですね……やっぱり。」

ははは……グーはやり過ぎだったかな?

条件反射だったから、手加減できなかったんだよ!

ショウ君、ごめん!










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Sunshine (80)

Sunshine(やま)【61~80】



「そりゃ、世界の大野サトシをパートナーにするより大変なことなんてないですよ!」

佐々木さんの鼻息が荒い……。

世界のって……そんなこと全然ないんだけど……。

「そうだろ?俺の武勇伝、聞きたい?」

「結構です!」

武勇伝って!

しかも即答で断るって!

この二人、ほんといいコンビ~。

きっと佐々木さんはショウ君のいい仕事のパートナーなんだろうな。

おいらの田村さんみたいな?

ちょっと妬けちゃう!

あ……ショウ君も田村さんに妬いたりするのかな?

類さんには……対抗心剥き出しだけど。

わかってるよ。

類さんのことはおいらが原因だって。

あんな出会いじゃなかったら……。

あっと、岡林君の話だった!

集中してあげないと!

「お前はどうだったんだ?新人の頃。」

「僕は……大変でした。何も教えてくれない上司で……。」

だから、丁寧に教えてあげたいんだね、岡林君は。

優しい良い先輩!

「だからいろいろ自己流だったのか。」

ショウ君が思い出しながらクスクス笑う。

「そうです。自分で探さなきゃいけなくて……。」

「そうだった!やり方が全然違うから、びっくりしたの、覚えてる。」

「櫻井さんの下で一つ一つ覚え直したんです。目から鱗でした。」

岡林君がショウ君を見上げる目は……憧れの先輩を見るようなキラキラ目で。

そりゃ憧れちゃうよね?

イケメンで頭も良くて仕事もできて。

親身に相談にも乗ってくれて。

ショウ君の後輩でショウ君に憧れない人なんて、いないんじゃないかな?

あれ……?

だったら会社で話す時間くらい……ショウ君なら作ってあげるんじゃ……?

「でも俺は、お前のやり方も面白いなって思ってたよ?」

「ほんとですかぁ?」

そんなことあるわけないって顔の岡林君。

それくらい、チーム櫻井の仕事は合理的だったんだろうなぁ。

ショウ君見てるから想像できる!

「ほんとだよ。だからお前のやり方、採用したのもあっただろ?」

「そう言えば……。」

佐々木さんが思い出すように黒目を上に向ける。

「でも、そんなのごくわずかで……。」

「わずかでも、お前の見つけたやり方が、

 長年蓄積されたやり方より合理的かつ正確だったんだよ。」

ショウ君がおいらの手を離して、腕を組む。

やっと離してくれた~。

でも、ずっと握られてたから……ちょっと手が寂しい。

ショウ君の方へ少しだけ体を寄せる。

「それを、そういうのを教えてあげれば……楽しくなってくるんじゃないか?

 休み明け、研修内容を持って来い。見てやるから。」

「は、はい!」

岡林君がやっといつもの顔になってきた!

さすがショウ君!

佐々木さんもにっこり笑って、うんうんとうなずいてる。

「でも、さすが櫻井さんですよね。新人教育が大変じゃないなんて。」

岡林君が、やっとコーヒーに口をつける。

「簡単だよ。」

ショウ君が、ふふんと顎を上げる。

「簡単……ですか?」

疑うようにショウ君を見る岡林君。

そりゃそうだよね。

こんなに悩んでるのに簡単なんて言われたら!

「簡単だね。俺の下についた後輩は……みんな俺に憧れるから。

 俺みたいになりたがってがむしゃらに勉強するし、

 褒められたくて先周りして仕事しようとするし。」

ショウ君がちょっと意地悪っぽい顔をする。

「そ……そんなの俺にできるわけないじゃないですか~!」

「だから最初から言ってるじゃないか。俺に相談しても無駄だって。」

「言ってた?そんなこと?」

佐々木さんが首を捻る。

たぶん……言ってないけど、

会社で話を聞く時間、作ってあげなかったのは……そう言うことなんだね?

「だから相談されるの嫌だったんだよ。

 でもお前だって、俺と一緒に仕事して来たんだ、十分自信持っていいと思うけどな?」

「そうそう、上司に持つなら櫻井さんより岡林の方が全然いいよ?」

佐々木さんがラスクを片手に岡林さんの肩を叩く。

「仕事は正確で安心だし、説明も丁寧でわかりやすいし。

 でも、一番いいところは……。」

佐々木さんがチラッとショウ君を見る。

「後輩に対して、同じ高さで話をしてくれるとこ。

 上から感が全くない!」

ふふふっと笑う佐々木さんが、またチラッとショウ君を見る。

「それは俺への嫌みか?」

「そうです、その通りです!」

佐々木さんがふざけたように言うと、ショウ君が声を上げて笑う。

「ははは。岡林はさ、放っておけば自分なりのやり方を見つけ出すんだよ。

 だから放っておいていいの。間違えそうになったら声掛けてあげれば。」

ショウ君が笑ってコーヒーを飲み、ラスクに手を伸ばす。

ああ、そうなんだね。

岡林君は岡林君の良さがあって、岡林君なりのやり方が一番なんだよね。

多少回り道でも、岡林君ならちゃんと後輩も着いてきてくれるはず!

それがわかってて、ちゃんと見てるショウ君。

やっぱり……カッコいい!!

「私は新卒からずっっっと櫻井さんの下ですけど、面倒この上ないから、櫻井さんは!

 すっごく遠巻きにしか教えてくれないし、先回りを要求するし。

 言っときますけど、櫻井さんに憧れて先回りしたわけじゃありませんからね!」

「したか?そんなこと。」

「してましたよ!言葉に出さなくても、目が言ってました!」

ははは……たまに言うよね、ショウ君の目!

「さらに私の神にも等しい大野サトシをパートナーにしちゃって!

 もう、めんどくさい以外の何ものでもない!」

ショウ君がわざとらしく笑う。

「はっはっは!羨ましいか?」

「羨ましいですっ!」

「お前だって田村さんと一緒に暮らし始めたんだろ?

 そろそろサトシは卒業して……。」

「卒業なんて一生しません!」

「そんなこと言ってたら田村さんに逃げられるぞ。」

「田村さんは大野さんとは全く別もの!

 地上と天界を一緒にする人はいないでしょ?

 それくらい違うんです!」

え……あはは、……ありがと……。

でいいのかな?

なんか……何言ったらいいかわかんないから、こういう会話止めて欲しい!










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Sunshine (79)

Sunshine(やま)【61~80】


「で、話って言うのはなんなんだ?」

ショウ君がコーヒーカップを口へ運ぶ。

柔らかそうな唇が縁に着くと、ちょっとカップを傾ける。

カップを持つ手も、縁を挟む唇も、カッコいいのはなんでなんだろ?

惚れてるからだけじゃないよね?

やっぱりショウ君は、いつでもどこでも何しててもカッコいい!

言い渋る岡林君に、口をへの字にして腕を組むショウ君。

「櫻井さんなら……わかってるんじゃないですか?」

正座した岡林君が、上目遣いでショウ君を見る。

「ふん、相談に来たなら、きちんと自分で話さなきゃいけないんじゃないのか?」

そう言われて、困ったようにうつむく岡林君。

「意地悪しないであげてください。

 ここに来るのだって、岡林にしたら一大決心だったんですから!」

佐々木さんが助け船を出してあげると、ショウ君は足を組んで背もたれに凭れる。

「少しくらいめんどくさい後輩が入ったくらいで何を悩んでるんだか……。」

「櫻井さん……!」

岡林さんが顔を上げる。

「ほら、やっぱりわかってるんだ。

 ほんと櫻井さんは意地悪なんだから。」

めんどくさい後輩?

新しくショウ君の部署に入って来た人?

そう言えば5月から新しい子が数人配属されたって言ってたっけ?

ショウ君の会社は、仮配属からそのまま本配属になることが多いらしい。

馴染めない子がいるのかな?

そんな子はめんどくさいって言わないか。

「他の二人はいいんですよ。真面目に仕事を覚えようとしてくれてる。

 でも犬島は……!」

岡林君の声がやっと普通になってきた。

「いろんなやつがいて当たり前だろ?全員同じに成長するとでも思ってたのか?」

「そうじゃないですけど……。」

「あいつは休み過ぎ!」

佐々木さんが割って入る。

「新卒だったらそんなに簡単に休まないでしょ?普通。」

「体が弱いんだろ?ちゃんと連絡は入れてるんだよな?」

「それは……まぁ……。」

「あの体で体が弱いとかあり得ないでしょ!」

佐々木さんが吼える!

ははは、今日の佐々木さんの口、絶好調だね。

でもあの体って、すっごい大きな人なのかな?

「だったら無理に来いとは言えないだろ?」

「だから困ってるんでしょ、岡林は!

 三人一緒に研修したくてもできなくて、余分に時間もかかってるんですよ!

 京都のチームが落ち着いてきてるからって、岡林が暇なわけじゃないのに。

 なのに悪びれる素振りもなく、ヘラヘラしてて!」

「あいつがヘラヘラしてるとしたら……それは岡林の責任だな?」

ショウ君が片眉を上げて岡林君を見る。

また申し訳なさそうに項垂れる岡林君……。

「だから!相談に来たんじゃないですか!

 会社じゃなかなか櫻井さんと話す機会がないし、櫻井さん、すぐ帰っちゃうし。」

「あ……ごめんね。おいらが早く帰って来てって言うから……。」

「サトシのせいじゃない!俺が早く帰りたいだけなんだから。」

「そうですよ!大野さんのせいじゃありません!」

二人とも、身を乗り出して訂正してくれるけど……。

そうだよね。

仕事帰りに飲みに行って相談したり、愚痴言ったり、そういうのも必要だよね。

会社務めの人には……。

おいらだって、打ち合わせをご飯屋さんでしたり、飲みに行ったりしてる。

注意しなきゃいけないこととか、先に考えておいた方がいいこととか、

田村さんや類さんがしっかり教えてくれるから、スムーズに打ち合わせも進むんだよね。

早く帰って来てなんて、言わないようにしよ……。

「ほら、お前たちのせいでサトシがいらないこと考えてる!」

ショウ君の眉が吊り上がる。

「まぁいい、サトシには俺が後で説明するとして……。」

ショウ君がおいらの右手を握って、岡林君の方に体を向ける。

「じゃ、お前はどうしたいんだ?」

「どうって……犬島にも、もっと真面目に仕事に向き合って欲しいんです。」

「じゃ、どうして犬島は仕事に真面目に向き合わないんだ?」

「それは……面白くないから?」

「どうして面白くない?」

「まだ仕事がよく理解できないし……責任もないし……。」

「だったら簡単だろ?仕事を理解させて、責任を与えてやれよ。」

「責任なんて……まだ会社入って3ヶ月ですよ?」

「それがどうした?」

ショウ君が、右手でコーヒーカップを持ち上げる。

左手はおいらの手を握ったまま、離してくれない。

佐々木さん達の前で手、繋いでるの……恥ずかしいんですけど。

グッと口を引き結んでた岡林君が口を開く。

「櫻井さんは……新人育ててて大変だったことってないんですか?」

「俺は……ない。」

「ないんですか?」

今度は佐々木さんが甲高い声を上げる。

「大変だと思うから大変なんだよ。何をしたって、大変なことなんか何もない。

 サトシとこうなることより大変だったことなんか、一つもない。」

ショウ君の手にギュッと力が入って、強く握られて……。

ショウ君を見上げると、優しい顔してて……。

こんな先輩がいたら、仕事がんばろうって思えるよね。

それはおいらの贔屓目すぎ?










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Sunshine (78)

Sunshine(やま)【61~80】



コーヒーメーカーをセットして、リビングに行く。

忘れてた!

さっきまで飲んでたビールとツマミ!

「ごめん、散らかってるけど……。」

チャチャッとグラスをまとめると、

佐々木さんが熱心に、ツマミのイカをいろんな角度から見てる。

「これはどこのサキイカですか?」

「どこだろ?スーパーで買ったから……美味しかった?」

「美味しいです!大野さんが食べてたってだけで、100倍美味しく感じます!」

ははは、なんか……佐々木さんと話してると、誰のこと言ってるのかわからなくなる~。

「このチョコレートも……。」

岡林君が、モグモグしながらおいらを見る。

「ああ、それはジュン君がくれたやつだから、たぶん有名なとこのじゃないかな?」

「このラスクは専門店のですよね?」

今度は佐々木さんがラスクを一口齧る。

そうそう!おいらの好きなやつ!

このラスクは類さんが何かあるとくれるんだよね。

これもお中元に送ってくれたやつ。

おいら、甘い物好きだから、ちょっと変わったゼリーみたいなのと一緒に。

ショウ君はあんまり好きじゃないみたいだけど。

「おいら、ラスク好きなの。」

笑いながらグラスをキッチンに持って行くと、ショウ君が立ち上がる。

おいらはそのままキッチンに行ったんだけど、ショウ君の声が聞こえて……。

「そんな顔でサトシを見るな!」

「大野さんを見たら、みんなこんな顔になります!」

「サトシを見ていいのは俺だけだ!」

「独占反対!日本は自由競争の国ですよ!」

「それがどうした?サトシに限って言えば、競争を勝ち抜いたのは俺だ!」

「公正取引委員会に訴えます!」

「ああ、訴えろ!俺はサトシとパートナー契約を結んでいる!

 訴えなんか跳ね返してくれるわ!」

……よくわかんないけど……恥ずかしいのはなんでだろ?

「お前ら、勝手に人んちのもの食べて、図々しいにもほどがある!」

「あ、すみません……何していいかわかんなくてつい……。」

まだ岡林君、声小さい……。

「大野サトシが食べてたと思ったら、勝手に手が動くんです!」

勝手にって……。

グラスを置いて戻って来ると、ショウ君が目を向いて佐々木さんと睨み合ってて。

「お前はサトシのことになると人格変わるな?」

「それはお互い様です!」

なんだろ、ヘビとマングース?鷹と鷲?

佐々木さん、すごいな~。

こういうショウ君に一歩も引かないの、佐々木さんくらいじゃないかな?

おいらはショウ君の前を通って、岡林君の隣に座る。

「いつもこんな感じなの?会社でも?」

「はい……大野さんの話になると、櫻井さんも佐々木も鼻息荒くって。」

困ったように二人を見る岡林君。

「大変だね。ごめんね。」

「いえ、大野さんのせいじゃ……。」

岡林君の肩を叩いて同情すると、佐々木さんとショウ君がおいら達をガン見してて……。

「サトシ、こっち来て。」

「大野さん、そんな狭いとこじゃなく、広い方へ。」

二人で隣を指さすから……困る。

「あ、そろそろコーヒーできたかな?二人ともコーヒーでいい?」

「はい!」

佐々木さんが返事して、岡林君がうなずく。

「砂糖とミルク、いる?」

「私はなくて大丈夫です。」

「僕は、できればミルクを……。」

「了解。ショウ君はイレイレだよね?」

「ああ、サトシと同じくらい甘くして。」

いつもはそんなこと言わないくせに……。

いや、言ってるかも?

とにかく!対抗するの、ほんと止めて欲しい!

これじゃ、岡林君、話できないじゃん!

ショウ君をちょっと睨んで、キッチンにコーヒーを淹れに行く。

その間も、聞こえてくるのは、ショウ君と佐々木さんの……おいらの褒め合い?

けなされた方がまだマシって言うか……。

ほんと……恥ずかしくって、リビングに行けなくなるから~。

「だから!サトシの作品にはサトシの俺への愛が詰まってるから!」

「大野さんの作品は大野さんの作品ですから!櫻井さんは関係ありません!」

「ないわけないだろ?俺ら、パートナー!家族!

 サトシが受け入れるのは俺だけ!」

「それがどうしたって言うんです?

 大野さんの作品は大野さんであって、櫻井さんじゃありません!

 作品に櫻井さんは関係ないでしょ?」

「ばか、わかんないのか?作品に溢れる、俺への愛!」

「全くわかりませんね?大野さんはプロです。

 クライアントの要望にきちんと応えながら創作の羽を広げてるんです。

 その作品を一つ一つを丁寧に解釈しないから、勘違いするんです!」

「はぁ?何言ってんのかな?サトシの根底に流れるのは、

 俺への溢れんばかりの愛なんだから、作品から溢れたってしょうがないだろ?」

「溢れてると思ってるのは櫻井さんだけですよ?」

「俺がわかればいいんだよ!ね~、サトシ?」

トレイに乗せたコーヒーを持ったおいらに、ショウ君が猫なで声を出す。

うう、なんか……。

「はっきり言った方がいいですよ、大野さん!

 櫻井さんははっきり言わないとわかんないんですから。

 大野サトシの芸術をちゃんと大事にして欲しい!」

「ちゃんと大事にしてるだろ!佐々木が……。」

「いい加減にしなさいっ!!」

おいらは、今年一番じゃないかってくらい大きな声を出す。

「いい大人がおかしいよ。

 今日はおいらの話じゃないでしょ?」

おいらはまず、岡林君の前にコーヒーを置く。

「これ飲んで、リラックスして?」

にっこり笑うと、岡林君がポッと頬を染め、コクッとうなずく。

トレイから一通り、カップをテーブルに移し終わると、

ショウ君が後ろから抱き着いて、ショウ君の隣、ソファーに座らされる。

「岡林、お前、サトシの色気、感じただろ?」

ショウ君の顔を見て、ハッとした岡林さんがブンブンと首を振る。

「感じなかったとは言わせないぞ。

 妻帯者のお前が、サトシ見て頬赤くするなんて……言語道断!」

「ち、違います!そんな……。」

「じゃ、お前はサトシの魅力を感じないとでも言うのか?」

「いや、そういうわけじゃ……。」

岡林君がチラッとおいらを見る。

「ショウ君。」

低めの声でそう言うと、今度はショウ君がハッとする。

「おいらの言いたいこと……わかるよね?」

「……わかる……けども!」

「岡林君の話、聞いてあげるんだよね?」

「だけどね?岡林が……。」

「後輩が、部下が、頼って来てくれてるんだよ?

 ちゃんと話聞いてあげなくてどうすんの?」

「そうだけど……。」

「岡林君、二人の話が続いちゃうから、何も言えなくなってるじゃん。」

「……おっしゃる通りです……。」

はぁ……。

ショウ君、ちゃんと話聞いてあげられるのかな?










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Sunshine (77)

Sunshine(やま)【61~80】



「なんだ?何しに来た?」

玄関のドアを開けたまま、仏頂面のショウ君。

今日はお盆休みの中日。

一昨日と昨日でお互いの実家に顔を出し、お墓参りも行ったから、今日はお家でまったり。

ショウ君の田舎までは行けないから、おいらんちのお墓参りだけだけど。

そろそろお爺さんやショウ君の親戚のみんなにも会いたいな~なんて思ってたけど、

おいらの仕事が、今月末締めのが立て込んでて。

行くならゆっくり行きたいもんね。

だから、ショウ君ちのお墓参りは来年に持ち越し。

で、今日はリビングでチビリチビリやりながら、ショウ君はモバイルを弄って、

おいらは虎次郎のデッサンに手を入れてたんだけど……。

突然鳴るドアフォンに、二人で顔を見合わせたよね。

休みの日にウチに来るなんて、マー君とか、ジュン君とか?

でも、マー君はなぎささんと大阪行くって言ってたし、

ジュン君は暑いからどっか行きたいけど、店休めないしって言ってたし。

カズも珍しく海外って。

ドバイだったかな?

なんで暑い時に暑いとこ行かなきゃなんないのって、めんどくさそうだったけど。

だったら行かなきゃいいのにね?

木村さんの仕事関係なのかな?

なんにしても、みんな帰って来るには早いよね?

と思ったら全然違くって。

で、ショウ君の仏頂面。

明らかに邪魔しに来んなって顔!

ショウ君、わかりやすすぎ!

「こんにちは~。」

「こんにちは……って、岡林君と……佐々木さん?」

申し訳なさそうに笑顔を作る岡林君。

その後ろに、嬉しそうに立っている佐々木さん。

おいらが比べるように二人の顔を見ていると、ショウ君が大きな溜め息を吐く。

「休みの日に何の用かな?」

ちょっと他人行儀な言葉遣いと明らかに不満そうな顔!

「ちょっと……櫻井さんに相談したいことがありまして……。」

岡林君が背中を丸めて小さくなる。

声まで小さい。

悪いなって思ってるの、見ただけで分かる顔。

「いいじゃないですか。可愛い後輩が休みの日に遊びに来てくれたんですよ。」

佐々木さんは……いつも通りだ(笑)

「連絡もなく突然訪問するような後輩は持った覚えはない。」

「連絡したら逃げちゃうでしょ?櫻井さん。」

佐々木さんがズバッと言い当てる。

ん~、ショウ君ならあり得る……。

二人の時間を邪魔されるの、本当に嫌がるから、ショウ君。

でも、視線はなんでおいら……?

「当たり前だ!何を好き好んで休みの日までお前らの顔見なきゃならない?」

「嬉しいでしょ?慕われてるんですよ、櫻井さん!」

佐々木さん、ずっとおいらから目を離さない……。

そんなにガン見されたら……恥ずいって……。

「お前の目的はサトシだろっ!」

ショウ君がおいらを後ろに隠す。

「え~、見るくらいいいじゃないですか!減るもんじゃなし!」

「減ったらどうする!サトシが減ったら、お前なんか簀巻きにして海に沈めてやる!」

ショ、ショウ君……。

例えが時代劇の悪代官……。

「私もお礼が言いたくて。」

佐々木さんが岡林君を避けてショウ君の前に立ち、姿勢を正す。

「大野さんに触ります!」

グッと手をショウ君の後ろに回し、

おいらの手を掴……もうとした瞬間、ショウ君に跳ね返される。

「お礼なら口で言え。」

「大野サトシが目の前にいるんですよ?

 握手して、自分の想いをアピールしたいじゃないですか!」

「必要ない。」

ショウ君の視線が……冷たい!

「見るだけで……本当に作品を見るだけでよかったんです。

 でも!」

佐々木さんがショウ君を見上げる。

「上司の恋人だとわかったら、遠かった大野さんが身近になるでしょ?」

「なるかっ!お前からは遥か彼方M78星雲より遠いわっ!

 それに、恋人じゃない!パートナーだ!」

「上司のパートナーなら、私の親も同然!少しくらい甘えさせてくれたって!」

「甘えるなっ!俺はお前の親じゃないし、サトシは全く関係ない!」

「関係したい!」

「関係させるかっ!」

か、関係ってなんか……やらしくない……?

「ショ、ショウ君……。」

ショウ君の肘を引っ張ると、ショウ君が、三角目のままおいらを見、

次の瞬間イチゴミルクみたいになる。

「ここではなんだから、どうぞ?」

おいらが佐々木さん達を中へ促すと、ショウ君の手が止め、大きく首を横に振る。

「では、お言葉に甘えて……。」

佐々木さんはショウ君にはお構いなしで、靴を脱ぎ、片足を廊下に掛ける。

「ちょっと待ったぁ!」

ショウ君の制止も聞かず、佐々木さんが岡林君を引っ張る。

「ほら、せっかく大野さんが言ってくれてるんだから、早く!」

「待て待て!俺がいいと言ってない!」

「大野さんの了解は取りました!触ります!」

言うが早いか、佐々木さんが隣に並び、おいらの手を取る。

「お休み中、失礼します。この間はカードを……ありがとうございました。」

佐々木さんは、おいらの手をサンドイッチするような形で両手でギュッと握る。

「あぁ~!触っていいって言ってないぞ!」

「ちゃんと申請はしました。仕事の遅い事務なんか待ってられるかって、

 いつも言ってるのは櫻井さんですよね?その教えを忠実に守っただけです。」

佐々木さんはおいらの顔をじっと見てて……。

だから、そんな風に見られたら照れるから……。

「本当にありがとうございました。家宝にします!」

「そ、そんな大層なものじゃ……。」

「ああ、家宝にしろ!サトシの描いたものがお前の家にあるなんて、有り難いと思え!」

「思ってます!もう、どんなにくじけそうな時でも、あれを見れば頑張れます!

 大野さんが私に力と勇気をくれます!」

そ、そんな、大げさな……。

「さ、お礼は済んだな?じゃ、もう用はないだろ?

 すぐ帰れ!」

「ショウ君……。」

おいらはショウ君の腕を掴む。

「せっかく来てくれたんだから、お茶くらいご馳走したいよ、ね?」

「サトシ……。サトシは優しすぎる……。」

いや、ショウ君が意地悪すぎなんじゃ……?

それに、きっと本題は岡林君の方だよね?

岡林君を見ると、佐々木さんと違って入っていいのか戸惑ってる様子で……。

「入って。今お茶淹れるから。」

岡林君が、おいらとショウ君を交互に見る。

「サトシがこう言ってるんだ。入れ。」

ショウ君が肩を落として先にリビングに向かった。

佐々木さんも後に続く。

岡林君は、おずおずと廊下に上がって、心配そうにおいらを見る。

「ショウ君に……相談ごとがあるんでしょ?」

岡林君がうなずく。

「大丈夫。ショウ君は面倒見が良くて優しいから。」

おいらは笑って、リビングを差し示す。

岡林君は複雑そうな顔をして、戸惑いながらリビングに入って行く。

おいらは、とりあえず、お茶を出さないと!










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Author:tepo
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嵐の大野君が大好きで、山LOVEです♪
腐っているので、ご理解のある方、
また成人女性限定でお願いします。

a Day in Our Life
    ↓
kissからはじめよう
    ↓
 Step and Go
    ↓
  果てない空

の順で続いています。
それぞれでも楽しめるようになっていますが、順番に読むと5人の成長がよりわかるのではないかと思います。

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