「テ・アゲロ」
オーライ!! - レンタル彼氏 -

オーライ!! - レンタル彼氏 - ⑤

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「智……。」

俺は智の肩に腕を回す。

「……さっきのは見逃してあげたけど、これはオプションだよ。」

智がにっこり笑う。

「でもさ……。」

俺は回した腕で智の髪を撫でながら言う。

「あれは、女の子に対してのオプションでしょ?だったら、智がする方じゃない?

 今回は智がされてるわけだから……オプションにならなくない?」

もう片方の手で智の顎を持ち上げる。

「ん~、そうなのかなぁ?」

智の目が、俺の後ろの、キッチンの方を向く。

キッチンからは、ポコポコとコーヒーの落ちる音が聞こえてくる。

徐々に漂ってくるコーヒーの香り……。

それよりも近い智の香り……。

「それで納得してくれるかな……。」

「誰が?」

俺は智の唇に顔を近づけていく。

「……事務所?」

智がこっちを見る。

唇の寸前で、俺はクスリと笑って囁く。

「大丈夫……報告しなけりゃわからないよ……。」

俺は智の唇に唇を当てる。

智のしっとりした唇は、すぐに軽く開いて俺を誘う。

舌先で智の唇をなぞり、そっと焦らす。

「ぁんっ……。」

なかなか入ってこない俺に、智が焦れるのを待つのは楽しくて、

何度も唇の上をなぞっていく。

「翔……。」

誘う智の甘い声。

智の唇が揺れて、硬くなった舌先が、俺の唇の間に分け入ってくる。

智の舌先は、歯列をなぞり、侵入を試みる。

焦れるのが早いよ、智。

俺はクスッと笑って、口を開ける。

智の舌を絡め取り、智の中へ入っていく。

お互いの中へ侵入しようとする舌先は、クチュクチュッとヤラシイ音を立てて絡まり合う。

口の中に唾液が溢れ、智がゴクッと飲み込むと、目の端に見える、智の喉仏が上下する。

男とするキスが、こんなにイイなんて思わなかった……。

それは相手が智だから?

それとも世間を欺いてるような背徳感から?

智のキスに疼く下半身は、もうどうにもならなくて……。

俺は、智をソファーに押し倒す。

それでも離れない唇と舌。

貪るように絡まり合って、唾液の音が俺を煽って……。

コーヒーの落ちきる音が遠くでしてたけど、

香りも充満してたけど、コーヒーを淹れに行く気にはとてもなれなくて……。

智のシャツのボタンに手を掛けると、その手を智がそっと握る。

握りあった指先は、舌先のように絡まり合い、

俺は体重を全部預けて、体中を智に密着させる。

肘だけを智の片側につき、片手は握りあったまま、激しく振れるお互いの頭。

智のソレも、俺のも、すっかり主張してるのに、智はそんなことまるで気づかない風で、

ただ唇を貪り続ける。

キスだけでイっちゃいそうだよ。

「智……ぁ…んっ……させて……。」

智の唇の、隙を付いて囁いてみる。

智だってその気になってるじゃん。

「あ…んっ……はぁ。」

喘ぎ声だけで、返事のない智に焦れて、智の手を離すと、

そっと智のソレに触ってみる。

「あんっ……ダ…メ……。」

智の手が追ってくる。

「智だって、その気になってるよ。」

智のソレを優しく撫でると、智の体がブルッと震える。

「それでも……ダメ。」

智と俺を銀色の糸が繋ぐ。

すぐにプツッと切れる糸。

「どうして?」

俺はできるだけ、優しく甘く囁く。

「……翔が見てるおいらは、本当のおいらじゃないから。」

「本当の智?」

「そう。翔が見てるのは、翔が求めている理想の恋人。おいらじゃない。」

「そんなことないよ……知り合ってから数時間しか経ってないけど、

 俺は智に惚れてる……確信できるよ?」

智は小さく溜め息をついて、俺を見上げる。

「おいらはレンタル……。時間がきたら返さなきゃいけないレンタル。」

智は年上の大人の口調で繰り返す。

「レンタル彼氏は理想の彼氏になってくれる……。でも、本物じゃない。

 だから、本気にならないように……契約書にも書いてあったでしょ?」

そんな細かいこと、覚えてないよ……。

「おいらが翔の理想の恋人でいられるのは後1時間……。」

智が困ったように眉を八の字に曲げる。

「じゃ……やらせて……?」

俺の言葉に、さらに眉を下げる智。

「やったら……おいらを忘れられなくなるよ?だからダメ。」

「いいよ……忘れないから……。」

智はクスッと笑って、それまでよりちょっと低い、妖艶な声で言う。

「大丈夫……キスだけでイかせてあげるから……。」

智が笑う。

天使のように。

俺はまた智の唇に唇を重ねた。



智の言うように、俺はキスだけでイかされた。

これはキスだけだから、オプションには入らないよと智が笑う。

後5分で時間が来る……。

俺はソファーに横になったまま、智の体を抱きしめる。

離したくない……。

離れたくない……智。

「翔……苦しい……。」

「ご、ごめん。」

俺はちょっと力を緩める。

智はそんな俺を見て、クスッと笑う。

「じゃ、最後にサービス。何かして欲しいことある?」

智が俺を見上げてANGELスマイル。

「……なんでもいい?」

「ん……ダメなのもあるけど……。」

智が眉根を寄せて首を傾ける。

「わかってるよ……オプションだろ?」

んふふっと笑う智はやっぱり可愛くて……。

「じゃ……お願いしてもいい?」

「うん。……何?」

俺は智の顔をじっと見る。

向いあった俺と智の顔。

鼻と鼻は5センチほどの近さ。

「……愛してるって言って……。」

智はびっくりした顔をして、やっぱりANGELスマイルで、俺の首に手を回す。

「愛してる……翔。」

智の唇が俺の唇と重なる。

最後のキス。

最後のANGELスマイル。

智が唇を離すと、ちょうど時間になる。

智はスッと立ち上がり、ジャケットを羽織る。

背筋を正し、俺の方を向くと、にっこり笑って手を前で組む。

「では櫻井様、契約時間になりましたので、失礼いたします。

 後ほど、オプション料金を含めました金額をご連絡させていただきます。」

智は45度の角度でお辞儀をすると、玄関に向かって真っすぐ歩く。

「智!」

智は振り向くことなく玄関を出て行く。

「智!!」

ドアが閉まり、誰もいない玄関に俺の声だけが響く。

「智……。」

俺は、まだ残っている智の温もりを感じ、自分の体を抱きしめた。










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