「Welcome to our party」
Welcome to our party(5人)【21~Last】

Welcome to our party ㉗

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その日の夜、雅紀が帰ってくると、家の中はシーンと静まり返っていた。

「あれ?誰も帰ってないの?」

リビングの電気を点け、キッチンに入っていく。

冷蔵庫を開け、何があるのか確認するが、目ぼしい物が見当たらない。

「豆腐……麻婆豆腐にする?」

冷凍庫を開け、ひき肉を探す。

「あ~、ある……。でも、辛さが難しいんだよな……。」

ニノと翔ちゃんはあんまり辛いの食べれないけど、リーダーは辛いの大好きだし。

中辛位で作っておくか。

雅紀が冷凍してあるひき肉を解凍すると、2階のドアが開いた。

「お帰り~。」

和也が2階から下を覗いてる。

「ただいま~。」

雅紀も見上げて手を振る。

それを見てホッとしたように笑うと、和也がトントンと階段を降りてくる。

「今日の夕飯、何?」

「麻婆豆腐。今日、休み?」

雅紀は手早くエプロンを付ける。

「何?エプロン付けて。」

「麻婆豆腐は跳ねるから。」

雅紀がニッと笑う。

和也はキッチンに入ると、雅紀を後ろから抱きしめる。

「どうした?」

「ん……。」

和也は昼間の情事を思い出す。

絡み合う二人の姿……。

「相葉さんの笑顔、大好き……と思って。」

雅紀はクスッと笑う。

「俺も……。」

振り返って和也の顔を見ると、和也の頬をプニッと摘まんで持ち上げる。

「俺もニノの笑顔大好き。だから笑って。」

雅紀の笑顔が眩しくて、和也は目を細める。

「痛い!痛いってば~!」

大して痛くもないのにわざと大声で痛がって見せる。

「ごめん、ごめん。」

雅紀は慌てて手を離すと、和也の頬を両手で擦(さす)る。

「ニノ、大丈夫?まだ痛い?」

和也の顔を覗き込む雅紀に、素早く和也が唇を重ねる。

「ん……っ!」

雅紀の首に抱き着き、さらに深く唇を押し付ける。

びっくりした雅紀は目をパチクリしながら、それでも、和也の必死な様子に何かを感じ、

そっと背中に腕を回す。

包み込むような雅紀の腕に安心したのか、和也が唇を離すと、雅紀がにっこり笑う。

「どうしたの?何かあった?」

「何も……。」

「ならいいけど……。」

しばらく和也の顔を見つめ、和也の言葉を待ったが、

和也が何か言ってくれそうな様子はない。

雅紀はゆっくり腕を離し、まな板に向かう。

「じゃ、夕飯作りますか。ニノも手伝って。」

雅紀は手早く豆腐のパックを開ける。

雅紀が3丁の豆腐を開けると、和也がポツリと言う。

「まだ……好きなの?」

「え?」

雅紀が手にした包丁を止める。

「潤君は……やめた方がいい……。」

「ニノ?」

「潤君は……。」

和也は雅紀に背中を向けると、階段を駆け上がる。

「ニノ!」

階段に向かって声を掛けるが、足音はどんどん上っていく。

最後にドアの閉まる音がして、家の中はシーンと静まり返る。

「ニノ……。」

雅紀は包丁を置き、タオルで手を拭くと、階段を駆け上がった。

「雅紀?」

雅紀が、後一歩で階段を上りきるというところで、リビングから声がする。

振り返ると、潤が歩いてくる姿が目に入る。

「松潤……。」

「何?どうしたの。慌てて。」

「ん……なんか、ニノの様子が……。」

「ニノ?」

潤は上着を脱いで腕に掛けながら、階段を上ってくる。

「うん……。」

「どんな風?」

「なんか、よくわかんないけど……。」

本当にわからなさそうな雅紀を見て、潤は和也の部屋を見つめる。

「俺が行こうか?」

「いや、俺が行く。」

雅紀がきっぱり言い切る。

「大丈夫?何かあったら言えよ?」

「わかってる。」

雅紀の笑顔にうなずいて、潤は自分の部屋に入っていく。

「じゃ、後で。」

潤が部屋を閉めると、雅紀は和也の部屋の前で、大きく息を吐く。

「ニノ?」

声と同時にドアを叩く。

中からは何の音もしない。

「ニノ?」

雅紀は和也の部屋のドアを捻る。

いつもと違って、ドアには鍵がかかっている。

「ニノ!」

どんなに大声で呼んでも、中からは何の音もしない。

「ニノ!」

ノブをガチャガチャと捻る。

ドンドンとドアを叩く。

けれど、中からの応答は何もない。

隣の部屋の潤が、部屋着に着替えて顔を出す。

「大丈夫?」

雅紀は首を横に振る。

潤は、雅紀の隣に並んで、一緒に和也を呼ぶ。

「ニノ!どうした?何かあった?」

何度か二人で呼びかけたが、中からの反応は一切ない。

二人は顔を見合わせ、溜め息をつく。

「一人になりたいのかもしれないね。」

潤がそう言うと、雅紀も途方にくれた顔でうなずく。

「ニノ……どうしたんだろう……。」

雅紀の心配そうな顔が、ズキッと潤の心を刺激する。

こんなに心配されて……ニノは幸せだ……。

俺がああなったら、翔さんは心配してくれる?

……心配はしてくれる……たぶん……でも……それはメンバーとして……。

急に黙った潤に不安になった雅紀が、潤の腕を掴む。

「松潤?松潤までどうしたの?」

「え?あ……ごめん。何でもない。」

「何かあったら言って?俺といると軽くなれるんでしょ?」

「ふふ。うん。言うから大丈夫。」

潤は笑うと、そっと雅紀の手を外し、階段を下りていく。

「今日は雅紀が当番でしょ?」

「うん。」

その態度に違和感を感じ、雅紀は潤の後ろ姿を見つめる。

「俺も手伝うから……。何?用意してたの?」

階段を下りきり、キッチンを見て、潤が雅紀を見上げる。

「うん。……麻婆豆腐にしようと思って……。」

雅紀も階段を下りていく。

「雅紀の麻婆、美味しいからな。」

振り返った潤の笑顔は、無理に作ったものには見えない。

雅紀は安心してにっこり笑うと、潤の隣に並んでキッチンペーパーを広げる。

「じゃ、俺が教えてあげよう!」

「あはは。先生!よろしくお願いします!」

「はい。最初に豆腐の水切りから……。」

雅紀が低い声で先生のような態度を取ると、潤の笑顔がさらに広がった。










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