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「Welcome to our party」
Welcome to our party(5人)【21~Last】

Welcome to our party ㉕

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智の部屋。

「告るって……。」

智は翔の顔を見上げる。

「ちゃんと気持ち、伝えちゃったら?」

智には翔の気持ちがわからなかった。

「でも、それじゃ……。」

「何?心配してくれてるの?俺のこと。」

智は黙って視線を外す。

「それでもし上手くいっちゃったら……智君の幸せを応援するよ。

 でも、もし泣くようなことになったら……俺のとこにおいで。」

翔は智の頬を撫でる。

「そんなことできないよ。」

「一人で泣くくらいなら、俺のとこに来てほしい。ね?」

智は黙って、頬を撫でる翔の指を感じる。

温かくって優しい指の動き。

「告った方が……いいのかな……。」

智がポツリと言う。

「気持ちの整理はつくんじゃない?」

「整理?」

「うまくいっても、いかなくても……。」

翔は、上目遣いで見る智の額に唇を当てる。

「……翔君。」

「今日はここまでにしておくよ。さ、お休み。

 じっくり考えて……。名残惜しいけど、戻るよ。

 きっと一人で考えたいでしょ?」

「…………。」

翔はゆっくりベッドから下りる。

蒲団を丁寧に直し、智の濡れた髪に指を入れる。

「こんなに濡れたまま寝たんじゃ、風邪引くよ?」

「……大丈夫。」

「もっと、自分に優しくなって。」

翔は笑って、もう一度、智の額に唇を当てる。

「本当は唇にしたいけど……ここまでって言っちゃったから。」

ちょっとお道化てクスッと笑う。

「翔君!」

翔は、はははと笑って、智の部屋を出て行った。

「翔君……。」

残された智は閉まるドアを見つめる。


自分に優しく……。

告ることが自分に優しくなるのかな?

でも……。

自分の気持ちにけじめはつけたい。

でないと、いつまでもずるずるとニノのことを考えちゃう……。


智は天井を見上げ、体の位置をベッドの中心にずらす。

翔のいた温もりの上に体を乗せ、ゆっくり目をつぶった。



次の日、潤が起きていくと、リビングには誰もいなかった。

冷蔵庫から牛乳を取り出し、パックの口を開けて、そのまま喉に流し込む。

時計を見ると、1時を回っている。


みんな仕事に行ったのかな?


台所にはコーヒーを飲んだ後のカップが3つ。

潤はカップを手早く洗うと、自分用のコーヒーを落とす。

テレビを点けようと、リモコンを探し、壁にかかったカレンダーが目に入る。

今日の食事当番は雅紀。

雅紀の文字に、昨日のことを思い出す。


明るく、俺を心配してくれた雅紀……。

雅紀を好きになれば、こんな気持ちにならずに済んだのかな。


ポコポコいうコーヒーの音を聞きながら、潤はドサッとソファーに体を預ける。


翔さんも優しい……。

でも、リーダーに対する優しさとは全然違う……。

俺に対しては……大事なメンバー、

リーダーに対しては、大事な愛しい人……。

どうすれば、この気持ちにけりをつけられる?

一生、心の内にしまっておく?

それができる?

俺に?


潤は、う~んとソファーの背もたれにそって首を伸ばす。

「誰か……どうにかしてくれよ。」

小さな声でつぶやくと、テレビのリモコンを押した。



しばらくしてコーヒーが出来上がると、時を同じくして、2階のドアが開く。

重い足取りで降りて来たのは翔だった。

「おはよう。」

翔が頭を掻きながら、欠伸をかみ殺す。

「おそよう。」

潤はキッチンから笑顔を返す。

「翔さんも飲む?」

「ん~。頼む。」

翔は大きな欠伸をしながら、ダイニングの上の新聞を広げていく。

「起きたばっかで読める?新聞。」

「ん~、平気。」

翔はそのままダイニングに座ると、新聞を捲っていく。

「昨日、遅かった?」

潤は翔の分のコーヒーも淹れ、翔の隣に腰かける。

「はい。」

翔にマグカップを差し出す。

「サンキュ。」

翔は新聞を折りたたみながら、チラッと潤を見る。

「今日は遅いの?」

「うん。でも、後1時間位で迎えが来るかな……。翔さんは?」

「ん……。俺は夕方から……その前にまとめたい資料があって……。」

また翔が欠伸をする。

「昨日遅かったんだ。」

「ん……まぁ、ちょっとね。」

翔は新聞を目で追いながら、マグカップに手を伸ばす。

翔の手がテーブルの上の、マグカップの手前でクイッと曲がる。

それでも視線は新聞の上をなぞり、手元を見ようともしない。

予測の場所になかったマグカップを探して、手だけがマグカップを探す。

それを見ていた潤は、翔の手を取り、マグカップまで持っていく。

「それくらい、見ればすぐなのに。」

潤が溜め息を付きながら、翔の手にマグカップを握らせる。

「一瞬でも時間がもったいない。」

潤はマグカップを握らせても、翔から手を離すことができない。

大きくて、優しい、翔の手。

触れれば、愛おしさで胸がいっぱいになる。

「翔さん……。」

翔は握られるまま、新聞を読み続ける。

「俺に、その翔さんの時間、少しくれる?」

「ん?時間?」

翔はコーヒーを飲もうと、マグカップを持ち上げ、握られていることに初めて気づく。

「……潤?」

新聞から目を離し、潤を見る。

「俺を……一回だけでいいから……。」

潤は溢れる気持ちを抑えるように、翔の唇に唇を押し当てた。










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