「みんなと作ったお話」
the Deep End(やま)

the Deep End 7話

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「翔君……?」

「…………。」

「もしかして……起きてた?」

そう言えば、いつものいびきが聞こえなかったような……。

「う…ん……。」

仰向けで寝ていた翔君が、クルッと身体を回し、おいらと向き合う形で横になる。

「ご、ごめん……。」

迷惑かけられた上に、好きでもないやつからキスされたなんて……。

翔君から見たら、とんだ災難。

「おいらこそごめん……。迷惑かけっぱなしでその上……。」

「そ、そんなことないから。」

翔君は慌ててそう言ってくれたけど、翔君の顔をまともに見ることができない。

「おいら……今度こそ帰るね。」

おいらが立ち上がろうとすると、腰に回った腕に力が入る。

「翔君?」

「智君……俺の話、聞いて?」

「翔君……。」

翔君の手が、おいらの腕を掴んで引っ張る。

おいらは起こした上半身を、もう一度ベッドに戻して、仰向けで天井を見上げる。

翔君の方なんか……向けないじゃん?

翔君は横になったおいらの腰を引いて、自分の側に寄せると、ゆっくり話し始める。

「俺ね、考えたんだよ。」

「……考え…た?」

「うん……。」

翔君の顔がちょっとだけ、おいらの方に寄る。

翔君の匂いが近づいて、なんだか緊張してくる。

「考えたことなかったって言ったでしょ?

だから、俺の気持ちが先輩後輩、メンバーに対してなのか、そうでないのか……。」

おいらは黙って翔君の話に耳を傾ける。

「思い返してみたんだ。その時その時の気持ちを。

 そうしたらね……。」

翔君の顔をチラッと見ると、翔君が優しい顔で笑ってる。

え?翔君……?

「どっちの気持ちか、結局わからなくて。」

やっぱりそうだよな……。

突然、考えてくれったって、無理な話だよ。

「で、時間を貰おうと思ってたんだけど。」

時間……時間があれば翔君の気持ちが変わる?

そんなことあるわけない。

時間がどうにかしてくれるなら、おいらの気持ちだって……。

「さっきの……。」

さっきの?

おいらからの……キスのこと?

考えたこともない相手からのキスだもん……。

嫌だったよね……しかも寝込み……。

「嫌じゃ……なかった。」

…………。

…………え……?

「もっと……していたいと思ったんだ……。」

おいらは翔君の顔を見上げる。

翔君は照れ臭そうに笑って、おいらの前髪を弄る。

「……やじゃ……なかったの?」

「うん……。」

「しかも……もっと……?」

「……うん。」

おいらが翔君をじっと見ると、翔君はさらに顔を赤くして、おいらの前髪を引っ張る。

「それは……。」

おいらが言い掛けると、腰に回った腕がグッとおいらを翔君に引き寄せる。

「もっと……キ…ス……したいと思うような先輩後輩ってある?」

「ううん。」

おいらは勢いよく顔を振る。

「キ…ス……が気持ちいいと思うようなメンバーっていると思う?」

おいらはもう一度首を横に振る。

「俺の気持ちも……智君と一緒だと思わない?」

おいらはブンブンと顔を縦に振る。

「そういうこと……みたいだから……。」

翔君が恥ずかしそうに顔を隠す。

え……ええ~~~っ!

翔君、それって……。

「チュ~したい好きってこと……でいい?」

「う……うん。」

翔君の恥ずかしそうな顔が可愛くて、おいらはヘラッと笑って翔君の首に抱き着く。

「やっぱり違ったみたい、はなしだから!」

「も、もちろん。」

「ほんとに……ほんとにおいらでいい?」

「……智君がいい。」

おいらは信じられなくて、ちょっと自分の頬をつねってみる。

「どう?痛い?」

「……痛くない。」

おいらが口を尖らせると、翔君が笑っておいらの唇に唇を押しあてた。

柔らかくてあったかい翔君の唇。

さっきよりもずっと濃厚で、甘い、翔君のキス。

「俺の唇……感じてる?」

「う……うん。」

しゃべると唇が微かに触れ合って、くすぐったい。

翔君の唇がほんの少し開いて、舌先がおいらの唇を撫でる。

「あ……。」

思わず声を立てると、翔君は前歯でおいらの唇を軽く噛む。

「どう……痛い?」

「……痛くない……でも……気持ちいい……。」

翔君がクスッと笑う。

「夢じゃないってわかった?」

「うん……。夢じゃない……翔君は……おいらのこと……。」

「そうだよ……智君が……。」

翔君が、おいらの唇を奪うように重ねてくる。

すぐに絡み合う舌が、相手を求めて止まらないおいら達みたいで……。

おいらの腕も、翔君の腕もお互いを引き寄せ、絡みつく。

「ん……んんっ……んぁっ……。」

キスを交わす音は、おいらの煩悩を掻き立てる。

翔君の吐息。

粘着力のある唾液の音。

翔君の匂い。

翔君の滑らかな肌……。

キスしてるだけなのに、徐々に汗ばんでくる肌。

「しょう……くん……んぁっ……。」

「智君……あっ……んっ……。」

ほらほら、後は煩悩の赴くまま……。

煩悩が楽しそうに囁く。

もう、リーダーだって止めたりはしないよね?

う~ん……展開が早すぎるような気はするけど……。

相思相愛だってわかってるんだから……まぁいっか?

そう言って、リーダーが煩悩と握手した。

さ、愛を確かめあおう!

二人が歌うように言う。

「翔君……今日はバレンタイン……。」

抱き合いながら、翔君の髪に手を入れて、翔君を見つめる。

「……そうだね。記念に残るバレンタイン。」

翔君が嬉しそうに笑う。

「だから……おいらからのチョコ……受け取って。」

おいらは翔君のシャツのボタンに手を掛ける。

「チョコ……?」

「うん……翔君が味わったことのないチョコだと思う……。」

「味わったことのない……?」

「大丈夫。ちゃんと教えてあげるから……。」

おいらはそっと翔君のベルトを引っ張った。

さぁ、ここから……。

煩悩のままに突き進んで、何にも知らない翔君を、おいら色に染めてあげる!



ああ♪ HAPPY VALENTINE!










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