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「みんなと作ったお話」
the Deep End(やま)

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Bに進みました



車が翔君家のマンションの駐車場に止まる。

いつもだったら車に乗るとすぐ寝ちゃうのに、今日は一睡もしてない。

長い付き合いだから、翔君も知ってて、

「眠たくなったら寝てもいいよ」

って言ってくれたけど……おいらの中の煩悩とリーダーが言い争いを始めちゃって、

眠るどころじゃなかった!



煩 悩 「ここはガツンと決めようぜ。男だろ?」

煩悩は男前な顔でそう言う。

さっきまで鼻血出してたくせに。

リーダー「いやいや、本気の恋だったら相手の気持ちを尊重しないと!」

小さなリーダーは、小さいくせに体を伸ばして気張って言う。

声は小さいけど、頑張れ!リーダー!

煩 悩 「Hして好きだって気づくケースもあるじゃん?

いいの?あんなに美味しそうなのに。」

リーダー「お、美味しそうだけど……でも、大事なのは気持ち!」

ま、負けるなリーダー!

お前が負けたら、おいら、オオカミになっちゃうよ?

翔君のマウント取れる自信はあるけど……。

煩 悩 「お前は意気地がないだけだろ?」

リーダー「お、お前こそ、断られるのが怖いんだろ?」

煩 悩 「ばかだな。断られる前にヤっちゃえばいいんだよ。

結構、相手もそれを望んでるかもよ?」

リーダー「だったらなおのこと、自分の気持ちを伝えて……。」

煩 悩 「回りくどいんだよ!ヤる時はヤる!ヤられる時はヤられる!」

リーダー「何、ヤられるんだよ!」

煩 悩 「だから、それは……。」



とまぁ、エンドレス。

ほら、煩悩とリーダーが肩で息して睨みあってる。

そりゃね、助手席だもん、寝る気はなかったけど、煩悩のせいで、

翔君の手や唇や優しい笑顔が、おいらを誘ってるみたいでさ……。

せっかく二人きりなのにチラ見しかできなかった!

煩悩のばかやろ~!

あぁ、心なしか、リーダーがさらに小さくなった気がする……。

「智君?着いたよ。」

「う、うん。」

おいらは買い物したビニール袋を持って助手席から降りる。

途中でツマミをいくらか買い、酒は翔君家にあるやつでってことになった。

美味しいお酒をもらったんだって。

「あんまり綺麗じゃないけど、許してね。」

翔君が車のキーをポケットに入れながら、おいらを案内してくれる。

「なんか、今度は翔君が初めて彼氏を連れてくる女の子みたいだな。」

「ん?今度?」

「あ、はは何でもない……。」

やべぇ。助手席乗って、勝手にドキドキしてたこと、翔君にバレる……。

翔君はちょっと首を傾げたけど、気にせずそのままエレベーターに乗っていく。

おいらも後に続く。

「ああ、ごめん。」

翔君がおいらの手からビニール袋をさりげなく奪う。

「え、いいよ。これくらい。」

「いいから。」

翔君はおいらの背中に腕を回して、ドアの前に促す。

「う、うん。ありがと。」

お礼を言うと、翔君がにっこり笑う。

翔君のにっこり笑顔はとっても紳士的。

この笑顔で、なびかない女はいないだろ?

おいらの顔もヘラッと崩れる。

仕方ないよ。だって好きなんだもん。

翔君の部屋に着くと、翔君がドアを開けてくれる。

「どうぞ。」

おいらを先に中に入れ、翔君がドアを閉める。

ほらね。こんなとこまで紳士的。

翔君はジェントルなんだよ。

どんな時でも……。

女の子だけじゃなく、おいらに対しても……。

そして、とっても常識的……。

翔君がササっとスリッパを出し、先に部屋へ上がっていく。

おいらは出されたスリッパに足を入れる。

男同士なんて、考えたこともないだろうな……。

そうだよ。だから、本能のまま襲うしかないんだよ~。

煩悩の囁き。

そうだよ。だから、ちゃんと気持ち伝えて、意識してもらおうよ!

リーダーの呟き。

おいらはキョロキョロしながら翔君の部屋に入っていく。

翔君らしい、綺麗に掃除された部屋。

合理的で機能的な物たち。

そうだよ!

やっぱ、ちゃんと気持ち伝えて意識してもらう!

それでダメだったら仕方ないじゃん?

すっぱり諦めて、メンバーとしてやっていく!

やっていけんの?

いんや、やってく!

あ、ばか。おいらフラれる前提だ。

縁起でもない!

「智君、ソファー座って待ってて。すぐお酒用意するね。」


翔君がローテーブルの上に買い物袋を置く。

「う、うん。」

おいらは袋からツマミを取り出して、テーブルに並べる。

翔君が入っていったキッチンの方を見ると、

ダイニングテーブルの上だけは資料やCD、パソコンでごった返してる。

そんなとこも翔君らしい。

すぐ使う、使い途中のものは、すぐにわかる所へ。

あのテーブルの上も、翔君なりに整理されてるんだろうなぁ。

翔君らしくて微笑ましいっていうか……。

しばらくして、翔君がお酒と取り皿を持って現れた。

「あ、ありがとう。」

ローテーブルの上を見て、にっこり微笑む翔君。

その手はテキパキと動き、おいらの前にグラスとお箸、取り皿が置かれる。

並んで、翔君のも置かれ、おいらの隣に翔君が座る。

「あ~、早く飲みたい!」

翔君はそう言いながら、グラスに氷、お酒を注いでいく。

「この焼酎、まぼろしなんだって。」

「まぼろし?すげぇ。どうしたの?」

「友達にもらったんだけど、飲むタイミングがなくて。

 だから、智君が来てくれてよかった。

 あ、智君、焼酎きらいじゃなかったよね?」

「うん。好きぃ~。」

そうだよ。翔君、大好き。

こんな風に簡単に言えればいいのに……。










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