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「Love so sweet」
Love so sweet(やま)【41~60】

Love so sweet №60

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翔君が一生懸命、卵の白身とご飯を混ぜてる。

「待っててね。すっごく美味しいんだよ。」

知ってるよ。

収録の時、一口くれたじゃん。

「あれをね、どうしても智君にちゃんと食べさせたい。」

翔君はまだ卵とご飯を混ぜてる。

そんなに混ぜる?

「今、ふわっふわに、愛情込めて混ぜてるから。」

翔君が子供みたいに笑う。

本当に可愛い顔で笑う。

おいらも釣られてふにゃりと笑う。

「上手くできたら、俺の得意料理にするから。」

卵かけごはんも料理に入る?

ま、麦茶よりはましか……。

最後に出汁を入れて、さらに混ぜる。

「ほら、できた!」

翔君は満足そうにそれを見て、小さな丼茶碗にゆっくり移していく。

丼の中に、こんもり小さな山ができる。

「どうする?黄身は混ぜる?かける?」

翔君は、小さな器の中の黄身を見て首を傾げる。

「どっちでもいいよ~。」

おいらが笑いながら翔君を見ると、翔君はそれでもまだ困ったように、

じっと黄身を見てて。

「ええい、乗せちゃえ!」

そのまま黄身を山の上に落とす。

山の上の綺麗なお月さん。

それを翔君は、ん、と顎を上げておいらに手渡す。

受け取ったおいらは、それをじっと見つめる。

崩すのがもったいない。

それくらい綺麗な山と月。

う~ん、これもジャポニズム?

「早く混ぜて。」

翔君は隣で、期待に胸をワクワクさせておいらを見てる。

もう、それがわかるくらい、犬だったら尻尾を思いっきり振ってる図が想像できるくらい、

楽しそうにおいらを見つめる。

おいらはやっぱり、崩すのがもったいなくて、

そっとスプーンを黄身の真ん中に落とす。

じわ~っと広がっていく黄身の流れも綺麗で、

まるで月にかかる薄雲のようで……。

「早く食べてよ。」

そんなにせっつくなよ。

ゆっくり目でも味わいたいんだから。

でも、早く早くと訴える大きな瞳に根負けして、

おいらはスプーンでガシガシ混ぜる。

一口、頬張ると、口の中に広がるまろやかな味わい。

「ん~、んまい!」

「でしょでしょ?」

翔君は、とっても嬉しそうにおいらを見つめる。

また一口。

軽くて、ふわっとした触感。

飲み込みたくなる。

「俺にも一口!」

翔君が隣で大きな口を開ける。

しょうがないなぁ。

おいらはその口にスプーンを運ぶ。

今度は犬じゃなくて、ひな鳥みたい。

「ん~、んまい~♪」

語尾を上げて喜ぶ。

全く翔君は、いつまで経っても可愛いんだから。

イケメンで、頼りがいのある男なのに、夜だって、そりゃあさ?

なのに、こういう時の翔君は、満面の笑みが可愛くて。

抱きしめたくなっちゃうよ。

「これ食べた時さ、カメ、踊ったじゃん?」

「うん。」

さらにスプーンを口に運ぶ。

「智君がすぐに、『翔君は?』って聞いてくれたの、嬉しかった。」

え?おいら単純に翔君、どうするのかな?って思っただけなのに。

「んふふ。そんなことで嬉しいの?」

「うん。嬉しい。俺のこと、いつでも気にしてくれてるの、嬉しい!」

「っふふ。いつでもじゃないよ?たまにだよ?」

おいらはちょっと意地悪してみる。

ほらね?

ちょっと意地悪しただけで、翔君の顔がさっと曇る。

「そ、それでも嬉しかった!踊ってる時も、俺のこと気にしてたでしょ?」

「そぉかぁ?」

おいらは卵掛けご飯が美味しくて、次々口へ運んでいく。

「俺のこと見てたじゃない。」

「そうだったかぁ。」

最後の一口をスプーンに取る。

「そうだよ。ゲストのカメより、俺のこと気にしてた!」

あはは。それは翔君の専売特許!

ゲストより、おいらを気にするのはいっつも翔君。

もちろん……嬉しいけど、大丈夫かな?って心配になっちゃう。

あれ?じゃ、おいらも翔君と一緒だった?

「そんなことないよ。」

最後のスプーンを持ち上げて、じっと見つめる。

翔君の愛情の最後のひとかけ。

「俺のこと、気にしてくれてたくせに~。照れ屋さ……んぐっ。」

スプーンを翔君の口に突っ込む。

おいら、いつの間にか翔君に似てきちゃってる?

ずっと一緒にいるから?

時間って怖いね……。

「ざ~どじ~ぐ~ぅん!」

口をもぐもぐしながら、ちょっと目を潤ませた翔君がおいらを見つめる。

口の端についたご飯粒が、口の動きに合わせて、上下に動く。

んもう!

しょうがないなぁ。

おいらは翔君の口についたご飯粒を摘まんで、おいらの口へ運ぶ。

「ほんと、翔君は……。」

おいらは最後の言葉を飲み込んで、翔君の首に腕を回し、頭をナデナデして上げる。

「智君……。」

翔君はされるまま、ちょっと嬉しそうに笑う。

「口の端……。」

翔君の低い声と顔が近づいてくる。

おいらの口の端をペロッと舐めて、優しくおいらを抱きしめる。

ペロッと舐めた舌は引っ込んで、唇がおいらの唇の上を這う。

「しょ……。」

おいらの声は、翔君の唇の中に消えていく。

しょうがないなぁ。翔君は。

おいらは唇を擦るようにしておでこをくっつける。

「智君味の卵……甘い味がする。」

「翔君味のご飯粒も、とっても甘かった……。」

2人でクスッと笑う。

しょうがないなぁ。

今度はおいらが釣ってきたアジで、アジ味のアジ丼、作ってやるから!

でもアジ丼も、きっと甘くなっちゃうんだろうなぁ。

おいらが笑うと、翔君の唇が、本格的においらの唇を食べ始めた。

まずは……卵と出汁味の翔君を堪能しますか!










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