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愛と勇気とチェリーパイ(5人)

愛と勇気とチェリーパイ #8 下

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店内の照明も暗くなり、キッチンの入口にスポットライトが当たる。

え?ここ、スポットライトなんてあったの?

あたしは光の元を探す。

MJがショウ君の後ろで、小さめのスポットライトを操作してる。

「ハッピバースディ~トゥ~ユ~♪」

店長、ショウ君、MJが声を張って歌い出す。

それに釣られるように、お客さんもキッチンの入口を見ながら歌い出す。

もちろん、あたしもしぃちゃんも。

ニノちゃんに腕を引かれ、まるで花嫁のようにキッチンから出てきたアイバ君は、

目を丸くしてキョロキョロ。

「な、何?何?」

ニノちゃんはニヤニヤ笑いながら、アイバ君を中央のテーブルまで連れていく。

2人でケーキの前に立つと、火の点いた蝋燭を見て、アイバ君が顔を崩して笑う。

「みんな~っ!」

一番近くにいたニノちゃんを、ギュッと抱きしめるアイバ君。

「く、苦しいっ!」

ドンッと、ニノちゃんに肘鉄を食らって、一瞬苦しそうにしたけど、

アイバ君はまたにっこりほほ笑む。

「もう、みんなにチューしたいくらい!」

「ほら、いいから、蝋燭消して!」

ニノちゃんに促され、店長、ショウ君、MJに囲まれて、

アイバ君が勢いよく蝋燭に息を吹きかける。

蝋燭の火が消え、周りのお客さんから拍手が沸き起こる。

あたしもしぃちゃんも一緒になって拍手する。

「ありがとうございますっ!」

アイバ君が360度体を回しながら、お礼を言っていく。

「もう、嬉しくて、涙出るよ~。」

アイバ君が手の甲で目尻を撫でると、ニノちゃんがニヤッと笑って、

何か耳元で囁く。

アイバ君の顔が一気に赤くなっていく。

何?何言ったの?ニノちゃん!

ショウ君が証明を点け、店内が明るくなると、

MJがナイフを持ってアイバ君に近づいて行く。

「え~、ウチのアイバ君のお誕生日を一緒にお祝いしてくれてありがとうございます。

 細やかですが、一緒にケーキを食べてください。」

MJが大きな声でそう言うと、店内から歓声が上がる。

その歓声が静まるのを見計らうように、MJはナイフをアイバ君に渡す。

「ケーキ、入刀です。」

MJがニヤッと笑うと、アイバ君はまた、周りをキョロキョロする。

「俺?俺一人で?」

周りから笑い声が上がる。

アイバ君は、みんなの後ろから見守っている店長を見つけると、

手を引っ張って一緒にナイフを握らせる。

「店長、一緒に切ろ?」

「いいよぉ。」

店長もニコッと笑う。

なんなんですか?そのほんわかした雰囲気は!

もう、このまま二人で結婚式しちゃう?

あたしがそう思った時、レジにいたショウ君が、サッとやってくる。

すばやい動きにびっくりするあたしとしぃちゃん。

「店長は、この後もやることあるから。」

ショウ君の手が、ナイフから店長の手を外し、体の向きを変えさせる。

「ええ~!いっつもショウちゃんずるい!」

「ずるくない。やることあるの!」

ショウ君が体で店長を隠す。

「マサキはニノかジュンでいいでしょ。」

「やだっ!今日は俺の誕生日なんだから!」

「ショウ君、いいよ、ケーキ切るくらい。」

店長が困ったように眉を寄せ、眉尻を下げる。

「大丈夫。これは店長の仕事ではありません。」

ショウ君がいつになく強引に店長をプレゼントの方へ押しやる。

「いいよ、いいよ。俺が切るから!」

見かねたMJがアイバ君からナイフを取ると、すばやく切り分けていく。

見事なナイフさばき♪

「ジュン君、俺と一緒に切ってくれないの?」

アイバ君が迷子の子犬のような顔でMJを見る。

いやん♪あんな顔で見られたら、あたし、何でもしてあげちゃう♪

でも、MJは優しく笑って、一番大きなケーキをアイバ君に差し出す。

「食べて。マサキが好きなフルーツたっぷり乗せたから。」

それを見て、パッと顔が華やぐアイバ君。

お皿を受け取り、すぐさまパクリと口へ入れる。

「う、旨い~♪ジュン君のケーキ、最高♪」

満面の笑みでケーキを口へ運んでいく。

「これ、マンゴーかと思ったら柿?」

「うん。マサキがこの間、剥いてたのを見て、閃いた。」

MJがイケめた顔でニヤリと笑う。

「すっげぇ、旨い!」

MJが満足そうにうなずくと、次々皿に乗せてみんなに配っていく。

もちろん、あたしとしぃちゃんのとこにも。

切られたケーキの断面には、MJ特性のカスタードクリームと生クリーム。

生クリームは甘さ控え目。

「う~ん、美味しいね!」

あたしもケーキを口に運び、にっこり笑う。

「では、そろそろプレゼント……。」

ショウ君が大きなリボンのかかった包みの前で、店長と一緒にアイバ君を呼ぶ。

「え?まだ何かあんの?」

アイバ君が皿を置いて、二人の前へ行く。

「はい。これ。」

店長が包みを手で指し示す。

「こんなに大きいの?」

包みの大きさはアイバ君よりちょっと小さいくらい?

相当大きい。

アイバ君がびっくりしていると、

壁に立てかけてある、大きな包みのリボンを二人で外していく。

包み紙もバリバリ剥がし、それがあらわになると……。

「な、何、これ~?」

アイバ君の顔が赤くなる。

そこにはダビデ像のようなポーズを取った、全裸のアイバ君の絵……。

残念ながら、大事なとこは葉っぱで隠されてるけど……。

「お、俺の裸~?」

「はい。店長が描いてくれました!」

ショウ君が自慢げに手を広げる。

「う、うそだろ~?」

アイバ君は慌てて自分の体で絵を隠す。

「こんなとこまで描かなくても!」

ニノちゃんとMJはゲラゲラ笑う。

「アイバちゃんの体、上手く描けてるだろ?ニノに教えてもらった~。」

店長もニコニコしながらアイバ君を見てる。

え?ニノちゃん?なんでアイバ君の裸知ってるの?

え?そういう関係?

そういう関係だと思っていいんですか~?

あたしがニノちゃんを見ると、ニノちゃんが可愛い顔でウィンクする。

あ、そう思っていいってことですね?

わかりました!

隣のしぃちゃんもニヤッと笑う。

あはは。しぃちゃんにもわかっちゃった?

あ、でも、ダメだからね?

高校生にはまだ早い!

あたしは店内のイケメン達を見回す。

店長の肩に手を回し、笑いながらケーキを頬張るショウ君。

絵を隠しながらも、嬉しそうに笑うアイバ君。

そのアイバ君の後ろでニヤニヤ笑うニノちゃん。

お客さんにケーキを配り終え、アイバ君の腰に手を回すMJ。

そんなみんなを見ながら、にこにこ笑う店長。

相変わらずのイケメン達に満足して、あたしは最後のケーキにフォークを入れる。

う~ん、今日も幸せ♪

あたしは隣のしぃちゃんにウィンクする。

しぃちゃんはそんなあたしに気づかず、イケメン達をガン見。

今度は一緒に語り合おうね?しぃちゃん♪










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