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「テ・アゲロ」
テ・アゲロ the action (5人)

テ・アゲロ  the action ⑥ -22-

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大野がエレベーターを待っていると、松本と二宮が追いかけてきた。

「大野さん!」

「なんだ、お前らも来たのかよ。」

ぶっきらぼうにそう言うと大きな欠伸をする。

「送ってくよ。」

松本が大野を見つめ、柔らかい表情で笑う。

大野はその視線を避けるように、二宮に声を掛ける。

「ニノ、いいのかよ。」

「もう、いいでしょう?」

二宮は呆れたように笑う。

「ん~、ま、いいか。でもばあさんは……。」

「大丈夫でしょ?居場所は特定したし、三人を確保もしたし……。」

大野が眉を八の字にすると、エレベーターのドアが開く。

「それで依頼は完了?」

大野がエレベーターに乗ると二人も続く。

「ということにしてもらいます。後は三人の問題。」

「あの三人、どうするかな?」

言いながら、松本が地下駐車場のボタンを押す。

「どうもこうも……。これだから金持ちは嫌なんです。」

「貧乏人の僻(ひが)みにしか聞こえないな……。」

エレベーターのドアが閉まり動き出すと、大野は思いっきり伸びをする。

「ぁあ~!」

目をつぶり、腕を上げた大野の袖を松本が引っ張る。

「ところで大野さん?」

大野が片目を開けて松本を見る。

「ウチのボスと……どこで知り合った?」

松本の言葉に興味を持った二宮も、大野を見る。

「……古い知り合いだよ……。」

「古いって?」

松本が食いつく。

「ずっと昔……。」

「ずっとって?」

松本は、大野を逃がすことなく詰め寄る。

「ずっと昔……。師匠が同じ……。」

「師匠?」

今度は二宮が首を傾げる。

「そ。昔教えてもらってた……。」

チンと、エレベーターが鳴る。

「何か、二人の間にあったんですか?」

二宮は開くエレベーターのドアを見つめながら聞く。

「大したことじゃないよ……あいつの方がおいらよりちょっと先輩だっただけで……。」

松本がエレベーターを降りると、自分の車に向かって歩き出す。

「へ~、ボスのが先輩なんだ。」

「ふん。ちょっとな。」

大野は面白くなさそうに鼻を鳴らす。

深夜の駐車場。

人気などあるはずがない。

その駐車場にバタバタと人の走る音が響き渡る。

三人は顏を見合わせ、柱の陰に体を隠す。

バタバタと走り回る黒い影。

「あったか?」

「ここで待て。」

「上からの連絡は……。」

言葉少なに、数人の男達の声が聞こえる。

「あいつらの……仲間?」

松本が小さな声でつぶやく。

「かもな……。」

大野は男達を見つめたまま、内ポケットから煙草を取り出す。

「ひぃ、ふぅ、みぃ……結構いますね。」

二宮は指を立て、人数を数えていく。

「こっそり帰るか?」

「あの人数じゃ、いくら西田さんでも大変でしょ?」

「大丈夫。あいつ、つぇーから。」

大野が煙草を口に咥えると、二宮がその煙草を指ではじく。

「ここ禁煙。」

「ああ。もったいない!」

大野の視線は、弾かれた煙草を追う。

転がる煙草に気づいた黒服の男が、三人に向かってゆっくり歩いてくる。

「どうします?気づかれましたよ。」

二宮は大野の後ろに隠れながら、声を殺して言う。

「何人いた?」

大野も同じく声を殺す。

「だいたい……10人くらい?」

二宮が大野と松本の顏を交互に見る。

「じゃ、おいらが3でお前が7な。」

「え~。それ無理でしょ?」

「じゃ、5人位、上に逃がして、2、3でどうよ?」

大野は自分と松本を順番に指し示す。

「それじゃ上が大変でしょ?」

二宮がもっと働けと目を吊り上げる。

「大丈夫。あの輝ってやつも結構やるよな?」

「うん。俺に格闘技教えてくれたのあいつだし。」

「だって。」

大野は後ろに隠れる二宮に向かってにやりと笑う。

「そうやってすぐ楽しようとする!」

二宮はさらに目を吊り上げる。

歩いて来た黒服が煙草を拾おうと腰を屈める。

大野は松本に目で合図すると、柱の陰から飛び出した。

その動きに気づいた男がすぐさま身構える。

男の首の辺りに、松本の手刀が一発入る。

首を後ろにガクッとさせながら、周りを警戒する男。

大野はいつの間に移動したのか、その男の鳩尾に一発入れる。

と同時に、男の体が大野に覆いかぶさってくる。

大野はその体を引きずって、柱の陰に静かに寝かせる。

「一丁上がり。」

三人が顏を見合わせて笑うと、すぐ近くで声がする。

「いたぞ!」

黒服達が三人の周りに集まってくる。

「やべ。見つかった。」

大野はめんどくさそうに松本を見る。

「おいらのノルマ、3人でどう?」

「ダメ。全部やっつけちゃって!」

二宮が叫んぶと、3人の男達が走ってくる。

松本はその内の1人の胸目がけて蹴りを出す。

弾かれるように飛ばされながら、男も倒れず踏ん張る。

「やるねぇ。」

松本は間髪入れず、三本の蹴りを出す。

小刻みに避ける男。

だが、最後の蹴りが横腹に当たる。

「ううっ。」

うめき声と共に体を折ると、松本は組んだ両手で、ズンと背中を叩く。

男の体はずるずると沈んでいく。

「大野さん!」

松本が振り返ると、大野の足元に転がる二人の男の体。

「もっと働いてくれよ~。」

大野が眉を下げ、口を尖らせる。

「サボってないで!ほら、何人かエレベーター乗ってっちゃったよ。」

二宮がエレベーターの方を指さす。

「大丈夫。あいつ、つぇ~から。」

大野がにっこり笑う。

それを見て、二宮は大きな溜め息をつく。

「あなた、そればっか。もっとちゃんと働け!」

大野の背中を両手で押す。

大野が、え?と思っていると、ドンと黒服の男とぶつかった。










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