「テ・アゲロ」
テ・アゲロ the action (5人)

テ・アゲロ  the action ⑥ -20-

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全員で部屋の中に入る。

ベッド脇にはガムテープでグルグル巻きにされた黒服の男達。

テーブルには隆子、託也、真実の三人と二宮が座り、大野はベッドに腰かける。

西田は二宮の後ろに、やはり休めの姿勢で立つ。

輝はドアの近くの壁にもたれ、大野に絞められた腕を擦ってみんなの様子を伺う。

松本はツツーっとベッドに行くと、大野の隣に腰を下ろす。

「さて……。」

声を発したのは二宮だ。

「松本さんの持ってる情報……私達も知ってるものだったら帰ってもらいますからね。」

声色は優し気だが、二宮の視線は鋭い。

松本は、ははと笑いながら、黒服の男達をチラリと見る。

「まずは、あいつらから話、聞こうよ。」

大野と二宮が視線を合わせ、大野が小さくうなずくと、二宮が溜め息をつく。

「……仕方ないですねぇ。」

後ろを振り返って、西田に視線を送ると、

西田は最初に捕らえた黒服の男をみんなの前に連れてくる。

男は西田の手荒い扱いに怯えながら、部屋中を見回す。

「誰に頼まれた?」

二宮が穏やかに聞く。

男は顏を背け、答えない。

「答えないと……痛いめ、みちゃいますよ?」

男はビクッと肩を上げたが、それでも黙って答えようとしない。

「これはやってくれってことですかねぇ?」

二宮が西田に視線を送る。

西田は男を後ろから抑え込みながら、二宮に向ける。

「あ~あ、ニノを怒らせちゃったよ。ニノは気が短いからなぁ。」

大野はブルブルッと体を震わせ、松本の影に隠れる。

二宮はゆっくり立ち上がり、西田に抑えられ座り込んだ男の前にしゃがむと、

にっこり笑う。

男のジャケットのボタンを外し、そのシャツを、撫でるように優しく指を滑らせる。

「ああ、ニノ、始めちゃったよ……。」

大野が両手で顔を隠す。

みんなも固唾を飲んで、二宮の動向に注目する。

おもむろに、二宮の手が男の脇腹を這い出す。

「え?…うっ……うっくっくっく……うわっはっはっはぁっ。」

男は身を捩って笑い出す。

それでも止めずにくすぐり続ける二宮の指は、不思議なほど冷静に動いていく。

「ダメ……やめて……っんっ……っくっくっく……息……でき…ない……。」

男が苦しそうに顏を歪める。

「ほらね。ニノ、Sっ気強いから~。」

大野も松本の肩越しに、楽しそうに男を見つめる。

「誰に頼まれた?」

二宮の冷静な声。

「……っくっく……わかった……言う…言うから!」

二宮はピタッと手を止め、男を見つめる。

「誰に頼まれた?」

もう一度、二宮がゆっくり言う。

「御村……代議士。」

「親父……。」

託也がつぶやく。

「何を頼まれた?」

「……息子と……池上の娘を連れて来いって……。」

「私……?」

隆子は託也と顏を見合わせる。

「ふぅん。二人を連れだしてどうするって?」

「……さぁ。それ以上は知らん。」

「本当に?」

二宮が男に顏を近づける。

「……本当だ。」

「嘘つくと……今度は息、できなくなっちゃうよ?」

二宮が、小さな手を奇妙に動かす。

「わ、わかってる……本当に何も知らないんだ……。」

二宮はじっと男の顏を見ると、その言葉を信じだのか、立ち上がって松本の方へ行く。

「で、松本さんは?」

「お、俺?」

二宮の指が、松本の目の前で動く。

「え……あ?」

松本が助けを求めるように大野の方を向く。

大野は黙って首を振ると、同情するような優しい目を向ける。

「……ニノの指に……勝てる者はいない……。」

二宮がゆっく松本の首筋を撫でる。

「さ、話してもらいましょうか?」

「え……そんな大した情報は……。」

二宮はもう片方の手で、器用に松本のボタンを外していく。

「え……あれ?……二宮さん……。」

松本が戸惑って大野を見ると、大野はまた首を振る。

「あ~あ、ニノの指がじかに肌は……きついな……。」

二宮は外したシャツを広げ、松本の筋肉質な胸をあらわにする。

「さ、約束ですよ?ちゃんと話してくれますよね?」

松本が口を開きかけると、輝が怒鳴る。

「黙れ、松本!」

松本はそんな輝と二宮の顏を交互に見て、溜め息をつく。

「ダメだ、輝。約束だ。」

松本は小さく息をつき、二宮の指を見つめる。

「俺達が言われたのは……居場所を突き止めたら……二人が……、

 二人だけでいられるよう、保護しろと……。」

「保護?」

二宮が、片目を釣り上げる。

「そう……つまり……男女の関係になるように……。」

松本が、その言い方が恥ずかしかったのか、下を向いて、どんどん声が小さくなる。

「男女の関係……。」

二宮は繰り返すと、託也と隆子を見やる。

「じゃ、あのまま二人がいい感じになったら……。」

「そう、何もするつもりはなかった……だけど、二宮さん、

家に入ってっちゃったから……。」

「御村家は二人が上手くいくことを……望んでる?」

大野が首を傾げて二宮を見る。

「まぁ、政治家ですし、息子がゲイと言うよりは、敵の娘と恋に落ちる方が

マシだったんでしょうね?」

「国民の印象もいい……。」

松本もちょっと困ったように笑って、託也と隆子を見つめる。

「世紀の大恋愛!現代のロミジュリ!」

松本がそう言うと、二宮は、はぁと小さく溜め息をついた。

「本当に……大人は体裁ばかりを気にする……。」

二宮がチラッと真実を見ると、真実はグッと唇を噛みしめて下を向く。

託也はそんな真実の背中を優しく撫でる。

「でも……そんなこと、想定内ですよね?御村さん?」

二宮がじっと託也を見据える。

託也は戸惑ったように目を見開いて、大野、松本、西田、輝を見回すと、

クスッと笑った。










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