「テ・アゲロ」
テ・アゲロ the action (5人)

テ・アゲロ  the action ⑥ -16-

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「すみません!」

二宮はけたたましく玄関のチャイムを押す。

もう一方の手でドアをガンガン叩く。

「すみません!助けてください!!」

玄関の騒々しさに、二階の寝室にいた隆子と託也も跳ね起きる。

「何?」

託也は隆子を制して、そばに脱いであったTシャツにスエットを素早く身に着ける。

「隆子さんはここにいて。俺が見てくる。」

「でも……。」

「大丈夫。様子を見てくるだけだから。」

託也がにっこり笑うと、隆子も心配そうにしながらもうなずき、裸の胸をシーツで隠した。



託也が下に降りていくと、玄関の音はどんどん大きくなっていく。

「た、助けてくださ~い!」

甲高い男の声が、切羽詰まった様子でドアを叩く。

「……どうしたんですか?」

託也は仕方なく声を掛ける。

「あ……男に追いかけられて……助けてください!」

「男……?」

二宮は間髪入れずに叫ぶ。

「ああ~!来た~っ!」

託也はどうしようか悩んだが、仕方なく玄関の鍵を開ける。

ドアの隙間から素早く体をねじ込むと、二宮はガチャッと鍵を掛ける。

覗き穴から外を覗くと、松本の仲間らしい男達が、一斉にこっちに向かって走ってくる。

「大丈夫……ですか?」

託也が心配そうに二宮を見る。

「はぁ~、助かった~!ありがとうございます。」

二宮はそう言うと靴を脱ぎ、ズカズカと上がり込んでいく。

「ちょ、ちょっと……。」

託也が慌てて後を追うと、二宮は振り返ることなく階段を上っていく。

「ああ、おかまいなく。」

「おかまいなくって、あなた!」

託也は二宮の肩に手を掛け、思いっきり引く。

二宮はスッと肩を外して、振り返る。

「だから、おかまいなくって言ったじゃない。」

また階段を上り始める。

「ちょ、人の家に勝手に!」

「人の家で勝手に何かしてるのはあなたでしょう?」

託也はドキッとして歩みが止まる。

こいつ、誰だ?

何を知ってる?

まさか、雇われた探偵?

「ちょっと待て!」

二宮は二階の廊下をどんどん進んでいく。

間取りは大野から聞いている。

ベッドは二階の奥の部屋……。

「待てって!」

託也の言葉も聞かず、二宮がドアを開けようとすると、寸前で内側から開く。

「きゃっ!」

中で、隆子がびっくりして後ずさる。

「これは失礼。」

二宮が小さく会釈すると、隆子の恰好を見る。

バスローブを羽織っただけだが、まだ大事には至っていないように見える。

二宮は笑って隆子の方へ歩いて行く。

「こんなバカなことはしないで……。」

そう言って、隆子の肩に優しく手を掛ける。

隆子はその手を振り払って、きっと二宮を睨む。

「バカなことって……。私達は真剣です。」

すかさず託也が隆子の隣に並んで、隆子の肩を後ろから両手で掴む。

「バカを言っちゃいけないよ?真剣なら……もっと違う方法があるだろ?」

「……どっちに頼まれた?」

託也が鋭い視線で二宮を見る。

「どっち?」

「俺の方か、隆子さんの方か。」

「私は……。」

その時、玄関が手荒く開けられる音がする。

すぐにドタドタと階段を昇ってくる音が続く。

「やべ!来ちゃったよ!」

二宮が寝室のドアを勢いよく閉める。

鍵を掛けてドアに背を当てると、ガチャガチャとノブを回す音が響く。

「ぎゃっ。」

隆子が驚いて託也の胸に顏を埋める。

託也もどうしていいかわからず、ただ隆子を抱きしめる。

「おい!いるんだろ?開けろ!」

ドアの向こうから声がする。

託也が口を開けかけると、二宮は唇に指を当て、シッと合図を送る。

「なんですか、あなた達。人んちに勝手に!」

二宮が声をあげる。

「ここに御村託也がいるのはわかってる。すぐにここを開けろ!」

「なんのことかわかんないなぁ。」

二宮がとぼけて答える。

「開けないなら、無理やりこじ開ける。」

今まで叫んでいた声とは違い、冷静な声が言う。

外の人影、足音、声からして相手は二人。

私にも相手できるかな……。

いや……無理だろ?

二宮は眉間に皺を作り、眉を下げる。

大野さん、早く帰ってきて!

思わず胸の前で両手を組む。

ドアノブがカチャカチャと動く。

ああ、早く!

二宮がそう思った時、ドアの向こうがバタバタと騒がしくなる。

「うわぁっ!」

ドタッ。

「なんだ貴様!」

ドスドス、バタッ。

「お前……池上の……。」

ドアの向こうがシーンと静まり返る。

隆子は託也の腕の中で、ゴクリと唾を飲み込む。

緊迫した雰囲気がドア越しに伝わってくる。

暫くして、ダンッと飛び上がるような音がし、

続いてドンッと壁に大きな物がぶつかる音がする。

ズルズルと壁を這うような音。

静かになると、ドアの向こうから声がかかる。

「二宮さん?西田です。」

その声に、二宮はホッと息を吐き、ゆっくりドアを開ける。

ドアの向こうには、鍛え上げられた大きな体の西田がにっこり笑って立っている。

「大丈夫ですか?」

二宮は、西田の顏を睨むと大声を上げる。

「大丈夫なもんか!バイオレンスは私の専門外!もっと早く来てよ!!」

西田はそんな二宮を見て、困ったように笑った。










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