「Deepな冒険」
Deepな冒険(やま) 翔Ver.

Deepな冒険 翔ver. ⑧

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おいらはまじまじと櫻井翔の顔を見つめる。

櫻井翔はニヤニヤと、おいらの顔を見るだけで……。

……まさかな?

ないない。

そんなこと、そう簡単にできるわけがない!

でも……。

「つ、つかぬことを伺いますが……。」

おいらは恐る恐る聞いてみる。

「なんでしょう?」

櫻井翔がニヤリと笑う。

「お、おいらがまっぱなのは……なぜなんでしょう?」

無理やりちょっと笑ってみる。

できれば、笑い話で終わらせたい!

「全然……覚えてないんだね……。」

櫻井翔の顔が曇る。

「は……はぁ。」

「俺らが何をしたか……。俺がどんな気持ちで……。」

櫻井翔が顔を伏せる。

「ちょ、あの……や、だから……。」

櫻井翔はそのまま肩を震わせる。

「ごめん。覚えてない!せ、責任は取るから!」

責任てなんだよ。男同士だぞ?

おいらは自分で言っておきながら、言ってることがよくわからなくなる。

「責任……取ってくれるの?」

櫻井翔が顔を伏せたまま、低く小さくつぶやく。

「も、もちろん。」

おいらの声も小さくなる。

だから、責任てなんだよ!

でも、相手は有名人だし……。

「じゃ、責任……取ってもらおうか?」

櫻井翔の目が光る。

やばい!これはケダモノの目だ!

おいらが反射的に体を引くと、ズイッと櫻井翔も近づいてくる。

「え……だから……あの…………どう責任…取ればいいの!」

最後叫ぶと、櫻井翔が顔をあげてクスクス笑い始める。

クスクス笑いは徐々に大きくなり、最後にはガハハと大口を開けて笑い始めた。

「な、なんだよ!笑うって!」

「あははは。ほんと、あなた面白い!」

「え?……じゃ……。」

「自分が、俺を……しちゃったと思ったわけ?」

「……や、まぁ……。」

「この体格差で?寝てるあなたが?」

「え?……じゃ、やっぱりおいら……ヤラれ…ちゃったの?」

なんとなく、どっちかっていったら、そうなんじゃないかと思っていたけど……。

おいらは泣きそうな顔で櫻井翔を見上げる。

「あははは。ほんと、あなたは!」

櫻井翔は笑いながら、おいらの体を抱きしめる。

肌と肌が触れ合うと、温かさとすべすべの感触が、おいらの記憶を少しだけ呼び覚ます。

おいら……この気持ち良さ、知ってる……。

気持ちいいなぁって思いながらすべすべ、すべすべ……。

やっぱりおいら……。

櫻井翔はおもむろに肘枕をすると、笑いをかみ殺しながらおいらを見つめる。

「あなた、ソファーで寝ちゃったでしょ?」

「う、うん。」

おいらは櫻井翔を縋(すが)るように見つめる。

櫻井翔も俺を見つめながら、優しくおいらの頬に手を添える。

「そのままじゃ、風邪がひどくなっちゃうから、ベッドに連れて行こうと思ってね……。」

「う、うん。」

それからだよ、問題は!

「でね、抱き上げたんだけど……潮のついた服のままじゃ嫌だったから……。」

嫌だったから……どうした!

「ベッドの上に降ろして、脱がせたわけよ。」

そ、それで?

「そうしたら、やっぱり寒いじゃない?」

そりゃそうだ。裸なんだから。

「俺の寝巻き、貸してあげようと思ったんだけど……。」

そこで貸してくれればよかったのに!

「以前、テレビで、『人肌が一番温かい』って言ってたのを思い出してね。」

思い出すなよ~。そんなこと!

「で、風邪を引かせちゃったお詫びに、温めてあげようかな?と思って……。」

思って?

「俺も脱いで布団に入ったわけです。」

櫻井翔は、さも楽しそうに話す。

しかも、なぜかおいらの頬をプニプニしながら。

「で?」

おいらは続きが気になってしょうがない!

「温めてあげようと、抱きしめたら……。」

「抱きしめたら……?」

「あなた、俺の背中に腕を回して、背中をサスリサスリ。」

「サス…リ?」

「そう。『気持ちいい……』って。寝言?無意識の意識?」

それは完全なる寝言です!

全く意識した覚えはありません!

でも……なんとなく思い出してきたから怖い。

「で、十分あったまったかな?と思って体を離そうとしたら、

 あなた、俺のこと抱きしめて離してくれない。」

櫻井翔はクンッと首を傾ける。

「おいらが……?」

「そう、お・い・ら・が!」

「そ……それから?」

「それから?それでお終いだけど?」

それでお終い……。

ほんとに?

なんだか、気が抜けたような……いや!よかった!

おいらの貞操も守られ、櫻井翔の貞操も守られてた!

でも、一つ気になったことが……。

「え……なんでパンツまで脱いでるの?」

「それは……。」

櫻井翔がニヤッと笑う。

「あなたが起きた時に面白そうだから。」

櫻井翔の目は……悪魔のように輝いてる。

そして、これがアイドルか?有名人か?って顔でまた笑い出す。

「な、なんだよ!おいらがどんなに落ち込んだと思ってんだよ!」

おいらは腕を振り上げると、その手首を掴んで櫻井翔が言う。

「どうして落ち込んだの?」

「どうしてって……。」

「そんなに俺じゃ嫌?」

「そういう問題じゃ……。」

「俺は……あなたならいいよ。」

「どういう意味だよ。」

「たとえ男でも……あなたならいいよ。」

さっきまでの笑い顔とは間逆の、真剣な顔でおいらを見る。

ど、どうせ、またおいらをからかおうってんだろ?

「ふざけんなよ。」

おいらは櫻井翔の腕を振りほどこうと、腕を引く。

櫻井翔の力は、思ったより強くて、全然振りほどけない。

「ふざけてないよ。マジだから。」

「そうやって女を口説くんだろ?おいらは女じゃないから口説かれたり……。」

おいらは続きが言えなかった。

櫻井翔の唇が、おいらの口を塞いで、おいらの言葉を飲み込んでしまったから。










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