「ココロチラリ」
ココロチラリ 田舎編

ココロチラリ 田舎編 (29) - タイムカプセル side story -

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「サトシ、宴会は夜中まで続くから、ちょっと休憩しよう。」

ショウ君はそう小声で言うと、おいらを裏口に連れ出す。

外は夕暮れ時の、赤みがかったオレンジ色。

森や山が黒い影となって、空との対比がきれい。

「ショウ君、小さい頃からこの景色、見てたんだね……。」

「ん?うん……ここを従兄弟達と駆け回って……基地作ったりさ。」

「うふふ。楽しそう。」

おいら達は並んで歩く。

「海はないけど、それ以外はなんでもあるから。」

蒸し暑い夏の夕暮れ。

蝉の声と、小川の涼しげな音。

「川の音が気持ちいいね。」

「明日の朝……散歩しようか?」

ショウ君がおいらの手を握る。

「うん。」

おいら達は裏から玄関の方へ歩いていく。

「本当に大きなお家だね~。」

おいらは空を見上げながら話す。

オレンジ色の空に、おじいさんの家の屋根が、まるでお城のように見える。

「そうだね……子供にとってはかっこうの遊び場だよ。

 なんせ、かくれんぼも鬼ごっこも家の中でできる。」

ショウ君がおいらを見て笑う。

おいらもクスッと笑って、ショウ君の手に指を絡めた。

ショウ君の親指と人差し指がゆっくり動いて、おいらはちょっとくすぐったい。

「戻らなくて平気?」

「そうだな……俺ら、今日の主役だし……。」

「っふふ。主役は舞香さん達みたいな気がするけど……。」

「じゃ、主役は譲ることにして……ちょっと隠し部屋行ってみない?」

おいらは足を止める。

「なんで?」

「気になってることがあるんだ……。」

「おいら……あんまり行きたくない……。」

ショウ君も立ち止まって振り返る。

繋いだ手が引っ張り合う。

「……だったら尚更。俺もあの部屋、密会部屋だと思ったんだけど、

 違うような気がして……。」

「違うって……何?」

「う…ん……。」

ショウ君が言いよどんでおいらを見つめる。

「ま、いっか。せっかく二人なんだから、二人の時間を堪能しよう。」

「堪能って……帰んなくていいの?」

「もう少しぐらい大丈夫。おいで。」

ショウ君は来た道を戻って裏庭の奥へ向かう。

「え?どこ行くの?」

「昔のまま……あるかな?」

ショウ君が連れてきてくれたのは大きめの小屋。

母屋とは続いていない、まったくの離れ。

でも、人が住むにしては……。

「ああ、まだある……でも、馬はいないか。」

「馬?」

「そう、昔、馬を飼っててね、ここによく見に来たんだ。

 中に入ると危ないって怒られたけど。」

ショウ君はその小屋の中に入っていく。

中は薄暗く、薪や藁があって、倉庫として使われてるみたい。

ショウ君は、奥にある階段?状になった木をパンパンと叩く。

「ん、大丈夫そうだな……。」

その木に足をかけながら、おいらを手招きする。

おいらが近づくと、ショウ君はその木を上っていく。

おいらも続いて上る。

上は四畳半くらいの広さで、埃を被って、何もない。

「ここ、親父に怒られて隠れたとこ。」

ショウ君は懐かしそうに歩き回る。

「小学校……2年生くらいかな?怒られた理由は忘れちゃったけど、

 ムカついて、あんな親父のとこなんかに戻るもんか!と思ってここで一晩過ごした。」

「一晩?」

「うん。夏だったしね。寒くはなかったけど、だんだん心細くなってね。」

ショウ君は蓋のように閉まっている木の窓を外側に押す。

ギィーと大きな音を立てて、窓が開くと、木の杭で窓を止める。

小屋の中に夕日が差して、赤い光がちょっと幻想的。

ザァーっと何かが動く音。

「もう、ここで一晩過ごすのは無理だな。いろんなものがいそう。」

ショウ君が身震いする体を、両手でさする。

「うふふ。でも、思い出の場所なんでしょ?おいらも来れてよかった。」

おいらが窓枠に手をついて外を覗くと、ショウ君がおいらの肩を抱く。

ショウ君の方へ振り返ると同時に、ショウ君の顔が近づいて、あっという間に唇が重なる。

「ショ……んっ……。」

ショウ君のキスは、さっきの広間でのキスと違って……。

舌がおいらの中を動き回る。

ショウ君の動きに合わせて、唾液があふれてくる。

それをクチュクチュ言わせ、おいらの舌にはそっぽを向いて、

歯列の根元を撫でる。

「あ……ん………ショぉ……。」

溜まらず、自分から舌を絡める。

舌、全体で絡めて、唾液を吸い上げる。

知らず知らずの内に、おいらの手はショウ君の背中に回り、体が密着する。

ショウ君の手も、おいらのTシャツの下の背中を撫でる。

「は…ぁ……ショウ……く……。」

「ん……俺、もう……限界……。」

ショウ君のジーパンがおいらのジーパンと擦れる。

ショウ君のは、ジーパンを押し上げて、パンパンで……。

「ダメ……戻らないと……。」

「もうちょっと……。」

ショウ君の舌が、執拗においらの舌を絡めとる。

唾液の音、ショウ君のジーパン、背中を伝う指。

おいらだって限界だって、ショウ君、わかってる?










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