「ココロチラリ」
ココロチラリ 田舎編

ココロチラリ 田舎編 (14) - タイムカプセル side story -

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5段位、降りたところで、中を懐中電灯で照らしてみる。

中は真っ暗で、ただ、狭い階段が下へ下へと続いてる。

「サトシ、大丈夫?」

カズが心配そうに入り口から覗いてる。

「うん。狭いけど、危ないことはなさそう。」

「待って。俺が先に行くから。」

ショウ君が、おいらのすぐ後ろに下りて来る。

「狭いから無理だよ。」

おいらが笑って振り返ると、ショウ君は仕方なくおいらの後ろにピタッとくっついた。

カズも足元を確認しながら下りて来る。

おいらは前を向いて、階段をゆっくり下りていった。



1階分以上はゆうに降りたけど、まだ階段は続いてる。

「サトシ。」

ショウ君がおいらの肩に手を置く。

「結構長いね……。」

「うん……。」

「気をつけて。」

カズの不安そうな声。

「カズは大丈夫?」

「わ、私より自分の心配してください!何が出てくるかわからないんだから。」

「っふふ。はい。」

それを見ていたショウ君が、ニヤッと笑うと、カズの方に振り返った。

「わっ!」

大きな声で驚かす。

「きゃあ~!」

カズの悲鳴と尻餅をつく音。

「やっぱり怖いんじゃん。」

ショウ君が勝ち誇ったように言うと、声をあげて笑った。

「ショウちゃんっ!」

カズがショウ君に殴りかかろうとする。

「あははは。」

ショウ君は笑ってカズの腕を振り払う。

「ほら、二人ともじゃれないで。」

おいらが笑ってそう言うと、カズが目を吊り上げておいらを見た。

「これがじゃれてるように見えますか?」

「うん。」

おいらは真面目に答えて、笑うと階段を下りていく。

どうみても、じゃれてるよね?

「サトシの目はどうなってるんですか?」

「……さぁ。」

ショウ君が肩を竦めた。

そんな感じでしばらく進むと、ぽっかりと階段の出口が顔を出した。

出口にドアはない。

おいらはちょっとドキドキしてきた。

なんていうのかな?

ピラミッドの王様の部屋に入るような感じ?

出口の前に立って、中を懐中電灯で照らしてみる。

最初に浮かび上がったのは、丸い小さなテーブルと椅子。

2脚ある。

奥をグルッと照らしてみると、左にベッド、右に扉のついた棚。

「部屋?」

すぐ後ろからショウ君の声がする。

「うん。そうみたい……。」

おいらはまた、懐中電灯で部屋中を見回す。

「ちょっと待って!」

一番後ろから、カズが顔を覗かせる。

「何?」

おいらはカズを照らす。

カズは自分の懐中電灯でベッドの脇の壁を照らす。

「コンセント……。」

カズがつぶやく。

「てことは、電気通ってるんだ。」

ショウ君がおいらから懐中電灯を取り上げると、部屋の壁を照らし始める。

すぐに、おいらのすぐ脇の壁に、電気のスイッチが見つかる。

「点くかな……。」

ショウ君が、う~んとスイッチに手を伸ばす。

カチッと小さな音がして、部屋が明るくなる。

「点いた……。」

部屋は10畳ほどで、電気を点けたら結構広く感じる。

カズがベッドを調べ始める。

おいらは棚の扉を開ける。

ショウ君は壁を叩いて、耳を当てる。

「コンクリだよな……。」

「ベッドには使ってる様子はないですね……。」

「棚の中にも何もない……。」

おいらとカズはショウ君に倣って、壁を調べ始める。

「ここで行き止まりかなぁ?」

おいらが言うと、ショウ君が壁に耳を当てて答える。

「そうだね……誰かが住んでいたのか……。」

「監禁してたのか。」

カズもそう言いながら、壁に耳を当てる。

「監禁!?」

おいらはびっくりしてカズを見る。

「そうじゃなかったら、逢引き用の部屋か。」

「逢引き?」

今度はショウ君が聞き返す。

「ショウ君のご先祖様が、可愛い女中さんに手をつける部屋?」

「カズ!」

ショウ君が怒鳴る。

「そうでもなきゃ、こんな部屋必要ないでしょ?それとも監禁部屋の方がいいですか?」

「カズ……ミステリ小説、読みすぎ。」

おいらが口を尖らせると、カズが笑って首を傾けた。

「ミステリなら……ここが殺人現場とかになってるんですけど……。」

カズがおいらが調べた棚をもう一度調べる。

中に何も入っていないのは、すぐにわかる。

「こういう棚が動いたり……。」

カズが棚を動かそうとすると、簡単にスライドした。

「動いた……。」

おいらはショウ君と顔を見合わせる。

棚の後ろから、上に続く階段が現れた。

「本当にミステリみたい……。」

カズはつぶやくと、おいら達をチラッと見て、階段を上り始めた。



階段の最後は、入った時と同じように閉まっていた。

鍵がかかっているわけじゃなかったから、三人でゆっくり持ち上げる。

5センチ位、開いたところでカズが外を覗いてみる。

「どこに出た?」

ショウ君も小さな声でそう言って、一緒に覗く。

人はいないようで、二人は蓋を思いっきり持ち上げた。

そこには、壁一面の本棚と大きなデスク……。

三人は部屋に順に入っていく。

「ショウ君……ここどこ?」

おいらはショウ君の腕を掴む。

「書斎……みたいですね?」

ショウ君はゆっくり見回して、窓に近づいていく。

窓からは大きな樹が連なった森。

「ここ……一茂おじさんの書斎だ。」










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