「ココロチラリ」
ココロチラリ 田舎編

ココロチラリ 田舎編 (7) - タイムカプセル side story -

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おいら達は佳代子さんに、風呂に入れと急かされた。

おじいさん家にはお風呂が二つある。

一つは大きな4、5人で入れるお風呂。

もう一つは五右衛門風呂。

おじいさんは五右衛門風呂が好きなんだって。

ショウ君も、小さい頃入ったことあるって言ってた。

蓋を取って入って、熱くてびっくりしたって。

小さなショウ君がお風呂から飛び出す姿を想像すると、可愛くて笑ってしまう。

おいら達は大きなお風呂に入ることになった。

5人でも十分に入れる広さだから、みんなでいっぺんに。

もう一緒にお風呂に入ることもないから、昔に戻ったみたいで楽しい。

ショウ君はちょっと不満みたいだけど。

「二人っきりになれるの、お風呂くらいしかないのに……。」

ショウ君が3人を睨みながら言う。

「みんなで来て、二人っきりになろうって方が無理。」

ジュン君が意地悪そうに笑う。

お風呂場でも、おいらにぴったりくっついて離れないショウ君が、

なんだかとっても可愛くて、知らず知らずに笑っていたら、

カズが、おいらに耳打ちしてくる。

ショウ君は頭を洗ってるから、カズに気づかない。

「ショウちゃん、サトシの裸、みんなに見せたくなくて一生懸命。」

カズがニヤニヤ笑う。

「そんなことないよ。男同士だよ?」

「あはは。それ、ちょっと違うんだよなぁ。じゃ、ショウちゃんとのH、

 思い出してみて。」

え?ショウ君との……?

おいらの頭に、ショウ君の、吐息の漏れる唇が浮かび上がる。

続いて、体中を這い回る力強い指。

ショウ君に打ちつけられて、貫かれる快感……。

「ほらね?思い出しただけで、色気5割増しだから。」

カズが頬を染めて、エッチっぽい顔で笑う。

カズのが色気あるじゃん。

「男同士でも関係ないでしょ?」

「う、うん……。」

おいらは下を向いて答える。

「そんなサトシを見たら、私だって触りたくなるし……。」

カズの手がおいらの背骨を下から撫でる。

ゾクッとして、背筋が伸びる。

「カ、カズ~!」

おいらの声が大きくなって、3人が振り返る。

ショウ君は頭に泡を付けたまま、おいらが座っていた椅子を足で自分に引き寄せる。

体のバランスを崩したおいらはショウ君の胸の中へなだれ込む。

「きゃあ。」

ショウ君は泡だらけの体でおいらを抱きしめ、みんなから隠す。

「俺のなんだからな!気軽に見るな!触るな!近寄るな!!」

「そんなの無理に決まってるでしょ?」

カズが鼻で笑う。

「そうそう。そこまで独占欲強いと、サトシに捨てられちゃうよ~。」

ジュン君が背中を洗いながら、ショウ君に向かって不敵な笑顔を見せる。

ジュン君の背中の筋肉が、とってもキレイにキラキラ光る。

「そうだよ。俺ら、幼馴染なんだから。」

マー君が足を伸ばして膝の裏を洗う。

マー君の足はとっても長い。

そして、細いのに、筋肉の形が男って感じ。

「マー君、足、キレイ。」

おいらがポツリとつぶやくと、ショウ君がグイッとおいらの視界を隠す。

「お前らが一番危ないんだよ!」

ショウ君が叫ぶと、3人が大笑いした。



おいら達がお風呂から帰ってくると、きちんと布団が敷かれていた。

きっと、佳代子さんが敷いてくれたんだ。

2枚と3枚が頭合わせになってる。

5人で協議の結果?おいらとショウ君が並んで、

カズ、マー君、ジュン君の順に3人も並んで寝ることになった。

マー君がどうしても真ん中がいいって、珍しく駄々をこねた。

座敷童が怖いらしい。

可愛い女の子なんだけど、夜中にいたら嫌だからって。

みんな、疲れていたし、お酒も飲んでお風呂に入ったせいか、すぐに眠りについた。

おいらも、素麺のことを考えながら、すぐに意識がなくなった。



「カズ……カズ。」

マー君……?

「ジュン君……ジュン君てば。」

マー君の押し殺した声とごそごそと動く音。

「マ……君……?」

おいらは顔を動かし、掠れる声で言う。

目はまだ半分しか開かない。

「サトシ~。トイレ、一緒に行って~。」

泣きそうな声で、マー君がおいらの肩を揺さぶる。

「ん……いいよ……。」

おいらはもぞもぞと布団から起き上がり、両手で目を擦る。

目がはっきりしてくると、半べそ掻いた顔で、おいらを見つめるマー君が、

おいらに抱きついた。

「よかった~。二人とも起きてくれないから、漏れちゃうかと思った~。」

「マー君……。」

おいらはクスッと笑って、マー君を見る。

「すぐ行くよ。」

マー君はおいらを離して立ち上がると、おいらの腕を引き上げた。

二人並んで廊下に出る。

廊下は真っ暗で、ところどころ、窓から漏れる月明かりだけが道しるべになってる。

冬、雨戸閉めちゃったら、本当に何も見えないかも。

「サトシ……。」

マー君がおいらの後ろに隠れる。

「トイレ、すぐだから大丈夫だよ。」

おいらが小さな声で言うと、

「そ、そうだよね?」

と、マー君もうなずく。

でも、おいらの後ろから離れない。

おいらはゆっくり廊下を進んだ。

マー君がくっついてるから、スタスタ歩けない。

こんな姿見たら、またショウ君が怒るんだろうな、と思ったら、

おいらはクスッと笑ってしまう。

「な、何?サトシ?サトシだよね?」

マー君がビクビクしながら、おいらに聞く。

「大丈夫だよ。ここにいるから。」

「突然笑わないで~。怖いから。」

「ごめん、ごめん。」

おいら達は廊下を進んだけど、一向にトイレに辿り着かない。

「あれ?トイレ、こっちじゃなかったっけ?」

おいらがマー君に聞くと、マー君はわかんないと首を振る。

「ん……こんなに遠くなかったよね?戻ろっか。」

おいら達が後ろを向くと、少し先を白いものが横切った。

「ぎゃあっ!」

マー君が短い悲鳴を上げる。

おいらもその場に立ち竦んだ。










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