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愛と勇気とチェリーパイ(5人)

愛と勇気とチェリーパイ #5 下

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そんなあたしにお構いなしに、MJがケーキの説明を始める。

「こっちのちっこいの、食べてみて。」

あたしはチョココーティングされた小さな星を口へ入れる。

一口ではちょっと大きいかな?

星に歯を当てると、サクッと軽い食感とドロッとした中につぶつぶ。

「ん!中にもチョコ?それにナッツ?」

「そう、チョコパイ。甘すぎないチョコのクリームに胡桃を入れてみた。」

「うん!大人な味♪」

あたしは残りの半分も口へ放り込む。

早くしないと、チョコクリーム出ちゃうんだもん!

割とさっぱり?でいいのかな?な味わいで、いくつでも食べられそう!

残念ながら二つしかお皿には乗ってないけど。

「こっちは本当に大人の味だよ。」

MJがニヤッと笑う。

星の隣には、生クリームと三角にカットされた……ガトーショコラ。

「今日はチョコづくし?」

「うん。俺、ショコラティエの勉強もしてたんだ。」

「ショコラティエ?すごい!」

「すごくないよ。勉強してただけだから。でも、このガトーショコラはちょっと自信ある。」

MJが自信ありげに、でもちょっと恥ずかしそうに笑う。

なんで恥ずかしそうなのか、あたしが首を捻ると、隣の席からガタッと音がする。

あたしとMJがそっちへ向くと、ニコニコしながら店長が座ってる。

「店長!」

MJが珍しく大きな声を出す。

「こんばんは。」

店長がふにゃりと笑う。

「今日は来ないっていうから……後で家にケーキ持っていこうと思ったのに。」

「そうなの?でも、来ちゃった。」

店長がまたふにゃりと笑う。

この笑顔には誰も逆らえないよね?

「ふん。本当に気まぐれなんだから。」

MJが口を尖らせて溜め息をつく。

「ご、ごめん……。」

店長がちょっとしょんぼりすると、アイバ君が笑いながら、コーヒーを入れ始める。

「店長、潤君は店長んちにケーキ持って行きたかったんだよ。」

「ウチに?」

「そう。店長と二人で食べたかったの。」

アイバ君がさわやかに笑う。

「でも、ショウさんに店長は忙しいからって、止められて……。」

MJが不満顔で文句を言う。

あ、それがさっきの壁ドン?

「ま、それでも一人で行こうと思ってたけどね。でも店長来たら、ダメじゃん。」

MJはがっかりしてるのを隠そうともせず、肩を落とす。

「だ、だって、今日は潤君のガトーショコラだって言うから。」

店長が眉を下げて、みんなを見回す。

「誰に聞いたの?」

アイバ君が聞くと、店長は小さな声で答える。

「ショウ君……。」

アイバ君が、ははんとうなずく。

「それに、誕生日でしょ?」

店長が優しく笑う。

「覚えてたの?」

MJ、とっても嬉しそう!

「忘れるわけないよ。はい。誕生日プレゼント。」

大きめの紫の箱を取り出す店長。

「え……いいの?」

さっきまでとは全く別の、可愛い顔ではにかむMJ。

「うん。開けてみて。」

MJは白いリボンをサラッと解いていく。

箱を開けると、中から出てきたのは……帽子?

「もう、間に合わないかと思ったよ~。」

ふにゃりと笑う店長。

「これね、おいらが作ったの。」

「え?店長の手作り?」

MJが帽子と店長を交互に見る。

帽子は紺の中折れ帽。

「うん。帽子なんて、初めて作った。」

店長が帽子を見ながら、ニコニコ笑う。

「すげぇ。帽子って作れんだね?」

アイバ君が、いつの間にかMJの後ろにいるショウ君に声を掛ける。

「うん。さすが店長。しかもこのリボンもとっても潤っぽい。」

ショウ君が店長に向かって笑うと、隣に並ぶ。

「ショウ君……。」

照れくさそうに頭を掻く店長。

ほら、やっぱりなんか空気が甘い……。

ね?甘いよね?甘いでしょ?

「潤がどうしても店長にケーキ食べてもらいたかったみたいなんだけど。」

ショウ君がMJの顔を見て笑う。

「最後の仕上げは家でやるって言ってたから……。

 終わったら即効来てって電話したんだよ。ケーキ、食べてもらえてよかったね。」

ショウ君の満面の笑みはどこか、してやったり感満載で……。

MJはチッと小さく舌を鳴らす。

ははは。MJも同じこと思ったんだね?

ショウ君の店長ガードは結構固い、とノートに書いておこう!

あ、今日は小さいチューもあったしね♪

「潤君、おいらにもがとーしょこら。」

店長が潤君の肘をつっつく。

「OK。」

潤君が嬉しそうに笑って、奥から店長用のを持ってくる。

あたしと店長は一緒にパクリと口に入れる。

しっとりした生地は、これも甘さ控えめの苦みばしったイイお味!

カカオの香りにちょっと生クリームをつければ、

口の中に広がる芳醇(ほうじゅん)な味わい。

生クリーム、付けた方がまろやかで食べやすい♪

あたしと店長は顔を見合わせてにっこりする。

「美味しい♪」

「うまい!」

同時に口をつく。

ショウ君が店長の隣で、あ~んと口を開ける。

そこへ店長がケーキを入れようとすると、MJが横取りする。

「あ!」

ショウ君が目を吊り上げる。

「俺、味見してないから♪」

MJが口をもぐもぐしながら、勝ち誇ったように笑う。

店長が困った顔で、ケーキをまた掬ってショウ君に差し出す。

「いいよ。俺。」

ショウ君はふて腐れてそっぽを向く。

「じゃ、私が頂きましょうかね?」

ニノちゃんがそれをパクッと平らげる。

「ほら、店長のなんだから、店長が食べて。」

「あ、俺も!」

アイバちゃんも口を開けて待ち構える。

「それじゃ、店長が食べられないじゃん。」

MJが怒っても、店長はニコニコしながらみんなに分ける。

まるで、親鳥と雛?

あたしはクスクス笑いながら、ケーキを平らげて行く。

ああ、今日も本当に美味しい♪

そして、間接キスしまくる5人の仲良しイケメン達。

あ~ん、目の毒!いやいや、目に目薬?違う違う。心に癒しのサプリメント♪

でも、ちょっと5人の進展が楽しみになってきた!

あたしの妄想ノートに書き込まなくちゃ♪

ショウ君、MJは恋のライバルって!












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