「ココロチラリ」
ココロチラリ(やま)【41~57】
ココロチラリ その後(53) - タイムカプセル side story -
2015.07.31 *Edit
レセプションが終わって、家に着いたのは12時を回っていた。
頂いた花束を洗面所に一時保管。
荷物を置いて、ソファーに倒れこむように座る。
「お疲れ様。」
ショウ君が、冷蔵庫からミネラルウォーターを持ってきてくれる。
「はぁ~!一段落~!」
おいらはにっこり笑ってショウ君からミネラルウォーターを受け取る。
「よく頑張ったね。」
ショウ君もおいらの隣に座る。
おいらはショウ君の顔を見上げ、やっとホッとする。
やっぱりここが一番落ち着く。
「挨拶も、よくできました。」
ショウ君が頭をなでなでする。
ふふふ。子供扱い。
「よくできた子にはご褒美あげなくちゃね?」
「ご褒美?……いいよ。そんなの。」
「何がいい?」
ショウ君はおいらの背中に腕を回し、引き寄せる。
「ん~……やっぱりいい。何もいらない。」
「どうして?」
「おいら、ショウ君にはいっぱいもらってるから。」
おいらがふにゃりと笑うと、ショウ君が、ん?と首を傾げる。
「俺、サトシに何かプレゼントしたことあったっけ?」
「うん。毎日もらってる。」
「毎日?……何?」
ショウ君の手がおいらの髪を弄る。
「んふふ。秘密。」
「なんで?」
「…………恥ずかし…い……。」
「何?恥ずかしいこと考えてたの?」
「ち、違うから!」
おいらが抗議すると、ショウ君はクスクス笑って、髪を弄っていた手で頬を撫でる。
「ははは。……本当に、何でもいいから、言ってごらん?」
「いい……。何もいらないから……。」
おいらは頬を撫でるショウ君の手に、自分の手を重ねる。
「この手で十分。」
おいらは首を傾けて、ショウ君の手の温もりを味わう。
「そんな可愛いこと言う?」
ショウ君は反対側の頬に唇を当て、チュッと音をさせる。
「これ以上、好きにさせてどうするの?」
ショウ君の声が耳元で響く。
「これ以上好きになったら……俺、狂うよ?」
「ショウ君……。」
おいらはショウ君の方を向く。
ショウ君の目は真剣で、でもどこか不安そうで、おいらはその目から目を逸らせない。
「1分1秒、離れられなくなる……。」
ショウ君の手がおいらの首筋に添えられる。
「サトシの才能も、人間関係も、何もかもどうでもよくなって……溺れるよ?」
ショウ君の指がゆっくりと鎖骨を撫でる。
「毎日、毎晩、この肌に触れていないと禁断症状が出て……。」
ショウ君の指がシャツの襟を開いて、首筋にキスする。
ゾクッとして、おいらはショウ君の首に腕を回し、頭を抱えるように抱きしめる
「狼に変わる。」
ショウ君が鎖骨の薄い肉に歯を立てた。
「いっ……。」
おいらが小さく声を上げると、ショウ君が顔を上げる。
その顔は茶目っ気たっぷりで、ニヤッと笑ってる。
「ショウ君!」
「ははは。毎晩、狼に変わってるって言いたい?」
「……変わってるじゃん。」
「でも、ここんとこご無沙汰だから……。」
ショウ君が、おいらの腰を引き寄せ、ソファーに押し倒す。
「禁断症状……。」
おいらの上に覆いかぶさりながら、軽く触れるくらいに唇を重ねる。
一度離して、おいらの顔を見ると、もう一度、今度は強く、唇を合わせる。
すぐにショウ君の舌が侵入してきて、甘ったるいくらい優しく、
おいらの舌を絡めとっていく。
生ぬるい息が、唾液の音が、ショウ君の香りが、おいらの体を包み、纏わりつく。
「ショ……んっ……。」
声も、息さえもできない程、強く吸い付かれ、
おいらは体を捩って、ショウ君とおいらの間に腕を入れる。
ショウ君はそれを許さない。
ショウ君の手がおいらの手首を掴んで、身動き取れなくなる。
そうして、おいらの体はショウ君のキスでいっぱいになる。
頭も、体も、心も、ショウ君のキス以外、考えられなくなる。
もっと欲しくて、もっと感じたくて。
顔の角度を変えながら、ショウ君の舌が歯列の根元をなぞる。
おいらの歯型を確認するように、丁寧に舐めあげていく。
上顎の、一番奥に辿り着く頃には、おいらの体もショウ君の体も、十分に反応していて、
ジーパンが擦れるだけで、下腹部が疼きだす。
それに気づいたショウ君が唇を離すと、おいらの顔を見つめて言う。
「さっきの……半分本気。」
「さっきの?」
「これ以上好きになったら……どうなるか、自分でもわからない。」
「ショウ君……。」
「こんな俺……うざい?」
ショウ君の目はやっぱり真剣で、おいらはショウ君の髪の中に指をそっと入れる。
「おいらはもう……狂ってるよ?ショウ君に。」
ふにゃりと笑って見つめると、ショウ君は目を一瞬見開いて、目尻を垂らし、
おいらをぎゅっと抱きしめた。
「いいよ。狂って。……もっと狂って。ずっと狂って……。」
ショウ君の低い声が、膜を張ったように丸く響く。
ショウ君の唇が、おいらの輪郭をなぞり、舌の動きが、おいらの神経を刺激し始めると、
おいらはショウ君のシャツをズボンから引き出した。
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