「season」
CARNIVAL NIGHT Part2

CARNIVAL NIGHT Part2 #1 - season 文化祭編 -

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楽しかった夏休みも終わり、学校は文化祭に向けて動き出していた。

文化祭は10月の始め、2学期制のこの学校では、この文化祭が前期の区切りとなる。

もちろん、文化部は夏休みから文化祭に向けての準備を着々と行っていた。

サトシの美術部も、部としての展示を始め、演劇部の大道具にも借り出され、

夏休みの後半を忙しく過ごした。

サトシはさらにコンクールに向けての絵も仕上げなくてはならない。

毎日、時間の許す限り描き続けた。

おかげで、コンクール用の絵は無事、夏休み中に仕上がり、

展示用の絵の、デッサンと水彩に取り掛かり始めていた。



9月に入って初めてのランチの日。

サトシが中庭の木の下に行くと、マサキが先に来て待っていた。

「サトシ~。」

笑顔で手を振るマサキに向かって、サトシも笑顔を返す。

「久しぶりな気がするね~。」

サトシはマサキの斜め前、いつもの席に腰を下ろす。

「夏休みも学校で会ったりしてたのに。」

サトシがふふっと笑うと、マサキもクスッと笑う。

「ほんとだね。ランチが久しぶりだからかなぁ?」

マサキは、夏休みの間にまた伸びた身長を持て余し気味に、

テーブルの外に足を出して、足首を組む。

「その後、ショウちゃんとはどう?」

「う~ん、なんにもない。」

サトシは目を伏せて、お弁当を広げる。

「でも、いいんだ。まだこのままでもいいのかなって。」

「本当にいいの?」

マサキもお弁当を広げながら、チラッとサトシの様子を伺う。

「うん。みんなで一緒が楽しいって、旅行行って思ったし。」

「……楽しかったよね。」

「うん。それに……無理してもダメかなと思って。」

「そっかぁ。」

マサキが箸を手に持ち、サトシを見つめる。

「でも、苦しくなる前に言うんだよ?」

「うん。いつも、マー君、ありがと。」

サトシがマサキに向かってふにゃりと笑うと、マサキの顔がカァーっと熱くなる。

「サ、サトシ、これあげる!母ちゃんのから揚げ、旨いから!」

マサキがから揚げを箸で摘んでサトシに差し出す。

「んふふ。ありがと。」

サトシはそれをパクッと口に入れる。

「ん……おいひい。」

頬を膨らませ、満面の笑みで笑うサトシを見て、マサキの顔は余計熱くなる。

「じゃ、マー君にも。」

サトシは自分の肉団子を摘んでマサキの顔の前に差し出す。

え?とマサキが躊躇していると、

「あ~ん。」

サトシが口を開けて、あ~んを求める。

マサキは熱くなる顔を振り切って、サトシの肉団子にかぶりつく。

「な、何してんだよ!」

ショウが大声で叫ぶと、走ってやってくる。

「サトシとマサキ、恋人同士みたいじゃん。」

ジュンがクスクス笑いながら近づいてくる。

そんな二人を見て、サトシとマサキは顔を見合わせる。

「少しくらいヤキモチ焼いてくれるかな?」

サトシが小さくつぶやく。

マサキは箸から口を離し、モグモグと肉団子を噛んでいく。

「少しどころじゃないと思うよ。」

マサキは口の中でつぶやく。

「え?」

サトシが聞き返そうと顔をマサキに近づけると、ショウが隣に座って、

サトシの肩を引く。

サトシがショウを見上げると、その唇はから揚げの油で、テカテカと輝いている。

ショウはその顔を見て、顔を赤らめる。

伊豆の夜のサトシの唇が、蘇ってくる。

「どうしたの?ショウ君、走ったから熱い?」

サトシは自分のペットボトルをショウに差し出す。

「だ、大丈夫。」

ショウはサトシから視線を逸らすと隣に座る。

「ほんとに大丈夫?遠慮しなくていいよ。」

サトシは再度ペットボトルを差し出す。

「ショウちゃんは、具合が悪くて赤くなってるわけじゃないから。」

ジュンが笑いながらマサキの列の端に座る。

いつもの位置。

いつの間にか決まってしまったランチタイムの席。

でも、マサキとジュンの間がまだ埋まっていない。

「カズはどうした?」

ショウがサトシに聞く。

「なんか、クラスで忙しそうだったから、先に来ちゃった。」

サトシが、うふふと笑ってショウを見る。

「あ、文化祭、サッカー部は何やんの?」

マサキが、から揚げを食べながらショウに目をやる。

「ああ、ウチは毎年焼きそばだって。マサキんとこは?」

「ウチはたこ焼き。野球部は?」

「かき氷とチョコバナナらしいけど……。」

ジュンもお弁当を広げ、箸を出す。

「なんで男子運動部が冷たいの、やるんだよ。」

マサキが不満そうに口を尖らせる。

「男は熱さを堪えて作らなくっちゃ!」

マサキにそう言われ、ジュンは困ったように眉をしかめる。

「そんなこと言われても……。」

そこへ、めずらしくカズが走ってやってきた。

「カズが走ってくるなんて珍しいじゃん。」

ジュンが上目遣いでカズを見る。

「……ちょっと、文化祭の打ち合わせ、長引いちゃって。」

カズが慌しく椅子に座ると、机の上に置いたのはお弁当じゃなく、4冊の冊子だった。

「文化祭、お芝居やるよ!」

「へぇ~、カズのクラスは芝居やるのか。」

ショウが一冊を手に取り、ぺラッと捲る。

「ウチのクラス主催だけど……4人も出るからね?」

「はぁ?」

ジュンがカズを覗き込む。

カズはニヤッと笑うと、みんなを見回す。

「4人が主役だから。」

「はぁ?」

ショウとマサキが声を合わせる。

サトシはなんのことだか、よくわからず、首を傾げてカズを見つめた。










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