「短編」
短編(いろいろ)

秘密 ~ 大宮 ~

 ←Blue ~ 大宮 ~ →どこにでもある唄 ~ にのあい ~
よく冗談でキスしてた。

おふざけの延長。

そう。手を繋いだり、肩を組むのとほぼ同じ。

なのに、ある日突然、リーダーとの距離が開いた。

なんで?どうして?

楽屋でゲームをしながら考える。

いつもなら、隣に来るはずのリーダーが、今日は相葉さんの隣に座る。

どうして?

チラッとリーダーを見たら、リーダーと目が合った。

私が目をそらすより早く、リーダーが目を逸らす。

なんで?私、何かしましたっけ?

しかも、同時にゲームオーバーの音。

ああ、なんだか全然面白くない。

「そろそろお願いしま~す。」

スタッフが呼びに来て、5人揃って楽屋を出た。



撮影の合間も、リーダーの様子はずっとそんな感じで、

だんだん腹が立ってきた。

いったい私が何したって言うんですか?

腹が立ってきたから、あえて、リーダーの態度に気づかない振りをした。

いつもみたいに、隣に行って触ることもせず、

ずっと一人でゲームしてやった。

途中、潤君が隣に来て、小さな声で囁いた。

「何があったの?」

「何って?」

「リーダーと。」

「何も。」

「何もなくて、あれ?」

潤君の言葉に顔を上げると、リーダーとまた目が合った。

「あれって?」

「リーダー、絶対何か抱えてるでしょ?」

潤君はそう言って、スタッフに呼ばれて行ってしまう。

抱えてる?何を?

悩んでるの?



楽屋に戻ると、リーダーが先に帰って着替えてた。

リーダーと私、二人っきり。

今までには感じたことのない空気感。

1mほどしか離れていないのに、別の世界にいるような距離感。

私達は黙って着替えを済ます。

「……お先。」

先に着替え終わったリーダーが、帽子を目深にかぶり、

私の隣を通り過ぎようとする。

私は反射的にリーダーの腕を掴んでた。

「何?言いたいことがあるなら言いなよ。」

「言いたいことなんか……。」

「あるでしょ?でなきゃ、こんなに目が合うはずがない。」

そうだよ。今までこんなに目が合ったことなんかなかった。

どんなに私が見ていても、気づく素振りなんか、一度もなかったじゃない。

リーダーは私の隣で、黙ったままうつむく。

その顔が、あんまりにも幼く見えて、

怒ってるのが、なんだかばからしくなってくる。

「なんでそんな顔すんの!」

リーダーの頬を掴んでギュッと引っ張り、パッと離す。

「い、痛い。」

リーダーは両頬を押さえて顔を上げる。

「痛くない。」

「痛いよ、ニノ~。」

「痛くない。」

私は笑って、両手で頬を撫でてあげる。

その親指でリーダーの唇を撫でる。

途端に、リーダーの顔がカァーっと赤くなる。

私の手を振り払って、リーダーが背中を向ける。

「何?」

「だから……そういうの、止めろよ。」

「そういうのって?」

「そういうのは、そういうのだよ!」

「わかんないから、聞いてるんでしょ?何よ?」

「……ニノが……。」

「……私が?」

「キス……なんかするから……。」

私は首を傾げてリーダーの肩に手を掛ける。

「そんなの、今までだっていっぱい……。」

手に力を込めて、こっちを向かせる。

そう、今までだっていっぱいしてる。

私の気持ちになんか気づかないリーダーは、それをやんわり受け入れてくれた。

そうでしょ?リーダー。

手を繋ぐのと変わらない、リーダーとのキス。

私を見つめるリーダーの困ったような、切ないような目を見ながら、

徐々に顔を近づけていく。

「や、止め……。」

リーダーの顔が赤くなって、私から顔を背ける。

私はリーダーの顎に手を掛け、持ち上げる。

「なんで止めるの?」

リーダーがそれでも視線を逸らす。

「手を繋ぐのと、変わんないんでしょ?」

ゆっくりリーダーの唇に唇を近づける。

「ダ、ダメ!」

リーダーの手が私の顔を押しのける。

私は両手でリーダーの両手を掴んで、リーダーを壁に押し付ける。

じっとリーダーを見つめたまま、唇に唇を合わせる。

リーダーは息を止め、私を見つめてる。

私は片手でリーダーの帽子を払った。

帽子がパサッと床に落ちる音がした。

そのうち、両手から力が抜け、合わせただけの唇が少しずつ位置をずらし、角度を変え、

リーダーの柔らかい唇が、私を味わうように、動きだす。

力の抜けた腕を離してあげると、片手は私の腰を引き寄せ、

片手は私の頭を支える。

「あんっ……。」

私が声を漏らすと、一瞬離れた唇がまた重なり、今度は舌が入ってくる。

リーダーの舌は、口の中でコロコロと転がって、私の舌を絡めていく。

「はぁ…ん…。」

思わず吐息が漏れるほど、優しく甘い、リーダーのキス。

私がおずおずとリーダーの背中に手を回すと、リーダーの唇が離れる。

「あ……。」

離れがたくて、こぼれる声。

「だから……ダメなんだよ……こんなキスがしたくなっちゃう。」

どういう意味?ね、リーダー。

「ニノをもっと、味わいたくなる……。」

だから、それはどういう意味?

リーダーは笑って、また唇を重ねる。

はっきり言ってくれないリーダー……。

……ふん。いいよ。

絶対いつか言わせてやるから!

やっと戻った距離感。

でも、今までと違う空気感。

当分の間は秘密にしておいてあげる。

だから今は……アナタの唇を……ね、リーダー。










関連記事
スポンサーサイト



 関連もくじ一覧 ▼ 
総もくじ 3kaku_s_L.png a Day in Our Life
総もくじ 3kaku_s_L.png Kissからはじめよう
総もくじ 3kaku_s_L.png Step and Go
総もくじ 3kaku_s_L.png 果てない空
総もくじ 3kaku_s_L.png タイムカプセル
総もくじ 3kaku_s_L.png Hello Goodbye
総もくじ 3kaku_s_L.png season
総もくじ 3kaku_s_L.png 夏の名前
総もくじ 3kaku_s_L.png Welcome to our party
総もくじ 3kaku_s_L.png Deepな冒険
総もくじ 3kaku_s_L.png 三日月
総もくじ 3kaku_s_L.png WONDER-LOVE
総もくじ 3kaku_s_L.png みんなと作ったお話
総もくじ 3kaku_s_L.png 大人の童話
総もくじ  3kaku_s_L.png a Day in Our Life
総もくじ  3kaku_s_L.png Kissからはじめよう
総もくじ  3kaku_s_L.png Step and Go
総もくじ  3kaku_s_L.png 果てない空
総もくじ  3kaku_s_L.png タイムカプセル
総もくじ  3kaku_s_L.png Hello Goodbye
総もくじ  3kaku_s_L.png season
もくじ  3kaku_s_L.png 五里霧中(5人)
総もくじ  3kaku_s_L.png 夏の名前
もくじ  3kaku_s_L.png Troublemaker(5人)
もくじ  3kaku_s_L.png Crazy Moon(5人)
総もくじ  3kaku_s_L.png Welcome to our party
総もくじ  3kaku_s_L.png Deepな冒険
もくじ  3kaku_s_L.png 花火(やま)
もくじ  3kaku_s_L.png miyabi-night(5人)
もくじ  3kaku_s_L.png ZERO-G
もくじ  3kaku_s_L.png 復活LOVE(やま)
総もくじ  3kaku_s_L.png 三日月
総もくじ  3kaku_s_L.png WONDER-LOVE
総もくじ  3kaku_s_L.png みんなと作ったお話
もくじ  3kaku_s_L.png Believe
もくじ  3kaku_s_L.png コスモス
もくじ  3kaku_s_L.png つなぐ
総もくじ  3kaku_s_L.png 大人の童話
もくじ  3kaku_s_L.png 智君BD
もくじ  3kaku_s_L.png ブログ
もくじ  3kaku_s_L.png ティータイム
【Blue ~ 大宮 ~】へ  【どこにでもある唄 ~ にのあい ~】へ
  • Tag List 
  •  * |
  • TB(-)|
  • CO(-) 
  • Edit
  • 【Blue ~ 大宮 ~】へ
  • 【どこにでもある唄 ~ にのあい ~】へ