ナイスな心意気(5人)

ナイスな心意気 ⑨-1

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「本当にごめん!よろしく頼むよ~ショウちゃん!」

マサキはショウを拝むように手を合わせてる。

「サトシがどうしてもって言うから引き受けるんだぞ。今回だけだからな!」

ショウはぶすったれた顔でマサキを見ると、溜め息をついて俺らを見比べる。

サトシはふにゃりと優しい笑顔で俺らを撫でる。

「大丈夫。ショウ君はなんだかんだ言って、優しいから。」

「サトシ~。ありがとう恩にきる!」

マサキは俺とサトシの頭を撫でると、慌てて帰っていった。

「マサキこそ、気をつけろよ~!」

俺はマサキの背中に向かって叫ぶ。

マサキは俺が言うのもなんだけど、人一倍のお人よし。

あれで結構、成功してるんだから、すごいよね。

でも今回は海外。日本じゃないから、ちょっと心配……。

そんなマサキの心配は俺らで……。

そう、俺ら、犬のショウと猫のサトシ。

頭を撫でられてのは、俺と猫のサトシね。

なんでも、タイでラーメン屋を開きたいって人がいて、

その人にレクチャーしにいくんだとか。

日本でのやり方が通用するのかどうかわかんないけど、

困ってるから、行ってあげるんだと!

本当にマサキは人がいい。

だから、いっつも貧乏くじを引いてる気がする……。

人間のサトシのことだって、この人間のショウよりずっと性格はいいはず。

見た目だって、どっこいどっこい?

俺的にはマサキの方が足が長くてかっこよく見える。

スタイルの良さは犬の俺でもよくわかる。

笑い方も優しくて、一緒にいると楽しい気持ちにさせてくれる。

それに比べてこの人間のショウは、俺にヤキモチ焼くくらい

ヤキモチ焼きで、独占欲が強い。

性格も捻くれてて、猫のサトシは可愛がるくせに、他にはまったく見向きもしない。

なんでマサキが負けたのかわからない。

「さぁ、これから3日間、二人はウチにお泊りだよ~。」

人間のサトシが、俺の頭を力強く撫でてくれる。

その後ろで、面白くなさそうにショウがこっちを見てる。

俺は見せ付けるように、人間のサトシの顔をペロペロ舐める。

本当に人間のサトシは優しくていい人。

そして、とってもいい匂いがする。

味もいい。

ついつい舐めすぎる。

くっついちゃう(笑)

すると、サトシがちょっと不機嫌になる。

ははは。俺、愛されてるから。

「ショウちゃん、デレデレしすぎ!」

サトシの爪が俺の鼻を引っかく。

「い、痛いよ~。サトシ~。」

俺は両前足で鼻を押さえて縮こまる。

「自業自得。」

サトシはフンッと鼻をあげて、横目で俺を見る。

「おいらのベッドのぶんざいで。」

ははは。もとい、愛されてるのはベッドとしてでした……。

「うふふ。二人は本当に仲がいいね。」

俺らをニコニコしながら見ている人間のサトシ。

そのサトシの後ろから腕を回して抱きしめるショウ。

「サトシとショウなんて名前付けるから。」

ショウは人間のサトシの頬に、チュッと音をさせてキスをする。

なんか、それだけでもムカつくんですけど!

俺も、サトシにチューしようと鼻を近づけたら、サトシのパンチを食らう。

「サトシ君、本当はショウ君に優しくしたいんだよね。」

サトシが人間のサトシを見上げる。

「あんまり冷たくすると、おいらがショウ君取っちゃうよ。」

人間のサトシがニコッと笑って、俺の鼻にキスをする。

あ……なんか、俺の本能が……。

俺の尻尾がブンブン振れる。

俺もお返しに、人間のサトシの頬をペロッと舐めようとしたら、

俺の視界が真っ暗になった。

サトシが俺の顔にへばりついたのだ。

「サ、サトシ~、爪!痛いから!」

俺の顔の周りに爪を立ててへばりつくサトシを、顔を振って振り落とそうとする。

でも、サトシはぴったりくっついて離れない。

それどころか、宣戦布告を言い放つ。

「ショウちゃん、おいらと人間のサトシとどっちを取るの?

 おいら、この3日間、きっちり見させてもらうからね!」

え~っ?ちょっと待って。それ、どういうこと?

やっとのことで顔から離れたサトシを、困った顔で見つめると、

サトシはにっこり笑ってこう言った。

「それによっちゃぁ、今後の対応も考えさせていただきます!」

サトシ~。何?なんか俺、悪いことした?

俺は困って人間のサトシの顔を見上げる。

人間のサトシは笑って俺の顔の周りを撫でる。

「あ~、血が出てる……。」

人間のサトシが、ティッシュで俺の顔についた血を拭き始めると、

サトシがテーブルに乗っかって、俺の顔を舐め始めた。

サトシと人間のサトシの目が合う。

火花が散ったような気がして、俺は顔を背ける。

すると、ショウが自分の顔の前までサトシを抱き上げる。

「こんな犬のどこがいいんだ?ん?」

人間のサトシが俺の顔を消毒し始める。

「ちょっと痛いけど、我慢できる?」

俺の首を抱きかかえるようにして、消毒液の匂いのするティッシュを当てていく。

消毒液の匂いに混じって、人間のサトシの匂いが鼻先に漂う。

次第に、人間のサトシの匂いに包まれて、俺はトロンとしてくる。

いい匂いなんだよ~。

「ショウちゃん?」

サトシのドスの利いた声が響いた。

俺はそっとサトシを見上げる。

サトシの目がキラッと光った。

ついでに牙も光っていて、背筋がゾクッとした。










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