「ココロチラリ」
ココロチラリ(やま)【21~40】

ココロチラリ その後㉑ - タイムカプセル side story -

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ジュン君とおいらは顔を見合わせて首を捻る。

まさか!

「ショウ君!?」

ジュン君が時計を見る。

深夜2時すぎ。

ジュン君はベッドから降りると、インターフォンに向かう。

おいらはびっくりして、携帯に向かって声を上げる。

「ショ、ショウ君なの?」

「何が?」

「今のピンポーン。」

「ああ、やっと着いた?それより、ジュンに何もされてないよね?」

「何もって?」

「キスされたり……。」

キスはされてない……。

ショウ君の言ってるのは口だもんね。首筋は入ってないよね?

「……されてないよ。」

「裸にされたり……。」

「されてない。おいら、シャワーも浴びてないんだから。心配しなくても大丈夫。」

「一緒のベッド、もしくは布団。」

「それは……。」

おいらが言いよどんでいると、玄関の方が騒がしくなった。

「サトシ~!」

マー君の大きな声が聞こえてくる。

「マサキ、夜中だぞ。ご近所迷惑。」

ジュン君が眉間に皺を寄せて怒ってる。

バタバタと足音が寝室に駆け込んでくる。

「マー君!」

「サトシ、ここにいたの!?」

マー君がおいらの体を抱きしめる。

「おい!マサキ!サトシに抱きつくなよ!」

ショウ君の声が、マー君の登場にびっくりして耳から外した携帯から聞こえる。

すごいショウ君。なんでわかったんだろ。

「サトシの身柄確保。」

ジュン君と一緒にカズも寝室に入ってきて、ベッドに腰を下ろす。

「二人ともどうしたの?」

「どうしたもこうしたも……。」

カズが溜め息をついて、ショウ君の声が聞こえる携帯を、おいらからもぎ取る。

「ショウちゃん?サトシは大丈夫、いた。……うん。……それはわかんないなぁ。」

カズが携帯に向かって笑う。

ジュン君がチェッという顔をして、寝室を出て行った。

おいらは何がなんだかわからず、マー君に助けを求めると、マー君は

「サトシ~。心配したんだよ。家出の原因、俺に話して。力になるから。」

とにっこり笑う。

おいらは、首をかしげてマー君を見る。

マー君が、よしよしと頭を撫でてくれる。

ショウ君との話しが終わったカズが、はいと言って、携帯をおいらに差し出した。

おいらはそれを受け取って、耳に当てる。

「ショウ君?」

「明日、即効で帰るから、家で反省してるように。わかった?」

ショウ君は先生みたいにそう言って電話を切った。

「コーヒー淹れたから。」

ジュン君が、寝室の入り口の上の部分に手を掛けて、

雑誌のモデルみたいなポーズでみんなを見渡した。

みんなぞろぞろとリビングに向かう。

テーブルの上にはコーヒーカップが4つ。

「サトシ、いったい何があったの?家出なんて。」

マー君がソファーの前に座って言う。

え?家出?……って何?

その隣にジュン君が座り、おいらはマー君の前に座る。

最後にカズがおいらの隣に座りながら言う。

「家出じゃないんでしょ?ショウちゃんが私達を煽るのに、そう言っただけでしょ。」

「家出って……何?おいら貴田君と飲みに行って、寝ちゃったみたいで。

 ジュン君が迎えに来てくれたんだけど……。」

おいらは二人が何を言ってるのかわからず、二人の顔を見る。

「なんだ、そうなんだ。よかったぁ。」

マー君が安心したようにうなずいて、コーヒーを飲む。

「全く、人騒がせな……。でも、ジュン君と二人きりは違う意味で心配ですけどね。」

カズはジュン君を見ると、フンッと鼻を鳴らす。

しばらく沈黙が流れる。

みんな、それぞれ、何がどうしたのか整理してるみたいだ。

おいらもコーヒーを飲みながら考える。

家出って……なんだろう?

「で、どうやって俺のとこってわかったの?貴田と連絡取れるやついないでしょ?」

ジュン君は、ソファーに寄りかかって頭の後ろに両手を添える。

「ショウちゃんからメールが来ましてね。『サトシが行方不明だ!』って。」

カズがゆっくりコーヒーを飲む。

行方不明ってショウ君おおげさな……。

「俺んとこにも来た~。で、すぐ返信するじゃん。何があったのって。」

マー君がニコニコおもしろそうに話す。

「もちろん私もしましたよ。ショウちゃん、何してるんですか!って。」

ジュン君は携帯を取り出して、確認してる。

「あ、俺んとこにも来てる。」

「ジュン君だけすぐに返信が来なかったから、ジュン君とこだと

 目処をたてたんでしょうね。ショウちゃん。

 で、家出したみたいだ、ジュンから返信がないから、いるかもしれない。

 俺は今、大阪で行けないから確認してきてくれって。」

「で、ここに来た、と!」

マー君がにっこり笑った。

「そうか。メール来てたのは知ってたけど、気づかなかったって

 バックレようと思って……。返信した方がよかったのか~。」

ジュン君はおでこに手を当てて、うなる。

マー君が、どうしてこんなことになったのか、おいらに説明しろと促した。



おいらは簡単に、どうしてジュン君ちにいるのか説明した。

説明して、シュンと下を向く。

結局、飲みすぎて、寝てしまったおいらが悪い。

「別にサトシは何も悪いことしてないよ。ね?」

ジュン君がおいらを庇ってくれる。

「でも……みんなに心配かけちゃった……ごめんね。」

「心配してたのはショウちゃんだけだから。」

マー君がケラケラ笑う。

「へぇ。俺とサトシが二人っきりでもマサキは心配じゃないんだ。」

ジュン君がコーヒーを口に運びながら、ニヤリと笑う。

「ジュン君とこにいるってわかれば心配じゃないよ。

 サトシが困るようなこと、ジュン君はしないでしょ?」

「ま、色ぼけしたらわかんないですけどね。」

カズが、笑いながらもするどく言い放つ。

「違うよ。ジュン君は酔っ払ったおいらを介抱してくれたんだから。」

おいらがそう言うと、ジュン君は困ったように笑って、またコーヒーを啜る。

「今日はここで雑魚寝かな。」

ジュン君がおいらに目配せする。

「雑魚寝……本物の雑魚寝だね。」

おいらもカップを両手で持って、にっこり笑う。










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