「Love so sweet」
Love so sweet(やま)【41~60】

Love so sweet ㊶

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「ん……んんっ……。」

智君がソファーに座るなり、いきなり唇を奪う。

智君は抵抗するでもなく、俺にされるまま唇を預ける。

智君のチューは、俺の疲れなんか吹き飛ばしてくれる。

俺はゆっくり唇を離し、智君の顔を見つめる。

「ね……智君……。」

俺は自分の唇に手の甲を当てる。

「ギトギト……。」

「何が?」

「唇。」

「唇?」

俺は自分の唇を擦り、ついでにティッシュで智君の唇も拭う。

「ギトギトすぎてキスできない!」

「そんなこと言ったって、冬は唇、荒れるから!」

智君は嫌がって、俺の腕を振り払う。

「違うでしょ?」

「何が?」

「プルプルの唇が好きなんでしょ?言ってたじゃない。」

智君はちょっと下を向いて、上目遣いで俺を見る。

「す、好きだよ。いけない?」

なんか、ちょっと偉そうで、俺はお灸をすえたくなる。

「じゃあ、俺がギトギトにするから、味わってみてよ。」

俺は鞄からリップクリームを取り出し、キャップを外す。

「いいよ、いいよ。翔君は。」

智君が、俺の腕を両手で掴む。

「ほら、智君だって、ギトギト、嫌なんじゃない。」

「違うよ。」

「ギトギトだとヌルッとして気持ち悪いんだよ。」

「……気持ち悪い……。」

智君の動きが止まる。

俺は止せばいいのに話を続ける。

「女の子のグロスよりはましだけど……。あれ、絶対気持ち悪いよね?

 見た目はいいけどヌルヌル。」

俺は智君をポンと押して、クッションに押し倒す。

「翔君?」

「ん?」

「グロスつけてる人とチューした?」

「……してないよ。」

あれ?なんか……。

口調が……。

「にしては、ずいぶんリアルな話だね?」

「そ、そんなことないよ。」

「そうかな?」

智君の目つきが怖い……。

雲行きが怪しくなってきた……。

話をごまかさないと……。

「と、取り合えず、俺がギトギトにするから、キスしてみてよ。」

俺は智君の手を退けると、リップクリームを唇に当てる。

「あ~、翔君は塗らなくていいから!」

「なんで?」

「だって……、もともとプルンプルンじゃん。」

智君が人差し指で、俺の下唇をプルンと弾く。

「おいらの唇、カサカサだと翔君が嫌かなと思って……。」

さ、智君……。

俺の顔が明るくなるのがわかる。

「な、なのにさ。いいよ。唇がカサカサだから、翔君とはチューしない!」

智君が顔を背けて唇を尖らせる。

え?ええ~~~っ!

それは困るよ。智君のキスはエネルギー源みたいなもんなんだから。

昔から、そう出会った頃から俺にとっては大事な生命の泉……。

いや、ちょっと違うか。A5ランクの和牛ステーキ……これも違う?

「本当にチュー……しないの?」

「しない!」

「本当に?」

「しないよ。」

智君はソファーの上で目をつぶる。

「え?もしかして、寝るのも別居?」

「当たり前じゃん。チューもできないのに一緒に寝るわけないだろ?」

「智く~ん!」

「早くベッドで寝な。」

俺は智君の上に覆いかぶさる。

「重たい。」

智君が目をつぶったまま冷たく言い放つ。

「ギトギトでもいいから!」

「グロスつけた女の子とチューしてくればいいじゃん。」

「………ヤキモチ焼き……。」

俺が小さな声でつぶやくと、智君がキッと俺を睨む。

「翔君に言われたくないわ!」

智君が顔を赤くして怒ってる。

さ、智君、本当にヤキモチ焼いてくれてるの……?

俺の顔がどんどんニヤケてくる。

「智君……怒ってる?」

「……。」

「怒ってる……智君も可愛いよ。」

俺は智君の首筋を指でなぞる。

智君が俺の手を振り払う。

「智君がプルンプルンが好きなのは、俺の唇がプルンプルンだから?」

「………。」

「ね?……こっち向いてよ。」

智君は頬を染めてるくせに、こっちを向いてくれない。

「ほら……プルンプルンが待ってるよ~。」

俺は自分の下唇をなぞって小さく弾く。

「プルンプルンだよ~。」

俺は、横を向いてる智君の顔の前に、自分の顔を持っていく。

「ねぇ……智くぅ~ん。」

智君が片目をチラッと開く。

「ギトギトでもいいから……。ううん。カサカサでもいいから……。

 あ、やっぱりカサカサだと痛くなっちゃうかもしれないから、

ギトギトのがいいのか……。」

智君はまだ俺を睨んでる。

「だから……チューしよ。俺、智君とチューできないと……。」

「……チューできないと?」

怒った顔のまま智君が言う。

「チューできないと……やる気になれない……。」

「やる気……?」

「仕事する気も、遊ぶ気も、本を読む気も、調べものする気も、

詞を考える気も、ご飯食べる気すら起きてこない……。

智君のチューは……俺の生きる活力源なの!」

智君は俺をじっと見て、小さくつぶやく。

「また……おいらのことユン○ルみたいに……。」

「3000円以上のやつね?」

智君が俺の顔を見て、笑った。

「もう、ギトギトでも文句言わない?」

「言わない……でも、プルンプルンが好きな理由だけ教えて。」

また智君が不機嫌な顔になる。

やばい……しつこかったか?

でも、智君の口から聞きたかったんだよ~。

「翔君、一人でベッドで寝て。」

「智君~!!」

俺が一晩中、智君に謝り続けたのは言うまでもない。

でも、俺、何で謝ってるんだろ?

これも……惚れた弱みってやつかな?










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