「season」
season(5人)【41~60】
season (54) - タイムカプセル 高校生編 -
2015.02.17 *Edit
「青い空!」
ショウが空に向かって手を上げる。
「白い雲!」
ジュンが砂浜に足を入れる。
「常夏のビーチ!」
マサキがビーチボールを抱えて走り出す。
つられる様に、ショウとジュンも走り出す。
「ここ、常夏じゃないから!」
カズが呆れて首をすくめ、サトシを見る。
サトシはニコニコ笑うと、みんなの後に続いて走りだす。
ここ、伊豆下田まで来るのに3時間半かかった。
お金のない高校生の5人だ。
カズの提案で、踊り子号は諦めて、鈍行で、乗り継ぎ、乗り継ぎやってきた。
それも5人でいれば楽しい時間。
ゲームをするカズの横で、やいのやいのと4人はうるさかった。
しまいには、カズも混ぜてのトランプ大会で、大声をあげ、
周りの大人がしかめ面したのは言うまでもない。
ババ抜きで3回連続負けが続いたマサキは、珍しく泣きそうな程落ち込んでいた。
「マー君は正直だから仕方ないよ。」
サトシの慰めの言葉も届かず、どんよりした空気を一人で背負い込む。
同じくらい素直なサトシが負けなかったのは、チラチラと様子を探る3人が
サトシのババを引いてあげたからだ。
そして、3人は真剣勝負。
絶対に負けたくない。
そうなると、はずれを引くのはマサキ一人。
本気の3人の心理作戦に敵うわけがない。
「次は大富豪にしようよ!」
マサキを気遣って、サトシが提案する。
いいよ、いいよと大富豪を始めると、今度はマサキの一人勝ち。
マサキの機嫌が直った頃、目的地についた。
駅を降りると、ジュンのおじさんが迎えに来てくれていて、
宿まで送ってくれた。
ジュンのおじさんの経営する宿は、民宿と旅館の間くらいの、
親しみやすい宿だ。
大きなお風呂は温泉で、24時間入れる露天風呂もある。
宿につくと、みんな初めての泊まり旅行が現実味を帯びてきて、
ワクワクが止まらない。
やたらとしゃべり、はしゃぎまくる。
さっそく水着に着替えると、5人で海へと向かった。
海の家もおじさんが経営していたので、パラソルとチェアーを借りる。
でも、日陰に入れるチェアーは2つだけで、
残りの3つはサンサンと降り注ぐ太陽の下。
「ここはさ、インドア派の私とサトシが日陰でしょう?」
カズが当然のように主張する。
「え~、それずるいよ~!俺も室内スポーツだからインドア派!」
マサキの言葉にカズが言い返す。
「はぁ?スポーツ選手は日焼けしてないと!」
「なんでだよ?」
「なんででも!」
二人の言い合いを、おかしそうにジュンとショウが見ていると、
「ねぇねぇ、どこから来たの?」
と、後ろから声がする。
二人が振り返ると、ビキニのお姉さんが二人立っていた。
二人はその胸に釘付けになる。
花柄のビキニから溢れそうな大きな胸。
「私たち、東京から来たの。」
大きな胸のお姉さんはそう言って、胸をぎゅっと寄せる。
「俺らも東京……。」
ジュンは胸を見ながら答える。
「すみません。間に合ってるんで。」
カズがニコニコしながらジュンの隣にやってくる。
「私たち、まだまだお子様ですから、お姉さん達を満足させるような遊び、
できないですよ?」
「な……ちょっと遊ぼうって言っただけ……。」
「さようなら。」
カズは極上スマイルで小首を傾げると、
ジュンとショウの腕を引いてパラソルの下に連れて行く。
「何あれ?」
お姉さん達のキィキィ声が聞こえる。
「カズ、あれじゃ、新聞の勧誘断るみたいだよ?……うひゃっひゃっひゃ。」
マサキが口を押さえて笑う。
「ジュン君もショウちゃんも、あんなのに引っかかってどうすんの?」
カズが眉間に皺を寄せて二人を交互に見る。
「だって、な?」
ジュンがショウの肩をたたく。
「あんなおっぱい見たらね?」
ジュンに言われ、ショウはチラッとサトシを見る。
サトシは複雑な顔でチェアーに座っている。
「俺は、あんなおっぱいなんて……。」
ショウの目が泳ぐ。
「見てたじゃん!」
「見てない!」
「な!サトシだって見ちゃうよね?」
ジュンに言われて、サトシはちょっと頬を染める。
「やっぱり!サトシも見ちゃったんだ!」
ジュンが喜んでみんなを見回す。
「仕方ないよ。みんな健全な男子なんだから!」
マサキがまとめ、うんうんとみんなでうなずく。
「だからって、かってにナンパされないでください!」
カズはそう言った後、ショウに耳打ちする。
「サトシがナンパされてもいいんですか?」
「それはダメ。」
ショウも小さな声で言う。
「だったら、ちゃんと考えて。」
カズがショウのわき腹を小突くと、
「ね?君たち、どこから来たの~?カッコいいね?」
と後ろからまた声が聞こえる。
振り返ると、ビキニのお姉さんが三人、笑いながら立っている。
「間に合ってま~す!」
ショウとカズは声を揃えて答えた。
ショウが空に向かって手を上げる。
「白い雲!」
ジュンが砂浜に足を入れる。
「常夏のビーチ!」
マサキがビーチボールを抱えて走り出す。
つられる様に、ショウとジュンも走り出す。
「ここ、常夏じゃないから!」
カズが呆れて首をすくめ、サトシを見る。
サトシはニコニコ笑うと、みんなの後に続いて走りだす。
ここ、伊豆下田まで来るのに3時間半かかった。
お金のない高校生の5人だ。
カズの提案で、踊り子号は諦めて、鈍行で、乗り継ぎ、乗り継ぎやってきた。
それも5人でいれば楽しい時間。
ゲームをするカズの横で、やいのやいのと4人はうるさかった。
しまいには、カズも混ぜてのトランプ大会で、大声をあげ、
周りの大人がしかめ面したのは言うまでもない。
ババ抜きで3回連続負けが続いたマサキは、珍しく泣きそうな程落ち込んでいた。
「マー君は正直だから仕方ないよ。」
サトシの慰めの言葉も届かず、どんよりした空気を一人で背負い込む。
同じくらい素直なサトシが負けなかったのは、チラチラと様子を探る3人が
サトシのババを引いてあげたからだ。
そして、3人は真剣勝負。
絶対に負けたくない。
そうなると、はずれを引くのはマサキ一人。
本気の3人の心理作戦に敵うわけがない。
「次は大富豪にしようよ!」
マサキを気遣って、サトシが提案する。
いいよ、いいよと大富豪を始めると、今度はマサキの一人勝ち。
マサキの機嫌が直った頃、目的地についた。
駅を降りると、ジュンのおじさんが迎えに来てくれていて、
宿まで送ってくれた。
ジュンのおじさんの経営する宿は、民宿と旅館の間くらいの、
親しみやすい宿だ。
大きなお風呂は温泉で、24時間入れる露天風呂もある。
宿につくと、みんな初めての泊まり旅行が現実味を帯びてきて、
ワクワクが止まらない。
やたらとしゃべり、はしゃぎまくる。
さっそく水着に着替えると、5人で海へと向かった。
海の家もおじさんが経営していたので、パラソルとチェアーを借りる。
でも、日陰に入れるチェアーは2つだけで、
残りの3つはサンサンと降り注ぐ太陽の下。
「ここはさ、インドア派の私とサトシが日陰でしょう?」
カズが当然のように主張する。
「え~、それずるいよ~!俺も室内スポーツだからインドア派!」
マサキの言葉にカズが言い返す。
「はぁ?スポーツ選手は日焼けしてないと!」
「なんでだよ?」
「なんででも!」
二人の言い合いを、おかしそうにジュンとショウが見ていると、
「ねぇねぇ、どこから来たの?」
と、後ろから声がする。
二人が振り返ると、ビキニのお姉さんが二人立っていた。
二人はその胸に釘付けになる。
花柄のビキニから溢れそうな大きな胸。
「私たち、東京から来たの。」
大きな胸のお姉さんはそう言って、胸をぎゅっと寄せる。
「俺らも東京……。」
ジュンは胸を見ながら答える。
「すみません。間に合ってるんで。」
カズがニコニコしながらジュンの隣にやってくる。
「私たち、まだまだお子様ですから、お姉さん達を満足させるような遊び、
できないですよ?」
「な……ちょっと遊ぼうって言っただけ……。」
「さようなら。」
カズは極上スマイルで小首を傾げると、
ジュンとショウの腕を引いてパラソルの下に連れて行く。
「何あれ?」
お姉さん達のキィキィ声が聞こえる。
「カズ、あれじゃ、新聞の勧誘断るみたいだよ?……うひゃっひゃっひゃ。」
マサキが口を押さえて笑う。
「ジュン君もショウちゃんも、あんなのに引っかかってどうすんの?」
カズが眉間に皺を寄せて二人を交互に見る。
「だって、な?」
ジュンがショウの肩をたたく。
「あんなおっぱい見たらね?」
ジュンに言われ、ショウはチラッとサトシを見る。
サトシは複雑な顔でチェアーに座っている。
「俺は、あんなおっぱいなんて……。」
ショウの目が泳ぐ。
「見てたじゃん!」
「見てない!」
「な!サトシだって見ちゃうよね?」
ジュンに言われて、サトシはちょっと頬を染める。
「やっぱり!サトシも見ちゃったんだ!」
ジュンが喜んでみんなを見回す。
「仕方ないよ。みんな健全な男子なんだから!」
マサキがまとめ、うんうんとみんなでうなずく。
「だからって、かってにナンパされないでください!」
カズはそう言った後、ショウに耳打ちする。
「サトシがナンパされてもいいんですか?」
「それはダメ。」
ショウも小さな声で言う。
「だったら、ちゃんと考えて。」
カズがショウのわき腹を小突くと、
「ね?君たち、どこから来たの~?カッコいいね?」
と後ろからまた声が聞こえる。
振り返ると、ビキニのお姉さんが三人、笑いながら立っている。
「間に合ってま~す!」
ショウとカズは声を揃えて答えた。
- 関連記事
-
- season (55) - タイムカプセル 高校生編 -
- season (54) - タイムカプセル 高校生編 -
- season (53) - タイムカプセル 高校生編 -
スポンサーサイト
総もくじ
a Day in Our Life

総もくじ
Kissからはじめよう

総もくじ
Love so sweet

総もくじ
season

総もくじ
ココロチラリ

総もくじ
ふたりのカタチ

総もくじ
Sunshine(やま)

もくじ
ナイスな心意気(5人)

もくじ
Troublemaker(5人)

もくじ
Crazy Moon(5人)

総もくじ
テ・アゲロ

もくじ
愛と勇気とチェリーパイ(5人)

もくじ
花火(やま)

もくじ
イチオクノホシ(やま)

もくじ
Japonesque(5人)

もくじ
miyabi-night(5人)

もくじ
明日に向かって(やま)

もくじ
ZERO-G

もくじ
Don't stop(いろいろ)

もくじ
イン・ザ・ルーム(やま)

もくじ
復活LOVE(やま)

総もくじ
WONDER-LOVE

もくじ
Your Eyes(やま)

もくじ
Attack it ~ババ嵐~

もくじ
つなぐ(やま)

もくじ
白が舞う

もくじ
夢でいいから(やま)

もくじ
ワイルドアットハート(やま)

もくじ
愛してると言えない(やま)

もくじ
Happiness(やま)

総もくじ
短編

もくじ
智君BD

もくじ
ティータイム

もくじ
ブログ

もくじ
Believe(やま)

もくじ
コスモス(5人)

もくじ
BORDER(やま)

もくじ
夏疾風(やま)

もくじ
STORY
