「ココロチラリ」
ココロチラリ(やま)【1~20】

ココロチラリ その後⑦ - タイムカプセル side story

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「みんな可愛いかったね。」

マー君家(ち)からの帰り道。

風がなくて、真冬だというのにそんなに寒くない。

空には星がいくつも瞬いてる。

今日はいつもより、空気が澄んでるみたい。

久しぶりにみんなで集まっての餃子パーティー。

マー君の餃子はおいしくって、何よりペット達が可愛くって。

「うちも……飼う?」

ショウ君がおいらの顔を覗き込む。

「え?欲しい?」

「犬を撫でるサトシを見てたら……欲しいのかなって思った。」

おいらはショウ君の腕にくっつく。

「まさか、犬のショウ君にヤキモチ焼いてないよね?」

「え?……そんなこと……ないよ……。」

焼いてたんだ……。

自分だって、ずっと猫のサトシ君を膝に乗せてたくせに。

「飼うとしたら何がいい?」

おいらがショウ君の顔を覗き込むように聞くと、

ショウ君はおいらの肩に腕を回した。

「そうだな……サトシみたいな猫がいいかな。

 本当は犬の方が好きだったんだけど、今日見たら猫の方がよくなった。」

ほら、やっぱり。

ショウ君はヤキモチ焼きだから。んふふ。

「おいらは犬の方がいいなぁ。ショウ君みたいなカッコいいワンコがいい!

 大きくて、筋肉質で、頼りになって…。

 今日も撫でながら、筋肉すごいって思ってた。しかも賢いし。」

「絶対犬はダメだな。」

「どうして?」

ショウ君は、ちょっと斜め上を見ながら答える。

「ほら……散歩がめんどくさい。でかいし。」

「散歩はおいらが行くから大丈夫。」

「サトシ忙しいからダメだよ。」

「そんなことないよ。散歩は気分転換にもなるよ?」

ショウ君がおいらの手を握る。

「じゃあさ、犬と猫以外だったら?」

そう言いながら、おいらの手ごとコートのポケットに突っ込む。

「オウム?」

「オウムはダメ。」

「なんで?」

「俺の言葉は覚えないで、サトシの言葉だけ覚えるから。」

「それはカズナリ君だけだよ。」

おいらは笑って、ショウ君に肩を当てる。

「サトシが変なこと教えるから。」

「変なことなんて教えないよ。」

おいらが口を尖らせて言うと、ショウ君が笑う。

「教えてたでしょ?ヤキモチ~とか?」

「あれは変なことじゃないじゃん。」

「みんな笑ってたでしょ?」

「ショウ君がヤキモチ焼くからだよ?」

「俺、これからもヤキモチ焼くから、ダメ。」

「あははは。何それ?」

話してるうちにマンションに着いた。

おいらは玄関の鍵を探す。

「それに、本当はもう一つ教えたんだけど……覚えてくれなかったのかな。」

「何、教えたの?」

「それは秘密。」

おいらは口に人差し指を当てる。

「ほらね?秘密とか作っちゃう。オウムはダメ。」

ショウ君はちょっと怖い顔を作って、子供みたいに言う。

おいらは笑いながら、見つけた鍵でエントランスを開ける。

「じゃ、トカゲ?」

「トカゲ……は今日の印象が……。」

「印象が何?」

すぐにエレベーターに乗って4階のボタンを押す。

「俺、トカゲはダメかも。」

「なんで?」

「毒毒しくて。あれをサトシが撫でてるのを想像したら……。」

「想像したら?」

ショウ君はブルッと身震いした。

「昔はトカゲも大丈夫だったのに。」

「子供の頃は大丈夫でも、大人になったらダメなものもある。」

「うん……まぁ。」

4階に着き、エレベーターを降り、家へと急ぐ。

「あ、今日のあれ、本当なの?」

「あれって?」

「ショウ君の夢。」

「ああ、本当だよ?」

おいらは玄関の鍵を開け、中に入る。

「びっくりした。」

「そうかな?」

靴を脱いであがっても、ショウ君が手をポケットから出してくれない。

「どうしたの?」

「俺はペットなんかいらないよ。サトシがいればいい。」

「うん……。」

おいらは笑ってショウ君を見つめる。

ショウ君は意外に真剣な顔をしてて……。

「でも、サトシが寂しいなら、いいよ。」

おいらはゆっくり首を振る。

「おいらもショウ君だけでいい。」

ショウ君はポケットから手を出して、おいらの手を離してくれる。

おいらがリビングに向かうと、ショウ君が後ろから抱きしめる。

「本当に?本当にいいの?」

「うふふ。うん。……でも……おじいちゃんになったら、飼おうかな?」

「おじいちゃんになったら?」

「うん。おじいちゃんのショウ君と、おいらと犬と猫とオウムとトカゲと……。」

「全部飼うの?」

おいらはショウ君の腕に手を添える。

「うん。で、ショウ君の夢のマイホームで一緒に暮らす。」

ショウ君が笑ってる振動が伝わってくる。

「夢のマイホームはそんなに遠い未来じゃないよ?」

「うふふ。わかってるよ。……二人でいたいじゃない?

 二人のベッドに邪魔が入ったら、嫌だもん。」

ショウ君がぎゅっとおいらを抱きしめる。

「でね、みんながウチに遊びに来る。今日のマー君家みたいに。」

「おじいちゃんになったみんなが?」

「そう。おじいちゃんになっても、みんなで遊べたらいいね。」

「そうだね……。」

ショウ君がおいらの肩に顔を埋め、おいらの体を揺さぶった。

「やだな、ショウ君。どうしたの?」

「大好きだって思って。」

「うふふ……。さ、リビング行こ?寒いよ。」

おいらはショウ君の腕をポンポン叩く。

「そうだね。……裸のサトシをずっと抱きしめてたい気分。」

「ショウ君てば……いいよ。ずっと抱きしめて?」

ショウ君はおいらを離してにっこり笑った。

マー君家は賑やかで楽しかったから、おいら達、ちょっと寂しくなったのかな?

でも、ショウ君。

おいらはショウ君と二人の時間が、やっぱり一番楽しいよ。

「俺の今の夢は、サトシと二人で暮らす家を買うことなんだ……。だから、しっかり働くよ。」

そう言って、みんなを驚かせたショウ君。

おいら達の家で、まだまだ当分は二人で、イチャイチャしていよう。 ね?

数年後はマイホームで……かな?










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