「ココロチラリ」
ココロチラリ(やま)【1~20】

ココロチラリ その後③ - タイムカプセル side story -

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おいら達は地下鉄に乗って家に帰った。

帰宅ラッシュの時間じゃなかったけど、電車の中は割りと混んでいて、

おいらとショウ君はドアの脇に並んで立った。

ショウ君の後ろの女子高生がショウ君をチラチラ見てる。

ちょっと離れたところに座っているOL風の女の人も。

そりゃあ目立つよね?こんなイケメン。

「どうしたの?」

ショウ君が腕を引いて、おいらを壁際に立たせる。

「……みんなショウ君を見てるよ。」

おいらはショウ君の耳元で、小声で囁く。

「ん?ははは。違うよ。みんなが見てるのはサトシだよ。」

ショウ君はチラッと後ろを見やって、おいらの耳元に口を寄せる。

「綺麗な人がいるから、見ちゃうんだよ。」

「そんなわけないじゃん。あっ。」

電車がグラッと揺れて、おいらの体も揺れる。

すると、ショウ君の腕がすぐ脇の壁にかかる。

おいらに覆いかぶさるように腕をついたショウ君は、また耳元に口を寄せる。

「サトシは本当に気づいてないの?」

気づいてないのはショウ君だよ。

ショウ君、自分がどんな風に見えてるか知らないのかな?

おいらが困ったように眉毛を下げると、ショウ君は笑って話題を変えた。

「今日の打ち合わせはどうだったの?」

「うん。順調。うふふ。おもしろくなりそう。」

「何描くかは決まってるの?」

「まだ、ちゃんとは決めてないんだ。おおまかには考えてるんだけど……。

まずはラフで描いてみて……。最終的には2機分作るから、

天井入れて5面の2機で10面も描くんだよ。」

おいらが夢中になって仕事の話をしても、ショウ君はニコニコしながら聞いてくれる。

そう言えば、ショウ君はあんまり仕事の話しないかも。

「ショウ君は?ショウ君のお仕事はどうなの?」

「どうって言われても……。」

ショウ君は、ん?と片方の眉を上げて笑う。

「あ、もうすぐ昇進するよ。」

「え?本当?」

「昨日、内示があった。」

ショウ君が照れたように笑う。

「すごい!じゃ、お祝いしないと!」

おいらも嬉しくって、でもちょっと、ちょっとだけやっぱり……。

「お祝いなんていいよ。」

「なんで?すごいことだよ?嬉しくないの?」

「嬉しいよ。嬉しいけど……。俺の隣にサトシがいる、その奇跡を知っちゃったからな。

 昇進なんて大したことないように思える。」

そう言って、ショウ君はおいらの頬を優しく摘む。

摘んで、蕩けそうな優しい顔でおいらを見る。

「ショ、ショウ君……そんな目で見たら……恥ずかしい…。」

おいらは顔を逸らして、ショウ君の胸をポンと押す。

「だから、早く帰ろ?」

大好きなショウ君の甘い声が、おいらの耳元で囁いた。



家に着くと、ドアを閉めた瞬間ショウ君がおいらの唇に唇を重ねてきた。

「ちょっ……待っ……ショウ……。」

おいらに有無を言わせず、吸い付いてくる。

舌を絡め、歯列をなぞられると、おいらの力が抜けていく。

ショウ君の生暖かい息遣いと、優しい舌先が、おいらを蕩けさせていく。

おいらの腰に回された腕に力がこもり、おいらの背中がどんどん反っていくと、

ショウ君の舌はどこまでもおいらを追い求める。

蕩けたおいらに抵抗なんかできず、ショウ君のコートの襟を握り締める。

息苦しいくらいのキスを交わし、やっと唇が離されると、ホッとするのと同時に、

口寂しさも残る……。

「はぁー。キスしたくて死ぬかと思った。」

ショウ君がおいらを促し、リビングへと向かう。

「うふふ。そんなことで死んだりしないから。」

おいらは笑ってコートを脱ぐ。

「もう、電車の中なんて、しちゃおうかと思ったんだよ?

サトシの唇がいい位置にあって……。」

ショウ君もコートを脱ぐと、エアコンを入れる。

おいらは二人分のコートをハンガーに掛け、しまいに行く。

「ショウ君、先にシャワー浴びちゃったら?」

「ん~、シャワーよりサトシがいい。」

おいらが振り返ってショウ君を見ると、身震いするほどイケメンな顔で、

ソファーに座っておいらを待っていた。

おいらはドキッとして、ショウ君から視線を外す。

「じゃ、おいらが先にシャワー浴びちゃうね。」

そう言ってバスルームへ向かう。

「いいよ。シャワーなんか。」

「でも、汚いよ……。」

「サトシの物で汚いものなんか何もないよ。」

そう、いっつもショウ君が言う言葉。

でも、やっぱり恥ずかしいから……。

「綺麗にしてくるから。」

おいらが強引にシャワーを浴びに行こうとすると、

後ろからショウ君に抱きすくめられた。

「いいから。」

ショウ君はおいらのカーディガンを脱がし、シャツのボタンを外していく。

「でも……恥ずかしいから……。」

「恥ずかしがるサトシが可愛い。」

おいらの耳元で、甘い低音ボイスが囁き続ける。

「サトシの匂いもサトシの味も、全部俺好みだから……。」

カァーっと顔が赤くなっていくのがわかった。

ショウ君のこの声を聞くと、耳が熱くて身動きとれなくなる……。










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