「Love so sweet」
Love so sweet(やま)【21~40】

Love so sweet ㊱

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洗濯物を干す智君を、ベランダの窓枠に腰掛けて見てる。

ちょっと寒いけど、ちょうどいい。

朝くらい空気の入れ替えしないとね。

「ね?見てるんなら手伝えよ。」

あなたが不満顔でこっちを見る。

「嫌だね~。智君が洗濯物干してるの、好きなんだもん。」

ちょっと我がままぶって答えると、あなたは笑ってバスタオルをパンパンはたく。

「これ終わったら、出かけよう。」

「え?珍しいね。あなたが出かけようなんて。」

「そんなことないでしょ?でも……近くだよ?」

最後のTシャツを干し終わると、あなたがカゴを持って俺の隣を通り抜ける。

カゴの端が肩に当たる。

「うっ、痛たたたっ……。」

わざと肩を抱いて痛がって見せると、あなたはクスクス笑いながら、

「バーカ。」

そう言い残してバスルームへ行ってしまう。

あなたのそんな一言までが心地よくて、俺はその場に寝転がって大声を出す。

「うぉ~っ!智君が来てくれないと、痛くて立ち上がれない~。

 一緒にお出かけできない~!」

また、ちょっと我がままを言ってみる。

あなたは笑いながら戻ってくると、寝転んでジタバタしてる俺の横にしゃがんで、

「早く立たないと置いてくぞ。」

と、おでこを指ではじいた。

「痛てっ。ほんとに痛いよ。」

俺がおでこを抑えて立ち上がると、あははと顔をくずして笑う。

笑って、スタスタと玄関へ向う。

急いでハンガーにかけてある上着を引っ掛けて、あなたの後を追う。

あなたは上着も着ずに外に出ようとするから、あなたの分の上着ともろもろを掴む。

玄関のドアを開けると、冬の冷たい空気の中、太陽の暖かさが体の内に染みてくる。

「あったかいね~。」

あなたは上着も着ずにそう言うと、足取り軽くエレベーターに飛び乗った。

エレベーターの中で隣に並ぶと、あなたに帽子をかぶせ、マスクを渡す。

俺も急いでニット帽をかぶり、サングラスをかけ、マスクをつける。

「翔君、怪しい人みたい!」

そう言って指差して笑う智君に、そっと聞いてみる。

「どこ行くの?」

「どこって……商店街?」

「商店街?」

「うん。」

「買い物?」

エレベーターが1階に付き、あなたは鼻歌まじりでエントランスへ出て行く。

「うん。……あ、今日の夕飯どうする?仕事、休みだよね?」

「うん。休み。あなたも休みでしょ?」

「休みだけど……。午後は……。」

俺はチェッと小さく舌打ちして、あなたの後ろについていく。

今日は一日あなたといちゃいちゃしたかったのに。

エントランスから出ると、北風が二人の間をすり抜ける。

「うわぁ。やっぱり寒いね~。」

あなたが体を縮こまらせて寒がって見せるから、

俺は手にしていた上着を、あなたの背中にかけてあげる。

「うふふ。ありがと。翔君。」

あなたはマスクを顎に寄せ、子供のような顔で笑う。

ああ、俺、これだけで十分だ。

十分もういい一日……。

あなたは商店街の入り口に掲げられた時計を見て、慌てて俺を見る。

「翔君、急がないと!」

俺の手を握り締めると、走り出した。

「ちょ、ちょっと待って!智君!」

俺は、取れそうになるニット帽を押さえながら、あなたに引っ張られる。

あなたは人ごみを掻き分け、楽しそうに走り続ける。

「え?なんで急いでるの?」

「いいから!」

商店街の一番端にある、ケーキ屋さんに着くと、

あなたはニッコリ笑って立ち止まった。

「ここ?」

「うん。」

トコトコと、迷うことなくケーキ屋さんに入っていく。

俺も首を傾げながら、後に続く。

「こんにちは。……大野です。」

あなたはマスクを外して、店員さんに話しかける。

「あ、ご予約ですね?できてますよ。」

店員さんは笑顔を残して奥へ入っていく。

「何?予約したの?」

「うん。」

奥から大きな箱を持ってくると、箱の蓋を外して智君に見せる。

「こちらでお間違いないですか?」

あなたは箱を覗き込んで、満足そうにうなずく。

「はい。」

俺もそっと覗いてみる。

中には大きなバースディケーキ。

真ん中に『翔君 お誕生日おめでとう♪』と書かれてある。

その下に俺の似顔絵。

「え?俺の?」

「うふふ。そうだよぉ。今日は何の日なの?」

「あ、ありがとう。」

俺は照れくさくって、頭をポリポリ掻く。

店を出ると、俺の両手で抱き抱えた、大きな箱に改めてびっくりする。

「ね?こんなに大きいの、どっかに持って行くの?」

「え?なんで?」

「だって、二人じゃ食べきれないよ。」

「でも、似顔絵、入れたかったんだ!あ、気をつけて、前見える?」

あなたはまた、嬉しそうにクスクス笑う。

いいよ、いいよ。俺、後10キロ位太ってもかまわない。

あなたの描いた似顔絵付きのケーキだよ?

全部食べなきゃバチがあたる!

さぁ、俺の愛の力で完食してやる!

俺たちがウキウキした気分で家に帰ってくると、

「ケーキ落とすなよ!こっち……。」

と、あなたが先に入って、俺を誘導する。

「大丈夫だよ。俺たちのウチだよ?」

俺は足元を気にしながら中に入る。

あれ?なんか……。

「早く、こっち!」

あなたに促され、すばやくマスクとサングラスを外される。

「智君?」

俺がリビングに入っていくと、パンパンパン!と大きな音が響く。

「翔さん、お誕生日おめでとう!」

部屋中に立ち込める火薬の匂い。

飛び散る紙ふぶき。

智君が俺の手からケーキを受け取ると、視界が開けてびっくりする。

「おめでとう!」

「おめでと!」

「翔ちゃん、おめでとう!」

「うふふ。翔君、おめでとう♪」

潤、ニノ、相葉ちゃん、そして智君。

みんなが笑顔で俺を見てる。

「え?何?どうしたの?」

「ふふん。みんなでお祝いしようと思ってさ。」

智君がケーキをテーブルの上に置く。

「翔さん、幾つになったの?」

ニノがケラケラ笑いながら聞く。

俺はちょっと考えてサバを読む。

「……31歳になります。」

「嘘つけ、バーカ!」

智君が呆れたように俺を見る。

みんなが大声で笑った。

「俺の1コ下だもん。33歳!」



ああ、33歳の俺、おめでとう!










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