「season」
season(5人)【1~20】
season ⑬ - タイムカプセル 高校生編 -
2014.11.13 *Edit
笑いながら、サトシは自分に言い聞かせた。
ドキドキしちゃダメだ。ドキドキしちゃ……。
勢いで手を繋いでみたものの、昔とは違う感触に戸惑った。
いつのまにか自分より大きくなったショウの手は、サトシの手を包み込んだ。
そして、一度繋いだ手を……離すタイミングがみつけられない。
ギュッと握り返されて、ずっと繋いでいたくて……。
昔のように。
ただ一緒に笑っていた、あの頃のように。
手を握り返されて、ショウもそう思ってるのかと思うと、胸の鼓動が早くなった。
ドキドキして、ショウに聞こえてしまうんじゃないかと思って、
慌てて茂みに走っていった。
ショウ君はそんなこと思うはずがない。
だって、彼女がいるんだから。
サトシは茂みをじっと見つめた。
「……覚えてるよ。」
ショウはゆっくりサトシに近づく。
ショウの影がサトシを覆うと、サトシはショウを見上げた。
ショウの後ろの電灯が、ショウの輪郭を縁取っている。
表情はわからない。
サトシは電灯が眩しくて目を細める。
ショウの顔が徐々に近づく。
サトシはまたドキリとして動けない。
ショウがゆっくりサトシの隣にしゃがみ込むと、
やっとショウの顔が見えた。
「二人で隠れたまま、陽が暮れて、みんな帰っちゃって……。」
そう言って、ショウは笑った。
「全然探しに来ないねって、サトシが心配して。」
ショウは茂みの上をそっと撫でる。
「二人でどうしようって言いながら、ずっと隠れてた。」
サトシはショウから目が離せなかった。
昔の話をしながら、優しく優しく笑うショウ。
いつもいつも、大事に大事にしてくれるショウ。
一番大切な、一番側にいてくれる幼馴染……。
「ん?どうしたの?」
サトシはショウから目を離さない。
隣にしゃがみ込む時、顔が徐々に近づいて、キスされるのかと思った。
キスされるのを待った。
おいらおかしい……。
ショウ君にキスされたい……!
今まで思ったこともなかった感情が、サトシをグルグルと取り囲む。
誰かにキスされたいなんて……初めてだ。
ショウ君のぷっくりした唇。
キス……したい……。
「サトシ?」
サトシはじっとショウを見続ける。
ショウもサトシから目が離せなくなる。
灯りに照らされたサトシの顔は、じっと何かを待っているようだ。
長い睫毛が何かを言いたそうに、微かに揺れる。
柔らかそうな頬、薄く開いた唇……。
ショウはサトシに吸い込まれそうになる。
おもむろにサトシの頬に左手を添える。
そして、ゆっくりと近づいていく。
サトシの胸が、ドキドキと大きく脈打つ。
唇と唇の距離が後10センチほどになった時、ショウがつぶやいた。
「キスの練習……させてくれる……?」
サトシが一瞬、目を見開く。
顔を背け、ショウの胸を押しのけた。
「ダメだよ……。そういうのは練習しちゃ……。」
サトシは立ち上がり、ショウに背を向ける。
「ごめん……。」
サトシの胸は締め付けられるように、キュウッと痛む。
そして気づいた。
自分がショウに恋してることに。
ドキドキしちゃダメだ。ドキドキしちゃ……。
勢いで手を繋いでみたものの、昔とは違う感触に戸惑った。
いつのまにか自分より大きくなったショウの手は、サトシの手を包み込んだ。
そして、一度繋いだ手を……離すタイミングがみつけられない。
ギュッと握り返されて、ずっと繋いでいたくて……。
昔のように。
ただ一緒に笑っていた、あの頃のように。
手を握り返されて、ショウもそう思ってるのかと思うと、胸の鼓動が早くなった。
ドキドキして、ショウに聞こえてしまうんじゃないかと思って、
慌てて茂みに走っていった。
ショウ君はそんなこと思うはずがない。
だって、彼女がいるんだから。
サトシは茂みをじっと見つめた。
「……覚えてるよ。」
ショウはゆっくりサトシに近づく。
ショウの影がサトシを覆うと、サトシはショウを見上げた。
ショウの後ろの電灯が、ショウの輪郭を縁取っている。
表情はわからない。
サトシは電灯が眩しくて目を細める。
ショウの顔が徐々に近づく。
サトシはまたドキリとして動けない。
ショウがゆっくりサトシの隣にしゃがみ込むと、
やっとショウの顔が見えた。
「二人で隠れたまま、陽が暮れて、みんな帰っちゃって……。」
そう言って、ショウは笑った。
「全然探しに来ないねって、サトシが心配して。」
ショウは茂みの上をそっと撫でる。
「二人でどうしようって言いながら、ずっと隠れてた。」
サトシはショウから目が離せなかった。
昔の話をしながら、優しく優しく笑うショウ。
いつもいつも、大事に大事にしてくれるショウ。
一番大切な、一番側にいてくれる幼馴染……。
「ん?どうしたの?」
サトシはショウから目を離さない。
隣にしゃがみ込む時、顔が徐々に近づいて、キスされるのかと思った。
キスされるのを待った。
おいらおかしい……。
ショウ君にキスされたい……!
今まで思ったこともなかった感情が、サトシをグルグルと取り囲む。
誰かにキスされたいなんて……初めてだ。
ショウ君のぷっくりした唇。
キス……したい……。
「サトシ?」
サトシはじっとショウを見続ける。
ショウもサトシから目が離せなくなる。
灯りに照らされたサトシの顔は、じっと何かを待っているようだ。
長い睫毛が何かを言いたそうに、微かに揺れる。
柔らかそうな頬、薄く開いた唇……。
ショウはサトシに吸い込まれそうになる。
おもむろにサトシの頬に左手を添える。
そして、ゆっくりと近づいていく。
サトシの胸が、ドキドキと大きく脈打つ。
唇と唇の距離が後10センチほどになった時、ショウがつぶやいた。
「キスの練習……させてくれる……?」
サトシが一瞬、目を見開く。
顔を背け、ショウの胸を押しのけた。
「ダメだよ……。そういうのは練習しちゃ……。」
サトシは立ち上がり、ショウに背を向ける。
「ごめん……。」
サトシの胸は締め付けられるように、キュウッと痛む。
そして気づいた。
自分がショウに恋してることに。
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