ココロチラリ おまけ④ - タイムカプセル side story -

ショウ君の荒い息使い。

二人の熱の残骸の匂い。

汗。

おいらの心臓の音。



ショウ君がおいらからゆっくりと離れる。

「あ……。」

「どうしたの？」

ショウ君がおいらの隣に横になる。

狭いシングルベッドで、おいらの方を向いて横向きに。

手で頭を支えておいらを優しく見つめてる。

「ん……離れちゃうの……なんか…寂しいな…と思って…。」

おいらはショウ君から視線を外して答える。

だって、ショウ君の笑顔、眩しくて。

ずっと見てると恥ずかしくなる。

「……ほんと、可愛いっ！」

ショウ君がおいらの腰に手を回し、グイッと引き寄せる。

「ひゃっ……。」

おいらがびっくりしていると、ぎゅっと抱きしめられた。

ショウ君はおいらのおでこに唇を当て、そのまま顔中にキスの雨を降らせる。

「うふふ。くすぐったいよ。ショウ君。」

「俺の気持ち……。今までできなかったキスを、

これからいっぱいするんだから。」

おいらは膝に溜まってたジーパンとトランクスを脱いで、ベッドの下に落とす。

またぎゅっと抱きしめられる。

「今までできなかった分、抱きしめる。」

おいらの背中に回った手を今度はおいらの指に絡ませる。

「今まで触れられなかった分、もっと触れていく。」

絡ませたおいらの指に唇を落とす。

「ショウ君……。」

ショウ君の愛がおいらを包んでいくのがわかる。

心地よくて、ふわふわする。

でも、一つだけ……。

「ねぇ、ショウ君。ショウ君は初めて？」

「え？……初めてだよ。男は。」

おいらは絡めた指を弄りながら、話を続ける。

「女の子はあった？」

「え……まぁ、経験として？」

「そうだよね……モテるもんね。ショウ君。」

「これからは、サトシ以外はないから。」

ショウ君がバツが悪そうな顔をしてる。

でも、いいんだよ。おいら達、30だもん。

一度も経験がないなんて、そっちの方が少ないよ。

「男同士のやり方……ショウ君どうやって知ったの？」

おいらはできるだけさりげなく聞いてみる。

「え？……今はいろいろ調べられるから……ネットもあるし……。」

「そういうの……見るの？」

おいらは上目遣いで小首を傾げてショウ君を見る。

「……サトシとこうなることを……妄想してたよ。……ずっと。」

ショウ君がおいらから視線を外す。

「……気持ち…悪いよね……。」

おいらはショウ君の頬に両手を添える。

「うふふ。大好き。」

おいらはショウ君の唇に唇を合わせる。

「おいらのことずっと思っててくれたんだね。」

しょげた顔のショウ君にまた口付ける。

「他の人としたことあるのかなと思って……ヤキモチ焼いたの。

　だから、おいらだけならいいんだ。」

ショウ君の顔がパァーと明るくなる。

「俺の人生で好きになったのはサトシだけだよ。」

「うん。」

おいらはふにゃりと笑ってまたショウ君にキスをする。

「ショウ君……もう１回する？」

おいらがショウ君を見上げると、

ショウ君はニコッと笑って、答えもせずにおいらの首筋に唇を這わせる。

今までできなかった分、取り戻さないとね！