Crazy Moon ～キミ・ハ・ムテキ～ ⑦

お腹も膨れ、ほどよくアルコールも入り、智がソファーの上でまどろみ始める。

「智君、朝早かったの？」

「……ん……4時に…家出た。」

半分閉じた目で翔を見る智は、翔の目から見ても、艶っぽい。

「じゃ、少し昼寝する？俺も寝ようかな…。」

翔はソファーに寄りかかり、床に座って足を伸ばす。

そんな翔の首に智は腕を巻きつける。

「智君？」

翔が振り返ると、

「…ん……翔君……。」

智の目が完全に閉じていく。

翔は微笑みながら、智の手にそっと手を添える。

「おやすみ、智君。」

智の返事はなく、スースーと寝息が聞こえてくる。

翔はしばらくそのままで、智の寝息と首に回された腕の感触を楽しんだ。



「大野さん、あなたさぁ、最近……あ…んっ。」

智の唇が和也の胸の蕾をついばむ。

和也は思わず智の頭を抱え込む。

智は舌先で蕾をこねて、吸い上げる。

「やぁっ……ダ…メ……っ。」

智は和也の顔を見上げ、満足そうに唇を離す。

「…やめる？」

和也の顔を、ニヤリと笑って覗き込む。

「……大野さん…、あなた、そんなこと言っていいと思ってます？」

和也が上目遣いで睨むと、智は和也の髪を撫で、ニヤッと笑う。

「ニノ……今日、すっごく色っぽい。どうしたの？

　この間もすごかった……。」

和也は智から顔を背け、髪を撫でる手をじっと見つめる。

「それは……多少のジェラシー？」

和也は髪を撫でる手に自分の手を重ねる。

そこから、ゆっくりと腕を伝い首の後ろまで、

智を確かめるようになぞっていく。

「楽しそうで、キラキラしてる。」

「へ？おいらが？キラキラ？」

和也はわざと眩しそうにしてみせる。

「うん。キラキラ。」

「キラキラは松潤とかの専売特許じゃないの？」

智は首を傾げて和也を見つめる。

「クックック……。無自覚か……。」

「なんだよ、それ？」

「いえね、いつまで経ってもお子様はお子様。」

和也はそういうと、智の頭をよしよしと撫でた。

「ったく、お前もかよ。」

智は和也の上から退くと隣に寝そべる。

「何？潤君にも言われたの？」

和也はおもしろそうに智を見る。

「……もういい。寝る。」

「いいの？しなくて？」

「いい。」

智は布団をかぶって、和也に背を向ける。

和也はそんな智に後ろから覆いかぶさると、耳元で囁く。

「残りわずかな時間……楽しませてくださいよ。大野さん。」

「…やだ。今日はこのまま寝る。」

「……やっぱりお子様だ。」

和也はしばらくそのまま様子を見ていたが、

智が全く動かないので、そっと布団をめくってみた。

「あ……マジ？本当に寝ちゃったの？」

和也は声を上げて笑うと、智を後ろから抱きしめた。

「あなたがウチに来て、しないのって初めてですよ。

　知ってました？」

智の頭に自分の頬を当て、智の手を握る。

「……期待も…多少はあったんですよ？」

和也は智の髪にキスすると、そっと離れ、天井を見つめる。

「私は……あなたのＨが大好きなんですよ……。」

ちょっと考えて、和也は智から布団を引っぺがす。

「だからね、寝かせてあげたり…するわけないでしょ！」

和也はニヤリと笑って智の腰に手を伸ばした。