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「Sunshine(やま)」
Sunshine(やま)【61~80】

Sunshine (73)

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少し時間がずれてたから、ジュン君と三人でランチできた。

庭を背景に海鮮バケットを食べる姿が様になる。

今日の翔君はからあげ丼。

ちなみにおいらはまたドライカレー。

ほんと、ここのドライカレー好きなんだよね。

ピリッとした辛さも、奥行きのある味わいも。

「カズの写真、すっごいよかったよ~。」

「あ、行って来たんだ。」

「うん、会期まだあるから、ジュン君も絶対行った方がいいよ!ね?」

ショウ君に相槌を求めると、大きくうなずいて、パクッとからあげを頬張る。

口いっぱいに詰め込む姿がリスみたいで可愛い~。

口の中の物がなくなると、お冷を飲んで、ジュン君を見つめるショウ君。

「しかもさ、すごい人がいてさ。」

「すごい人?」

「そうだよ、まさかのスマックス社長がいてさ!」

「スマックスって……あの?」

なぜかジュン君の眉間に皺がよる。

「そうだよ、木村さん!今は社長じゃないらしいけど。」

ジュン君が複雑そうな顔で顎を撫でる。

「そうか……来てたのか……。」

「え?なんだよ、ジュン、全然驚いてないだろ?」

「お、驚いてるよ。」

作り笑いのジュン君が、顎を撫でてた手を、バケットに伸ばす。

「嘘つけ。」

ショウ君が、ジュン君に鋭い視線を送る。

知ってることがあるなら白状しろって、そういう目。

ジュン君は、口にバケットを詰め込んで、手に着いたパン屑をパラパラとお皿の上で払うと、

お冷で口の中の物を流し込んだ。

「見たことがあったんだよ。もう十年くらい前かな?」

「見たって何を?」

ショウ君は、ジュン君から目を逸らさずに、からあげ丼を頬張る。

「二人が……一緒にいるとこ。」

「へぇ~。昔から可愛がられてたんだな。」

一緒にいたって言ったジュン君の様子、可愛がられてたって言うのと、

ちょっと違くない?

「どこで見たの?」

「ん……ホテルのレストランで。」

「さすが社長!」

ちょっとショウ君、黙ってて!

「俺もさ、若造のくせに粋がってそんなとこに行ったら、

 スマックスの社長とカズが一緒にいるじゃん?

 声掛けて、一緒にいる連中にカッコつけようと思ったんだけど。

 ほら、木村社長、週刊誌にも載る有名人だし。

 でもすぐ出てっちゃったからさ。」

「すぐ?」

「うん、あっちのが早く来てただろうから、仕方ないんだけど。」

「それだけ?」

おいらはジュン君の顔をじっと見る。

今度はショウ君じゃなく、おいらが鋭い視線を送る。

鋭くなってなくても、送ってるつもり!

「それだけ……。」

何か含んだようなジュン君の声に、ショウ君ですら、ん?と首を傾げる。

「本当にそれだけ?」

おいらはまた聞き返す。

だって、カズのことだもん!

「それだけじゃないだろ?」

ショウ君が、相変わらずからあげ丼を頬張りながら、上目遣いでジュン君を見据える。

おいら達二人に詰められて、ジュン君が肩で息をする。

「ふぅ……追いかけたんだよ。顔だけでも売っておこうと思って。

 将来、なんかの役に立つかもしれないじゃん?」

それはわかる!

何がどうやって繋がるかは、ほんとわかんないもんね。

「追いかけたら……二人はエレベーターに乗っちゃってさ。

 しかも二つ下の階で止まったんだ。」

「ふふぁつしたぁ?」

ショウ君が、口にからあげが入った状態で聞き返す。

「そう、客室の階。」

「で、でも……。」

ジュン君は、ふんっと唇の端を上げる。

「そうだよ。誰かが乗って来ただけかもしれない。

 でもピンと来るでしょ。二人ができてるって。

 こういう勘は当たるのよ、俺。」

「で、できてる!?」

「そんな昔から二人は付き合ってたの……。」

「え?サトシ、気付いてた?」

ジュン君が意外そうに眉を上げる。

「ん……なんとなく。」

「カズ、サトシには隠すと思ってたんだけどなぁ。」

ジュン君が親指と人差し指だけでお冷を掴む。

おいらにはって、それはそれでちょっと寂しい。

きっとその頃、おいらが片思いだったから、言い辛かったんだよね。

「おいらが気付いたのは最近……。

 なんとなく、そういう人、いるよなぁと思ってて。

 賞を取った写真を見て、この人かなって。

 今日、会って、ああこの人だぁって。」

「さすがサトシ。見るとこ見てる。」

ジュン君がチラッとショウ君を横目で見る。

「俺だって気付いてたよ?この二人、なんかあるなって!」

「嘘つけ~、気付いてなかったくせに!」

「気付いてたよ!」

ムキになるとこが嘘っぽいよ、ショウ君!

「ははは、気付かないよね、ショウちゃんは。

 こういうことに気づかないのがショウちゃん。

 サトシが絡まないと全然!」

ジュン君が面白そうに笑って、ショウ君に意地悪な視線を送る。

「い、いいんだよ、それで!」

いいの?ほんとに?

おいらもジュン君と同じような視線を送る。

「え?ええ?サトシまで?」

パチパチする大きな目が小動物みたいに可愛くて、クスッと笑う。

「そんなとこも大好き。」

おいらのことしか見てないってことだもんね?

「サトシ~。」

ショウ君の顔がデレっとする。

「はいはい。ご馳走様。」

ジュン君が笑って食後のコーヒーを店員さんに頼んだ。










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