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夏疾風(やま)

夏疾風 そして、パンツは今…… 中編

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「いたよ、いたいた!いたに決まってんじゃん!」

「それを証明する人は?」

松本が詰め寄る。

「そんなの生徒達みんな!」

「少しの時間も……音楽室から出てない?」

腕を組んだ櫻井が、キラリと目を光らせる。

「出てないよ!」

「本当に?」

櫻井がズンと体を近づける。

「本当だよ!」

「トイレにも行ってない?」

さらに攻め寄る櫻井。

「ト、トイレくらいは……行ったかも……?」

櫻井の勢いに体を引く相葉。

「ほら、やっぱり。」

櫻井の目が、疑わし気に相葉を見つめる。

「そうは言うけど、櫻井さんはどうなんです?」

二宮が二人の間に割って入る。

「え?俺、被害者だよ?」

「被害者が実はっての、ミステリーのセオリーですよ?」

「何、ばかなこと言って……。」

「櫻井さんの自作じゃないって証拠は?」

二宮に便乗し、松本も詰め寄る。

「しょう……証拠は……証拠なんてねぇよ!」

「ほら、あなたも怪しい。」

二宮が疑いの目を向ける。

松本も腕を組み櫻井を見つめる。

「怪しくなんかねぇだろ!

 パンツ履いてないのが何よりの証拠だ!

 そんなに疑うなら見せてやる!」

櫻井が立ち上がり、ジッパーに手を掛ける。

「何してんだよ!」

慌てて大野が止めに入る。

「そうだよ、そうだよ、そこまでしなくても!」

相葉が二宮と松本をどうどうと諫め、続いて櫻井を見上げる。

「櫻井さんのじゃじゃ丸なんて、見たくないし!……なら別だけど。」

相葉の最後の言葉は小さい。

ちょっとカチンと来た櫻井が、勢いよく胡坐を掻くと相葉に詰め寄る。

「そう言う相葉先生、トイレには行った。

 なら、職員室に行くことはなかったんですかね?」

こんなこと言われるのも、パンツを盗った犯人のせいだと言うように、

助けてもらったにもかかわらず、櫻井は相葉を疑わし気な様子で見つめる。

相葉は考えるように視線を上に向ける。

「そう言えば……鍵を取りに……。」

「鍵?」

「パート練習で、視聴覚室使いたかったから……。」

視聴覚室は音楽室の向いにある。

練習場所が足りない時など、吹奏楽部が利用しているのは、誰もが知っている。

「でも、でも!職員室には風間先生がいたから!

 聞いてもらえればわかるよ!」

「それは何時頃の話?」

「たぶん……4時前くらい……?

 後、1時間はできるなって生徒と話したから……。」

「ってことは、相葉先生は4時半頃には……。」

松本が櫻井の顔を見る。

「音楽室で指導してたよ!最後にみんなで一度合わせようって声かけたの、俺だもん!」

すかさず二宮が口を挟む。

「それは間違いないですよ?櫻井さんの声が響くちょっと前から、

 相葉先生の声が聞こえてましたから。」

「なんでそれをもっと早く言ってくれないの~っ!」

相葉が二宮の肩を掴んで揺する。

「だって、いつ無くなったかわからなかったですし……。

 相葉先生なら、パンツ盗んで階段駆け上がっても間に合うかもしれないですし。」

「なんで俺が櫻井さんのパンツなんか盗るんだよ!

 松本さんのパンツならともかく!」

「ん?」

「ええ?」

「えっ?」

「俺?」

自分を指差した松本の股間に、4人の視線が集中する。

ハッとした相葉が両手で口を抑える。

「違う!違う違う!そうじゃなくて!

 松本さんのパンツに興味があるんじゃないから!」

「じゃ、中のモノ……?」

さらに凝視する櫻井、二宮、大野の視線に、松本が内股で股間を隠す。

「み、見んなよなっ。」

「違うから!そうじゃないから!」

相葉が両手を大きく振って、三人の視線を松本から遮る。

「だから……!」

三人の視線が、今度は相葉に集中する。

相葉はふぅと溜め息をついて三人を見回す。

「松本さん……カッコいいなぁと思ってて。」

おおーっと大野と櫻井から声が上がる。

「警備してる姿も、生徒に向ける笑顔も……。

 お友達になりたいな、声かけたいなと思ってたんだけど、

 挨拶以上はできなくて……。」

徐々に相葉の声が小さくなっていく。

「え?あれ?相葉先生って……翔君に気があるんじゃ……。」

大野が拍子抜けした声を出す。

相葉も、不思議そうに大野を見返す。

「なんで?なんで俺が用務員さんに?」

「だ、だって、ほら、誕生日にパンツあげてたし……。」

大野が慌てて、身振りを交えて説明を始める。

「あ~、あれ!あれはそんな意味じゃないから~。

 意味あるパンツなら、『好きです♡』って書いたのとか、

 お尻が開いてるのあげるよ~。」

それを聞いて、ギョッとする松本。

「で、でも、誕生日プレゼント、わざわざあげるなんて……。」

大野もしつこく食い下がる。

「その日、櫻井さんが誕生日だって嬉しそうに言うから……。

 何かあげた方がいいかなと思ってたら、上手い具合に頼んでたパンツが届いて。

 何もないから、一枚あげただけなんだよ~。

 3枚で1000円に消費税!超お得だったやつ!」

「え?そうなの?」

大野が目を見開いて聞き返す。

「3枚1000円!?」

松本も驚いて声を上げる。

「そうだよ。俺、全然櫻井さんに興味ないもん。」

「まさか……私がもらったパンツも……。」

二宮が、ワナワナと震える手で相葉と櫻井を指さす。

「そうだよ。二宮先生もオソロ!

 さすがに櫻井さんと二人でオソロはキモイでしょ?

 3人なら面白くなるけど~。」

ぐふふふと笑う相葉に、二宮の目が光る。

「なんてことしてくれるんです!

 男がプレゼントするなんて、下心の現れだって、

 雑誌やネットで読んだことないんですか!

 すっかり相葉先生は私のこと……。」

「え?あれ……ごめん。」

切なそうな顔で相葉を見る二宮と、申し訳なさそうな相葉の視線がかち合う。

「責任……取ってくれるんですよね?」

「せ、責任~~?」

「そうです!私の可愛い恋心、どう落とし前つけてくれるんですか!」

「そんなこと言われても~、俺、気になってるの、松本さんだし……。」

4人の視線が松本に注がれる。










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