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ワイルドアットハート(やま)

ワイルドアットハート 21

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仲良くプリン食べたけど、やっぱり追い出され。

「健康第一。元気が一番!」

がモットーの智君だから、そう言われるのはわかってたけど。

できれば朝までいたかった。

一緒に……、ただ一緒にいるだけでも……。

だから、朝8時に家に帰ってやった!

まだ寝てる智君のおでこを触ったら、俺とあんまり変わらなくて。

これなら大丈夫と安心したら眠くなって……。

ソファーで寝てるとこを智君に起こされた。

「翔君、そんな恰好で寝たら、首痛くなるぞ?」

ん~?首……?

首を動かしてみると、ズキッとする。

「ほら、そんなとこで寝るから。」

首が右に曲がらない。

少しずつ、少しずつ動かして……。

やっと右側にいる智君が見える。

「寝違えた?大丈夫?」

智君の心配そうな顔。

「大丈夫。たぶんすぐ治る……。」

首をゆっくり回してみる。

やっぱり右側が回らない。

「大丈夫なら飯、食(く)お。」

智君がリビングに朝ごはんを運んでくる。

「あ、俺も手伝う!あ、痛てて……。」

慌てて立ち上がったら、首がクギッと音を立てた。

「ほら、慌てるから!いいよ。このくらい。」

「いや、やりたい!やらせて!」

箸と味噌汁を手にする。

そんな俺を見て笑う智君。

うん、順調に回復してる!

「今日の仕事、行くの?」

「行くよ。もうすっかり良くなったから。」

向かい合って座る。

ソファーに座らず床に胡坐を掻く男二人。

今日は膝は当たらないけど。

「無理しないでよ?健康第一って、いつも言ってるのは智君だからね。」

ズズッと味噌汁をすする。

ああ、やっぱり智君の味噌汁は旨い。

「大丈夫だよ。俺、結構丈夫だし。」

湯気の立つご飯を口に入れる智君。

もう普通のご飯で大丈夫?

「そういう過信が危ないんだよ。」

智君は美味しそうにモグモグしてる。

……うん、大丈夫そう。

ちゃんと食べてる。

「翔君、心配性!」

笑いながら、焼きたての美味しそうなアジをほぐす。

ほぐすと湯気が立つ!

「今日の仕事は?」

「うん、病み上がりだから、どうかな?グラビアあるんだけど……。」

俺は茶碗から顔を上げて智君を見る。

顔色は……まだ若干悪いか?

でもメイクでごまかせそう。

それより……。

「智君、ご飯粒。」

智君の鼻の頭のご飯粒を指で摘まむ。

一瞬、クシャッと鼻に皺を寄せる智君。

「どんだけキュートなんだよ。」

言いながら、摘まんだ米粒を唇で挟む。

「あはは。翔君、前にも言ってたね。」

あの時も今も、本心。

男らしかったり、可愛かったり、智君はクルクル変わる。

それがきっと、智君の最大の魅力でキュートなとこ。

「無理、しないでね。」

「うん。」

智君がふんわり笑う。

「翔君は?今日も帰り遅そう?」

「う~ん、今日は雑誌と近場のロケがあるから……遅いかも。」

「そっか。翔君こそ、無理すんなよ。」

「大丈夫。智君のご飯食べたから。」

ふふふっと笑う智君を見ていると……。

それだけできゅんとするのはなぜ?

「あ、ちょっと急いだ方がいいぞ。翔君、髭剃るの時間かかんだから。」

「うわっ、やべっ。」

俺は急いでご飯をかっ込む。

一粒だって残さない。

ご飯には88の神様と智君の優しさが詰まってるんだから!



「リーダー、大丈夫?」

会ったそうそう、相葉君が聞いてくる。

メンバーには知らせたんだな。

「大丈夫。もう熱も下がってたし。」

「でも下がったばっかって疲れんじゃん?

 体力なくなってるし。」

……そうだよな。今日のロケ、早く終わればいいけど……。

「今日も家で休んでるの?」

「いや、仕事行ったよ。」

「え?今日くらい休ませてあげればいいのに。」

「そうもいかないの、お前だってわかってるだろ?」

「そうだけどさ……。」

今日の雑誌は相葉君と二人。

スタジオでにっこり笑ってポーズを取る。

言われるままに顔を作り、大げさにポーズも決める。

その合間合間に話しかけて、笑わせてくれる相葉君。

「ひゃっひゃっひゃ。何その顔、翔ちゃんっ!」

「なんだよぉ~、相葉君のせいだろ~!」

「あ、ひでぇ、俺のせいにした~!

 皆さ~ん!翔ちゃんはひどいヤツですよ~!」

「わっ、ばかっ!」

俺が相葉君を押さえようとすると、スタッフが笑う。

「ほんと、仲いいですよね。」

「そ、そうかな?」

相葉君の顔を見ると、相葉君が嬉しそうに笑う。

「5人の中でも特に仲がいい?」

「いや、そんなことは……。」

俺が言い掛けると、相葉君が割って入る。

「そうそう、翔ちゃん、よく俺のこと見てるよね?

 何?俺に気があんじゃないの~?」

相葉君がふざけて肘で突く。

「うわっ、ばかっ、そんなわけねぇだろ!」

「照れちゃって。」

二人で小突き合っていると、他のスタッフも笑って参加してくる。

「本当に仲がいいんだね。じゃ、今度は抱き合ってチューしてるとこでも撮ってみる?」

「や、そんなのマジ無…理……。」

言い掛けて躊躇する。

相葉君が切なそうに笑ったから。

俺を好きだと言った相葉君。

でも俺は智君と付き合うことになった……。

人を好きになるって難しい。

好きになられるのも……難しい。

お互いがお互いの方を向くとは限らない。

好きの気持ちも……どこまでが友達で、どこからが恋人か、

はっきり色分けされてるわけじゃない。

同じ大きさで、お互いの方を向いて、好きが交わるのは、

ほんと、奇跡に近いのかもしれない。

「じゃ、じゃあさ、ハグ?ハグとかどう?」

「いつもと変わらないんじゃない?」

スタッフの人はちょっと不満そう。

「そんなことないよ。相葉君、来て。」

俺は相葉君を呼んで椅子に座らせる。

怪訝そうに椅子に座る相葉君。

そんな相葉君を後ろから抱きしめる。

「こんな感じなら仲良さそうなんじゃない?」

「翔ちゃん……。」

振り返った相葉君の顔は、まさに智君とおでこを合わせた距離くらいで……。

やべっ。首痛くて右に回らないんだった。

しばし見つめ合う恰好になると、シャッター音が鳴る。

「いいから、前向いて笑って。」

相葉君が前を向いて楽しそうに笑う。

俺も相葉君の肩に顔を合わせて笑う。

カシャカシャとシャッターが何度か切られ、少し変えてポーズを取って……。

撮影は無事終わって。

椅子から立ち上がる時、相葉君がボソリとつぶやく。

「俺……やっぱり翔ちゃんが好きだ……。」

「相葉君……。」

切なそうに笑う相葉君に、ぎゅっと胸が締め付けられる。

「ごめん……。」

「翔ちゃんが謝ることじゃないよぉ。」

「でも……。」

「いいんだよ。翔ちゃんが誰を好きでも、俺が好きなのはそんな翔ちゃんなんだから。」

「相葉君……。」

「行こ。この後はインタビューだよ。」

相葉君に促され、スタジオを後にする。

でも、その時の俺は気づかなかった。

同じスタジオの別部屋で、ニノと智君も撮影してたってことに。










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