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ワイルドアットハート(やま)

ワイルドアットハート 5

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朝。

薄明るいカーテンの向こうから、鳥のさえずりが聞こえる。

……一睡もできなかった。

何がどうなってる???

考えれば考えるほどわからなくなってくる~~~っ!

俺らのグループは仲がいいとよく言われる。

それが嫌だった時期もあったけど、

実際仲が悪いわけじゃないんだし、どう言われたっていいんじゃない?

と思い直してみたら、すっきりして、俺らの絆はさらに深まった気がする。

忘れもしない、10周年を経ての15周年のハワイ。

家族でも、友達でも、ただの仕事仲間とも言えない俺達。

その俺達が繋いだ絆。

それは確かにあって、何ものにも代えがたいもので……。

なのに!

なのに、そのメンバーたる相葉君からの告白!

さらには智君からの、チュ、チュ……チュ~?

俺はいったいどうなってるんだ!?

いや、何がいったいどうなったらこうなる!?

しかも智君ときたら、キョ、キョ、キョコン……。

知ってる。

確かに智君のピーッは大きい。

でかいなっ!と常日頃から思ってた。

最近は見てないけど。

そりゃ、大人になればピーッなんて見なくなる。

てか、一緒に風呂に入ることもなくなったし、

学生の頃の更衣室みたいに、ヤイノヤイノと着替えることもなくなってる。

他人のピーッを目の当たりになんかしないだろ?

大人になったら!

しかも俺、当分、智君と同棲生活!

あ、もとい、同居生活!

俺の思考もマジおかしくなってない?

いやいや、俺は大丈夫。

正常!

おっぱいが好き!

柔らかいのが好き!

でも……智君の唇も……柔らかくなかったか……?

はっ!

戻って来い、俺!

お前は真っ直ぐ歩いてけばいいんだ!

迷うな!

悩むな!

怯むな!

はぁ……俺、こんな調子で大丈夫なのか……。

……あれは……告白……でいいんだよね?

俺、メンバー二人から告白されたってことだよ……な。

どうして?

何がどうなってそうなった???

目覚まし時計がピピピと鳴り始める。

もう起きる時間……。

起きようと思ったら、ガチャッと隣の部屋のドアが開く音。

智君が起きた!

しばらく耳を澄ませていると、また、トントントンとまな板の音が響いてくる。

ピンッと鳴った機械音は炊飯器の炊けた音?

俺はゆっくりベッドの上に起き上がる。

いったい……どんな顔して会えばいいんだ?



「……お、おはよ。」

智君の顔をチラ見しながらキッチンに入る。

「おはよ。」

冷蔵庫から牛乳を取り出すと、智君がグラスを差し出してくれる。

「あ、ありがと……。」

グラスを受け取って、牛乳を注ぐ。

チラチラ見る俺に気付いているのかいないのか、智君の表情は涼しい。

いつもと……変わりない?

「昨日のあれ、冗談だから。」

智君は、鍋に味噌を解きながら、視線も合わせず言う。

「え?ええ~っ?そうなの?冗談なの?」

「冗談に決まってんじゃん。翔君ならどうすっかなぁと思って。」

智君の持つ菜箸は、お玉の上の味噌をシャカシャカと溶かしていく。

「な、な~んだ!そうならそう言う風に言ってよ!

 俺、マジなのかな、マジならマジに応えないとなって、ずっと考えちゃったんだから!」

「ごめんごめん。ほら、味噌汁できるから、飯、食べよ。」

見上げる智君のふんわり笑顔。

な~んだ!

冗談なんじゃん!

「俺、マジビビったからね?智君と同居なのに、どうすりゃいいんだって!」

「だから謝ってるじゃん。ほら、これ持ってって。」

ご飯と味噌汁とお新香と焼鮭と海苔……。

立派な朝ごはん。

俺が一人の時には考えられない朝ごはん!

「マジ、ん~まいっ!」

温かくて美味しいご飯。

向いに座るふんわり笑顔。

よかった!

ほんとマジ、よかった!

でも……若干……笑顔に影があるように見えるのは……気のせい?



「ほら、翔君、迎えが来ちゃうよ!」

「大丈夫。いつもこれで間に合ってるから。」

「ほんと?」

智君の眉間に皺がよる。

「ほんとほんと。」

「翔君がまさかこんなギリギリまでパタパタしてると思わなかった。」

智君は、何も入ってないんじゃないの?ってくらいの鞄を肩に掛ける。

俺は剃り残しがないか、鏡で顎と頬を確認する。

「でも、智君、ほんといつも荷物少ないよね。」

顎に残ってた泡を指で拭って、最後にタオルで拭く。

「持ち運ばなくちゃいけないようなもん、ねぇもん。」

「ええ~、あると便利なものっていっぱいあるじゃん。」

「あると便利だけど、なくてもなんとかなるなら、いいんだよ。」

智君が先に玄関に向かう。

「そんなもん?」

「そんなもんだよ。」

玄関で靴を履く智君を追う。

「待って、俺ももう出れる!」

「遅いからおいてこうかと思った。」

「え~、おいてかないで~。」

ちょっと後輩感を出して智君を見つめる。

意地悪っぽい顔で笑う智君が、俺のおでこを指で弾く。

「だったら俺から離れんな。」

「痛っ。」

おでこを撫でながら智君を見ると……やっぱり笑顔に……影りがある……?










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