Sunshine

Sunshine ⑰ -ふたりのカタチ side story -

 ←Sunshine ⑯ -ふたりのカタチ side story - →Sunshine ⑱ -ふたりのカタチ side story -


帰りがけ、最後に店長さんがブランをギュッと抱きしめる。

ブランも甘えるような声で鳴く。

見上げる顔も寂しそう。

短い時間だって、きっと離れがたいくらい仲良くなっちゃったんだよね。

おいらも……もし、ノアとブランの飼い主さんが見つかったら……。

考えただけで寂しくなっちゃうよ。

「ブラン、元気でね。たまには遊びにおいで。」

店長さんがブランのおでこを撫でる。

ミャアと短く返事して、目を細めるブラン。

ノアも、キャリーケースの中からブランたちを見つめてる。

ノアにも気持ちがわかる?

店長さんがブランをキャリーケースの中に戻すと、ショウ君似のイケメンがやってくる。

「これ、お土産に。ブランがお世話になるから。」

そう言って、ケーキの箱と、紙袋を手渡してくれる。

紙袋の中身は5色カラーの可愛いボール。

5人でブランと遊んでたのかな?

遊んでるとこ想像すると……あったかい絵が浮かんでくるね!

「あ、荷物になっちゃうかな?」

イケメンが、キャリーケースを持つおいらを見て、顔をしかめる。

「あ、大丈夫です。これ、肩から下げられるし……。」

キャリーケースを肩から下げて、片手でケーキと紙袋を持つ。

電車に乗っちゃえば、きっと座れるし、なんとか家までは帰れそう?

「駅まで……送ろっか?」

声を掛けてくれたのは、レジで小銭を数えてる男の人。

猫背で、赤鉛筆を耳に掛けてそうな風貌なのに……どこか懐かしい感じ。

あ、江戸時代の智さんに雰囲気が似てるかも!

「honey、運転できないくせに。」

男の人の後ろに立って財布を取り出したのは、セレブって感じのイケメン!

え、うっそ、またイケメン!?

やばい!この店、イケメン多すぎ!!

「うっせぇ。困ってる時はお互い様だろ?

 あの荷物見て、声かけねぇとかねぇだろ?」

「ふふふ。他人に興味なさそうなのに、あの人には優しいんだ?

 妬けるね。」

「ばぁか。他人って気がしねぇんだよ。」

男の人が、おいらを見てニコッと笑う。

あ、わかる。

おいらもなんか、他人って気がしない!

後ろのイケメンも……どこかで会ったこと……ある?

「送ってもらっちゃったら?悪い人じゃないと思うよ。」

店長さんがクスクス笑う。

おいらも笑いたいけど必死で堪える。

ハニーって、呼んでる人、初めて見た!

「常連さんですか?」

「何度かお店にいらっしゃってくれてます。」

店長の代わりにショウ君似のイケメンが答えてくれる。

駅までなら……平気?

でも悪いよね?

車なら、駅に行く必要ないもんね。

それに……ショウ君に怒られちゃう?

すぐ人を信用するな!って。

セレブなイケメンがスッとやってきて、おいらの肩からキャリーケースを下す。

「御送りしますよ。どうせ、通り道ですから。」

ニコッと笑った顔が……なんか、なんでだろ?エロっ。

ブランデーにチェリー?

深紅の薔薇にしとしと雨が降る感じ?

ジュン君とは違う、もっと大人でしっとりした雰囲気。

薔薇……!

わかった!

駅で薔薇の花くれた人!!

「あ、あの……。」

おいらが確認しようとセレブなイケメンを見上げると、

イケメンがクスッと笑って、おいらの背中に手を添える。

「どうぞ。」

スマートなエスコート。

思わずゾクッとしちゃう!

おいらが一歩踏み出したところで、おいらの肩を誰かが掴む。

「いえ、結構です。」

「え?」

振り返ってびっくりする。

「どうして……?」

ショウ君が眉を吊り上げ、おいらを抱きかかえるようにして引っ張る。

「あ……。」

ものの見事にショウ君の腕の中に納まって、店長さん達も親切な男の人達も、

びっくりしてじっとおいら達を見つめてる。

「ショウ君!仕事は!?」

「もう終わった。」

ショウ君はおいらを見ず、セレブなイケメンを目で威嚇する。

「ショウ君!」

おいらはショウ君の頬を両手で握り、こっちを向かせる。

「さぼったの?」

「人聞きの悪い。……用事があるから早退したまで。」

「用事って……?」

「ブランも連れて帰ってくるだろうから……帰ってくるの、大変でしょ?」

ショウ君はそう言って、手の中の鍵をチャりっと鳴らす。

それはそうだけど……。

ごめんね、佐々木さん、岡林君!

おいらは心の中で謝って、唇を尖らせる。

「それに……サトシにはすぐ虫が寄ってくるからね?」

ショウ君の腕にぎゅっと力が入って、苦しいくらいで……。

「ショ、ショウ君!?」

「虫って言うのは俺のことかな?」

セレブが鼻で笑う。

「俺達は親切で声をかけただけ。

 それをその言い方は失礼じゃないのかな?」

「そう聞こえたなら謝りましょう。

 ウチのサトシは優しすぎるようで、危ない人間とそうでない人間がわからない。」

ショウ君が、セレブを睨んだままおいらを後ろに押しやる。

「こんなに危ない匂いプンプンさせてる人でも、平気で信用してしまうんです。」

「それは……あなたが過保護すぎるのがいけないんじゃないのかな?

 彼だって、立派な大人だ。締め付けすぎては息ができなくなってしまう。」

「ははは、御忠告ありがとうございます。

 ですが、サトシは俺に締め付けられるのが大好きなので、その心配はないでしょう。」

「あははは、どっちかってぇと、あんたが締め付けられてんじゃねぇの?」

猫背の男の人が豪快に笑う。

え……あ、それって……、あ、そういう……意味……?

おいらの顔が赤くなると、店長さんがクスッと笑う。

「お迎えが来たのなら、送ってもらわなくても大丈夫だね?」

おいらはコクリとうなずき、ショウ君を押しのけて前に出る。

「すみません。ショウ君の失礼……申し訳ありません。」

「いえいえ、あなたが謝ることはないでしょう。」

「おいらのせいですから……。」

そう。

ショウ君は……たぶん、おいらの好みのタイプがここにいっぱいいることがわかってる。

仕方ないんだよ?

こんなおいらにしたの、ショウ君なんだから!

ショウ君がイケメンだからいけないんだ。

神様がイケメンばっかり作るのがいけないんだ。

全部、ショウ君と神様のせいなんだから!










関連記事
スポンサーサイト



総もくじ  3kaku_s_L.png a Day in Our Life
総もくじ  3kaku_s_L.png Kissからはじめよう
総もくじ  3kaku_s_L.png Step and Go
総もくじ  3kaku_s_L.png 果てない空
総もくじ  3kaku_s_L.png タイムカプセル
総もくじ  3kaku_s_L.png Hello Goodbye
総もくじ  3kaku_s_L.png season
もくじ  3kaku_s_L.png Sunshine
もくじ  3kaku_s_L.png 五里霧中(5人)
総もくじ  3kaku_s_L.png 夏の名前
もくじ  3kaku_s_L.png Troublemaker(5人)
もくじ  3kaku_s_L.png Crazy Moon(5人)
総もくじ  3kaku_s_L.png Welcome to our party
総もくじ  3kaku_s_L.png Deepな冒険
もくじ  3kaku_s_L.png 花火(やま)
もくじ  3kaku_s_L.png miyabi-night(5人)
もくじ  3kaku_s_L.png ZERO-G
もくじ  3kaku_s_L.png 復活LOVE(やま)
総もくじ  3kaku_s_L.png 三日月
総もくじ  3kaku_s_L.png WONDER-LOVE
総もくじ  3kaku_s_L.png 時計じかけのアンブレラ
総もくじ  3kaku_s_L.png みんなと作ったお話
もくじ  3kaku_s_L.png Believe
もくじ  3kaku_s_L.png コスモス
もくじ  3kaku_s_L.png つなぐ
総もくじ  3kaku_s_L.png 大人の童話
もくじ  3kaku_s_L.png 智君BD
もくじ  3kaku_s_L.png ブログ
もくじ  3kaku_s_L.png ティータイム
もくじ  3kaku_s_L.png BORDER
もくじ  3kaku_s_L.png WONDER-LOVE Ever
【Sunshine ⑯ -ふたりのカタチ side story -】へ  【Sunshine ⑱ -ふたりのカタチ side story -】へ
  • TB(-)|
  • CO(-) 
  • Edit
  • 【Sunshine ⑯ -ふたりのカタチ side story -】へ
  • 【Sunshine ⑱ -ふたりのカタチ side story -】へ