Sunshine

Sunshine ⑭ -ふたりのカタチ side story -

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「え……あ、おいらの幼馴染で……。」

動けないおいらに優しく微笑みかけるジュン君そっくりな店員さん。

ほんと、マジそっくり!

睫毛の数まで同じに見える!

数えたことないけど!

「幼馴染?こんな幼馴染がいたら、俺、絶対手放さないよ?」

ジュン君似の店員さんが、クスッと天使の笑顔で笑う。

その笑顔で、手に入らないものはないんじゃないかってくらいの、極上のスマイル!

「どう?今いい人いないなら、俺なんて?

 今ならお手頃価格よ。」

天使の笑顔の店員さんが、自分の喉仏を撫でながら、ウィンクする。

「え、あの……。」

おいらがしどろもどろになっていると、

最初に接客してくれたショウ君似のイケメンが、トレイでパコンと天使の頭を叩く。

「こら、お客様に何言ってるの。お困りでしょ?」

天使が頭を掻きながら、口を尖らす。

「痛っ。何も叩かなくったって。」

「客に手を出す店員を叩いて何が悪い?」

ショウ君似のイケメンが、冷たい視線を投げる。

「好みのタイプがいたら、ちゃんとアピールしないと、いつまでも幸せはやってこないよ?」

ジュン君似の店員さんが強気な視線で見返す。

「運命の相手は、何もしなくても出会うものです。」

「だから、今、出会ってるんじゃん。このお客様が運命の相手かもしれないよ?」

天使が、ね?って顔でおいらに同意を求めてくる。

どうしよ……。

「す、すいません……。おいら、います。」

なんとかそれだけ言って、天使を見上げる。

天使が、残念そうに眉間を寄せる。

「そりゃそうか。」

天使が肩を竦める。

「すみません。ウチの店員が失礼を……。」

ショウ君似の店員さんが、おいらの前にコトンと綺麗なガラスの器を置く。

「これはサービスです。少し、待たせてしまうので……。」

太陽が反射してキラキラ光る赤や青のガラス。

その中に入っているのは、これまたキラキラ輝く……。

「プリン!」

「はい。私の大好物なんです。こいつ、こう見えて、腕はいいんですよ。

 このプリンもウチの自家製です。よかったら食べてみてください。」

「あ、ありがとうございます。」

「ずっりー。俺が作ったプリンでアピールするなんて!」

「アピールじゃない。お礼とお詫び。」

勝ち誇ったようなショウ君似のイケメン。

それを見て、天使が頬を膨らませる。

んふふ。なんか、こういうとこもジュン君に似てる。

小さい頃のジュン君は、いつもショウ君に突っかかってた。

それも仲がいいからなんだけどね?

おいらが笑うと店員さん達が恥ずかしそうに顔を見合わせる。

「あ~っ!ずっりーっ!俺も俺も!」

カウンターの中から戻って来たマー君似の店員さんが、

今度は可愛い小皿に入った小さなチョコをおいらの前に並べる。

「このチョコね。めっちゃ美味いの。俺の隠しおやつ。

 わざわざ来てくれたから、ブランの代わりにお礼ね。」

マー君似の店員さんが、天使の肩に手を置いて、覗き込んでくる。

「こ、こんなにいろいろ……。」

おいらの前にはいちごのタルト、プリン、チョコ、ノアのおやつが並んで……。

こんなに……いいのかな?

不安になって見上げると、三人そろって、小さくうなずく。

「あ、ありがとうございます。」

おいらはタルトにフォークを入れる。

サクッとして、プルンとして。

カスタードと生クリーム?に埋まったいちご。

口に入れると、ほんのり酸味の利いた甘さが広がる。

「お、美味しい!」

天使がにっこり笑う。

「よかった。その顔が見れたら、作ったかいがある!」

天使の背中をショウ君似のイケメンが叩く。

「店長も大好きないちごのタルトだからね。」

「チョコもチョコも!食べてみて。」

言われるままにチョコを口に入れる。

あ、こっちはビター。

苦みと甘さがほどよい溶け具合。

「美味し……。」

おいらが見上げると、マー君似の店員さんが、うんうんと大きくうなずく。

「でしょでしょ?めっちゃ美味しいの。」

「プリンもよかったら……。」

ショウ君似のイケメンが遠慮がちにプリンを促す。

もちろん、プリンも一口。

ふんわり軽い触感と懐かしい甘さ。

口の中で溶けちゃう!

「やばっ。うまっ。」

ショウ君似のイケメンが満足そうにうなずくと、

並んだ三人の店員さんの頭を、ポコンポコンポコンとトレイが跳ねる。

「いてっ。」

「いたっ。」

「あたっ。」

「ほらほら、仕事中ですよ?

 新しい注文です。いちごのタルトとブレンド、卵サンドのオーダーです。」

頭を撫でながら、しぶしぶマー君似の店員さんと天使が戻って行く。

「お、俺は二人を注意……。」

ショウ君似のイケメンが言い訳しようとすると、

言い終わる前にしゃべりだすカズ似の店員さん。

「あちらのお客様、お冷がなくなってます。それと、おしぼりが少なくなってます。

 私は裏に豆を取りに行くので……。」

ショウ君似の店員さんは、何も言わず、一番奥のボックス席に目を向ける。

「わかった。」

目を細め、お冷を持って歩きだす。

三人がいなくなると、カズ似の店員さんが、溜め息をつく。

「すみませんねぇ。みんな、お客様が他人に見えないんですよ。」

カズ似の店員さんがニコッと笑う。

「もう少し、待っててください。たいくつなら、少しお相手……。」

そこで誰かが店員さんの耳を引っ張る。

「い、痛っ。」

「お前も仕事!」

ショウ君似の店員さんが、カズ似の店員さんを引っ張って行く。

おいらに笑顔を向けながら。

おいらは笑って、タルトを口に運ぶ。

うん、美味しい。

それに……みんなに似てるせいかな?

すっごく居心地がいい……。

店員さんが仲いいからかな?

それともおいらに似た店長さんができる男だから?

この店の雰囲気も、店員さんの雰囲気も、

穏やかで、ほっこりまったりしてて……。

近所にあったら、間違いなく毎日来たくなっちゃうカフェ!

でも……毎日通ったら、ショウ君に怒られちゃう?

ノアがミャアと小さく鳴いたから、さっきもらった猫のおやつを籠に入れてあげた。

ノアはクンクンと匂いを嗅いで、ガツガツ齧り始める。

おいらもタルトとプリンとチョコを頬張って……。

もうすぐ会えるブランと店長さんを想像した。

おいらに似てるって言う店長さん。

……どんな感じなんだろう?










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