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Sunshine(やま)

Sunshine ⑦ -ふたりのカタチ side story -

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おいらが夕飯の準備をしていると、ショウ君が帰って来た。

「ただいま~。」

「お帰り~。」

キッチンから返事する。

「どうだった?」

「動物病院はダメだった。探してる迷子猫はいたんだけど、マンチカンだった。」

ショウ君は残ったチラシをパサリとテーブルに置く。

「ノアは?」

「まだソファーで寝てない?」

おいらは、味噌汁に味噌を溶かしながら、開いたままのリビングのドアを見る。

ショウ君はそれでわかって、そっとリビングに入って行く。

寝ているノアに安心したのか、すぐ戻って来ておいらを後ろから抱きしめる。

「ノアに見られてるとしづらいから……。」

そう言って、後ろからキスしてくる。

「味噌が……。」

ショウ君の手が、お玉を持ったおいらの手を押さえる。

押さえたままショウ君の舌がおいらの唇を割って入って来る。

「んっ……。」

半分向き直ったおいらの体を、ショウ君の指が優しく滑る。

「あ……んふ……。」

菜箸を持つ手をなんとか鍋の上から離さないようにして、ショウ君の舌に応じる。

絡まる舌が、クチュッと音をさせると、チリンと鈴の音が響いた。

おいら達はすかさず唇を離し、顔を見合わせる。

ショウ君がリビングのドアの所に行くと、

その横をすり抜けてノアがおいらの足元にやってくる。

「ノア……。」

ノアがおいらの足に体を擦りつける。

「抱っこして欲しいの?ちょっと待っててね。」

おいらは急いで残りの味噌を溶かし、

まな板の上にお玉と菜箸を置いて、ノアを抱きあげる。

「お料理してる時のキッチンには入っちゃダメだよ。危ないからね。」

頬を寄せてそう言うと、ノアが小さく鳴いた。

ノアはおいらの言葉がわかってる。

だって小さいショウ君だもん。

おいらはノアをショウ君に預けて、料理を続ける。

一瞬嫌がったけど、ノアは小さいから、嫌がっても無駄。

「そうかそうか。そんなにサトシがいいの?

 でも、サトシは料理中だからね~。ちょっとだけ俺と待ってようね。」

ショウ君は子供をあやすようにそう言って、ノアの頭を撫でる。

大きなショウ君の手が、ノアをすっぽり包む。

ノアも大人しく、ショウ君を見上げてる。

「ノアは美人さんだね~。こんな大きなおめめの猫いる?

 ピンと立った耳も理知的で、毛なんて艶々しちゃって!」

ショウ君、それじゃ親ばかだよ。

飼い主が見つかっても、手放せないのはショウ君の方じゃない?

「ねぇ?マサキのとこのサトシも美人だけど、ノアも相当可愛いよね?」

ショウ君が、おいらに聞こえるように声を張り上げる。

「そうだね。マー君とこのサトシ君はイケメンだけど、ノアは可愛いって感じかな。」

「そうそう。タイプが違う。でも、黒猫って可愛いのが多いんだな。」

たまたまだと思うけど……。

でも、黒はミステリアスな色だから、それだけで効果はあるのかも?

一口に黒って言っても実はいろんな色がある。

真っ黒に見えても、緑っぽかったり、青っぽかったり。

光沢あるとわかるかな?

ノアはちょっと紫っぽい感じ?

マー君とこのサトシ君は青っぽい。

もちろん真っ黒なんだけど、光の加減でそう見える。

カラスの濡れ羽色ってことだね。

おいらはブリをひっくり返して醤油タレを塗る。

今日はブリの照り焼き。

甘じょっぱい匂いがキッチンに広がる。

ノアも気付いてるよね?猫は鼻がいいもん。

「ショウく~ん!ご飯!ノアにも出して~。」

「おぅ!」

さ、夕飯食べながら、夢の続きの話をしないと……。



「なるほどね。家出か……。」

お腹いっぱいになったショウ君が、ソファーでノアの背中を撫でる。

今日はノアがいるから、リビングで食事。

こっちの方がノアが寝やすいからね。

「そうみたい。」

ショウ君のグラスにビールを注いで、自分のグラスにも注ぐ。

「だからね、ブランを探してあげて、その後は……。」

おいらがショウ君を見ると、ショウ君が優しい顔で笑う。

「いいよ。サトシの思うようにして。」

「ショウ君……。」

ショウ君は言わなくてもわかってくれる。

おいらは嬉しくなって、思わず笑顔が浮かぶ。

ノア達が、ちゃんと家に帰りたいと思わないといけない。

ママンとパパが本当の親なのか、飼い主さんなのかわからないけど、

きっと心配してるから……。

「とりあえず、飼い主は探さないとね?」

ショウ君がビールのグラスに手を伸ばしながら、おいらを見つめる。

「うん。」

おいらも笑ってビールを飲む。

「早く見つかるといいね。……あ、マー君から電話あったよ。」

「マサキ?」

「うん。なんでも屋さんにも聞いてみるって。」

「なんでも屋?」

「前にサトシ君がいなくなった時、お世話になったんだって。

 猫探しとかもするみたいだから。後、飼い主仲間にも聞いてくれるって。」

「遠すぎるだろ?マサキのとこじゃ。」

「でも、飼い主同士の情報網もあるからって言ってた。

 サトシ君がいるから……黒猫愛好会みたいの、あるかもよ?」

「なんか闇のシンジケートとかにありそうだよな?黒猫会。」

ショウ君がノアのお腹を撫でながら、グビッとビールを飲む。

「どっちかって言うと……なんて言ったっけ?魔法使いっぽいの。」

「黒魔術?」

「そうそう、そんなの。」

「そっちの方が怖いな。シンジケートの方がまだまし……。」

鈴がチリンと鳴って、ノアが頭を持ち上げる。

「なんだ、起きたの~?」

ノアの頭を撫でるショウ君。

声が甘くて優しい。

もうすでにデレデレだね。

マー君とこのサトシ君の時も思ったけど……ショウ君、意外と猫好き?

虎次郎も……いける?

いや、虎次郎は可愛いタイプじゃないから……やっぱりダメ?

「ね、サトシ。」

「ん~?」

おいらは最後のビールを飲んでショウ君を見る。

「そろそろ……。」

ショウ君の顔が夜モードになってる。

「ん。」

おいらもその顔を見て夜モードへ……。

チリンと音がして、ノアが立ち上がる。

「ノア……どうする?」

おいらがショウ君を見上げると、ショウ君が困ったように眉毛を下げた。










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