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Sunshine(やま)

Sunshine ② -ふたりのカタチ side story -

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今日はショウ君と一緒に買い物。

買い物と言っても、近くのスーパー。

重い食材を買う時とか、ショウ君と一緒の方が便利。

車で行けるし、車で行けない所でも、一人で行くより買えるし。

ほら、お米とか、ビールとか。

でも今日は、お散歩がてらの買い物だから歩き。

庭のバジルが大きくなってきたから、

それで明太子パスタが食べたいんだって。

明太子の和風パスタ。

美味しいよね。

ショウ君、バジルも苦手だったんだけど、最近食べれるようになったんだ。

庭のハーブのおかげかな?

じゃ、今度はパクチーも植えてみようかな?

パクチーって、庭で栽培できるのかなぁ……?

う~ん、陽ざしも温かいし、空気は爽やかだし、今日は絶好の散歩日和!

そんなことを考えながら、おいらが太陽を見上げて伸びをすると、

ショウ君がクスッと笑う。

「サトシも家にばっかいないでたまには散歩くらいしないと。

 運動不足になっちゃうよ?」

それは痛感してる。

打ち合わせとかないと、家から出ない生活だから。

ジョギングくらいした方がいいのかなって。

でも、走るのあんまり好きじゃないし……。

「犬でも飼う?そしたら毎日散歩……。」

「犬?犬はダメ!」

犬なんか飼ったら、虎次郎が来なくなっちゃう。

思わず言った言葉にショウ君が不審そうな顔をする。

「サトシ、犬好きだよねぇ?マサキのとこのショウはものすごく可愛がってた。」

ドキッとする。

「そ、そりゃ、ショウ君と同じ名前だもん。」

笑ってごまかそうとしてみたけど……。

ショウ君の眉間にはさらに深いタテジワ。

おいらはショウ君の手を握る。

「ショウ君達が来た時、大変だったでしょ?

 もう少し、二人の時間を満喫したい……。」

ショウ君を見上げて、体を寄り添わせる。

「ショウ君は違う?」

「いや、俺だって……。」

不審そうだったショウ君の頬が緩み、上がっていた目尻が下がる。

「ね?もうちょっと、二人だけの時間を楽しもう?」

「う、うん、そうだな。」

ショウ君の顔が近づいてくる。

あ、ダメ。

ここは外。

家じゃないんだから。

おいらが誘ったみたいになってるけど……。

ショウ君の頬を押し上げ、ふと見た塀の上に……え?虎次郎?

虎次郎がチェシャ猫のように尻尾を垂らして、こっちを見てる。

どうやってあの巨漢であそこに乗ったんだろ?

ほとんど体が塀からはみ出てる。

あれでバランスとれるんだから、すごい!虎次郎!

虎次郎は欠伸をしながら、のっそのっそと塀の上を歩きだす。

じっと見ていたおいらに気付いて、ショウ君も虎次郎を見つめる。

「すげぇな。」

ショウ君も感嘆の声を上げ、虎次郎の後ろ姿に釘づけになってる。

「よく落ちないな?」

虎次郎がゆっくりこっちを見る。

おいらに気付いた?

「ニャア~。」

虎次郎は低く鳴いておいらにご挨拶?

「こんにちは。どこ行くの?」

虎次郎は目を細め、ニッと笑ってショウ君を見、スタスタと歩き出す。

着いて来なって言ってる?

おいらとショウ君は顔を見合わせ、塀の上の虎次郎に着いて行く。

虎次郎は塀づたいに角を曲がって、塀の終りで道に飛び下りる。

大きな体なのに軽やかに降り立つ虎次郎。

……カッコいい。

なんで重さがないんだろ?

あんなに大きいのに!

膝かな?

体の柔軟性?

尻尾を揺らしながら歩く虎次郎は、すっごく頼もしく見えて……。

やばっ。

おいら惚れ直しちゃいそう。

ショウ君がギュッとおいらの手を握る。

「今、あの猫に惚れちゃったでしょ?」

ショウ君の目が不審そうに細くなる。

「え?あ……。」

なんでわかったんだろ?

ショウ君て超能力者?

「でも、カッコよくない?あんなに大きな体なのに、

 シュタッて飛び降りるんだよ?

 おいら達だったら、3階から飛び降りるくらいの高さで!」

「そりゃ、カッコよかったけど……。」

面白くなさそうに口を尖らせるショウ君が可愛い。

おいらはその唇の先をチョンと突っつく。

「そんな顔しなくても、相手は猫だよ?」

「それはわかってるんだけど……、

 なぜか俺の中の危険信号がピコンピコンいってる。」

危険信号って!

やっぱりショウ君に虎次郎の話はできないなって思った時、

虎次郎が小さな公園に入って行く。

「……公園?」

「こんなとこにあったんだね……。」

ショウ君も知らなかったのか、周りを見回してる。

住宅街の中にポツンと造られた公園。

ブランコと小さな遊具が三つくらい。

鉄棒もある。

後は、時計の柱と水飲み場。

それだけの小さな公園。

親子連れが二組、遊具で遊んでる。

虎次郎は人に臆することなく、のっしのっしと歩く。

満開の頃はみんなを楽しませたに違いない桜……もう葉桜だけど。

虎次郎はその根元を縫って、コブシの下で立ち止まる。

虎次郎の視線の先には……。

え?子猫?

小さな黒い猫が、おいらとショウ君を見て、ミャア~と鳴いた。

マー君とこのサトシ君よりもずっと小さい。

「ショウ君……。」

ショウ君も戸惑った表情で、うんとうなずく。

また子猫がミャアと鳴く。

おいら達は顔を見合わせ、虎次郎を見る。

虎次郎は大きな欠伸をし、のっそのっそとどこかに戻って行く。

おいら達にこの子猫を助けろって言いたいの?

虎次郎の大きなお尻に声を掛けたかったけど、子猫の鳴き声に振り返る。

子猫は大きな耳をピンと立て、頼りなさげにちょこんと座る。

その姿が可愛らしい。

思わず子猫の前にしゃがみ込む。

大きな瞳が潤んで見える。

不安そう。

「ショウ君……。」

ショウ君を見上げると、ショウ君もおいらの隣にしゃがみ込む。

「どうしよう……?」

「そうだね……。」

おいらとショウ君は子猫を見つめて途方に暮れる。

子猫が動く度、首の赤い鈴がチリンと鳴った。










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