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愛と勇気とチェリーパイ(5人)

愛と勇気とチェリーパイ #19 上

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今日は開店と同時にお店にGO!

だって、せっかくの休日!

ため込んだ日頃のストレス、早く解消したくって!

いつもの様に、重い樹の扉を開ける。

ギィっと少し音がして、寒い外とは違って、あったかい風が流れてくる。

それと一緒に……わかるかなぁ?

イケメンの匂い!があたしを包む!(笑)

低くカランとドアベルが鳴って、最初に振り返ったのは、ニノちゃん。

「あ、いらっしゃい。今日は早いね?」

店の中にはまだお客さんもいなくって、開店したばっかりって感じで、

お客さんがすぐ来るって思ってないような、ちょっと気の抜けた感じがする。

「開けたばっかりよ?お姉さんが一番!」

可愛い顔で笑うニノちゃんに、あたしの疲れが溶けていくのがわかる。

ああやっぱり、何がなくてもイケメンは必須!

「どうする?今なら選び放題よ?」

ニノちゃんが、両手を広げて、クルッと回る。

え?選び放題って……隣に座るイケメン、選んでもいいの?

うふふ。ホストじゃないんだから、それはないよねぇ?

やっぱ席のことだとは思うけど、でも、ここは……。

あたししかいないし!

「じゃ、今日はニノちゃんで!」

ニノちゃんは一瞬驚いた顔をして、でもすぐにニコッと笑う。

「かしこまり!」

ニノちゃんが恭しく手を腰に当てて礼をする。

いやん♪

そんな風にされたら、あたしの疲れ、1/3くらい消えちゃう♪

ニノちゃんにエスコートされて、カウンターの席に着く。

いつもの席。

でも、いつもはしないのに、今日は椅子まで引いてくれる。

「誰もいないからね?特別大サービス!」

「じゃ、あたしもドンペリ入れちゃおっかな?」

「ドンペリ入りました!」

ノリのいいニノちゃんはカウンターの中に向かって叫ぶ。

なんだろ?と思ったJがカウンターの奥から顔を出す。

「あれ?今日は早いね?」

「うん。早くここのコーヒー飲みたくって。」

コーヒーよりイケメンだけど。

「ごめん、アイバ君、ちょっと出ちゃってるんだよ。

 すぐ戻るけど。」

「いい、いい。大丈夫。」

ニノちゃんが置いたお冷に口を付けると、Jが何か思いついたみたいにニコッと笑う。

「お腹空いてない?」

「空いてるかも。朝食べないで来ちゃったから。」

「待ってて。今何か作ってくるから。」

「あ、いいよ。気にしないで。」

「今日は一番のお客様に特別サービスする日なの!」

そう言いながら、Jがキッチンに戻ってしまう。

隣で見ていたニノちゃんもクスッと笑う。

「そうそう、今日は一番のお客様にサービスする日だから。」

「ほんと?」

「ほんとほんと。お姉さん、ラッキー。」

ニノちゃんも、お冷のお代わりを注ぐと、

「ちょっと待っててね。」

って、仕事に戻って行く。

一人で店内を見回して……。

店長、今日は来るかな?なんて思いながら頬杖をついていたら、

カランと音がして、ドアが開く。

アイバ君かな?と思って振り返ると、蝶ネクタイを弄りながら入ってきたのはショウ君。

「あれ?いらっしゃい。珍しい。ずいぶん早いですね。」

イケメンスマイルで近づいてくるショウ君に、ドキッと心臓が鳴って、

あたしの疲れがまた溶けていく~。

「今日は特別。」

特別疲れがたまってるので~、人がいない方が、萌えが見つかるかと思いまして、

なんて言えない!

あたしを見ながらショウ君が隣に立つ。

「すみません、コーヒーは少しお時間が……。」

「ああ、さっき聞きました。でも、今日は特に用事もないから大丈夫。」

用事はここに来ることです!

とも言えない。

「そうですか?僕でよければコーヒー淹れますけど……。」

ショウ君がカウンターに回ろうとすると、ニノちゃんが走ってきて、ショウ君の腕を掴む。

「ダメダメ。ショウさんのコーヒーなんて飲んだら、救急車呼ぶことになっちゃうよ!」

「……救急車?」

あたしが首を傾げると、ムッとしたショウ君が逆にニノちゃんの腕を掴む。

「それは言い過ぎだろ?」

ちょっと捲った袖から見えるニノちゃんの腕。

白い~っ!

そこらへんの女子より白い!

それを握る男らしいショウ君の手、指!

やばい。

相当疲れてるのか?

これだけでも充分萌える!!

「だからね、人には得意不得意があるんだから、

 コーヒーはアイバさんに任せておけばいいのよ。」

「でも、それじゃお姉さんを待たせるから……。」

「そこは、Jがなんとかしてくれるから。」

「ジュンが?」

ショウ君が首を捻り、ニノちゃんがニッと笑うと、カウンターの奥からJが出てくる。

「お待たせ~。」

Jの手が、あたしの前に皿を置く。

「うわぁ~!何?これ!」

「エッグベネディクト。美味しいから食べてみて。」

なんか、作り物みたいで可愛い。

色合いも丸っとした感じも女子が好きそう。

ニノちゃんがナイフとフォークを持って来てくれて、さっそくナイフを入れてみる。

ふんわり柔らかい卵が割れて、黄身がトロリと溶けだして。

う~ん!これだけで美味しそう!

一口分に切り分けてパクッ。

ジワッと口の中に広がる柔らかさ。

「お、おいひぃ~♪」

なんだろ?柔らかくってほんわかしてて、でも濃厚なの!

マフィンがソースと黄身を吸ってて、柔らかいんだ。

ベーコンの触感としょっぱさ、トマトのフレッシュさがいい具合に絡んでる!

付け合わせのポテトも美味しい!

「よかった。マフィンに卵とベーコンを乗せて、

 オランディーヌソースを掛けただけなんだけど、美味いよね?」

あたしはうんうんと首を振る。

隣で見ていたショウ君が、あたしのお皿を覗き込むように顔を近づける。

「ふぅん、いいね。見た目も可愛いし、今度メニューで出してみる?」

「いいけど、オレ、基本パテシエなの、覚えてる?」

Jが、手で頬を掻くように、片頬を引き上げる。

「ん~、忘れてた!」

ショウ君が笑って、俺も賄いで食べたいと言い出して。

ニノちゃんもそれに乗っかって。

ああ、笑ってるだけでもいい!

イケメンの笑顔はあたしの活力!

でもね、あたしは見逃さないよ。

ニノちゃんが、笑いながらショウ君の腕に絡みつくとこ!

チョイチョイってJが指で呼んで、ショウ君の耳に内緒話してるとこ!










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