「ふたりのカタチ」
ふたりのカタチ(やま)【201~ 】

ふたりのカタチ (216)

 ←ふたりのカタチ (215) →ふたりのカタチ (217)


お食事会の会場はすでに賑わってて。

バイキング形式らしく、テーブルとイスはあるけど、

料理は各自で好きな物を取って行くみたい。

サーブはないんだね。

まずはご挨拶……。

キョロキョロと会場内を見回すと、SHOさん達の周りに人だかりができてる。

少し人が少なくなるのを待つ?

そう思ってショウ君を見上げると、ショウ君も小さくうなずく。

「あ、大野さん。」

通りかかった安彦先生に声を掛けられ、ショウ君と一緒にご挨拶。

CMの話や映画の話をしてると、監督さんがやってきて……。

気付けば、衣装さんやらカメラマンさんもやってきて、どんどん輪が大きくなる。

監督さんがこの映画の苦労話を面白おかしく話し始めると、

さらに人が集まって……。

「さすが監督だね。話が面白い。」

カズも隣にやってきた。

「カズ!」

「SHOさん達、後30分くらいで行っちゃうらしいから、話すなら今のうちですよ。」

おいらはチラッとショウ君を見上げる。

「話したいんだろ?次、いつ会えるかわからないんだから、行っといで。」

ショウ君が仕方ないなぁって顔で、優しく笑う。

「うん!」

おいらは少し人の減ったSHOさん達の所へ行き、話に加わる。

と言っても、黙って輪に入っただけだけど。

でも、話を聞いているおいらの隣にSATOSHIさんがやってきて、

ふにゃっと笑って話しかけてくれた。

「一緒にいたマネージャー、大野さんの……。」

「ショウ君?うん、おいらのパートナー。」

「パートナー……。」

SATOSHIさんが難しい顔をする。

「もう、届けも出したから……。」

「届け?」

「パートナーとして、認めてもらうための。」

「……そっか。」

SATOSHIさんが、チラッとSHOさんを見る。

SHOさんの両隣には、楽しそうに笑う人達がいて。

「SATOSHIさんも……。」

おいらが言い掛けると、訝しそうな顔でおいらを見るSATOSHIさん。

「SHOさんから聞きました……。」

「SHOから……。」

「はい。」

少し寂しそうなSATOSHIさんに、おいらは笑ってみせる。

「おいら達も大変でした。幸い、友達には恵まれてましたけど、

 両親を説得したり、親戚に挨拶に行ったり……。

 おいら達は二人でいられれば、それで十分なんだけど……。

 二人のことだけど、二人だけのことでもない。」

「うん……。」

「だからきっと……SATOSHIさん達も大丈夫だと思いますよ。

 どんな未来を選んでも。」

「……そうかな?」

「全世界の人に認めてもらえいたいわけじゃないでしょ?

 全員って思ったら難しいと思うけど、

 きっと応援してくれる人もいっぱいいると思うから。」

「…………。」

SATOSHIさんは黙ってSHOさんを見つめて……。

「ずっと……。」

言葉少なにしゃべりだす。

「ずっと一緒にやってきた……。これからも、ずっと一緒に……いたいと思ってる。」

「……うん。きっとSHOさんも同じ気持ちですよね。」

「……どうかな?」

「そこ、疑ったらダメでしょ?」

「んふふ。そうだね。」

SATOSHIさんが笑って、愛おしそうにSHOさんを見つめて……。

きっと大丈夫。

おいらも心から応援しようと思った。



SHOさん達が次の仕事に向かうと言って挨拶してる時に、

田村さん、類さん、亀梨さんも会場にやってきた。

「あっちは片付いたんですか?」

「いやぁ、まだまだ。でも手下にお願いしてきたから。」

田村さんが意地悪そうに笑う。

手下って、部下のことでしょ?

あ、もしかして、失敗ばかりしてる後輩かな?

「任せることも仕事のうち。」

類さんがすまして言う。

「そうそう。いつまで経っても一人前にならないんじゃ困るからね。」

田村さんは近くのテーブルからビールを取って、類さんと亀梨さんに注ぐ。

「そういう意味じゃ、花沢さんは楽ですよね?

 新しい会社でも、すでに育った後輩がいる。」

田村さんがチラッと亀梨さんに視線を投げると、亀梨さんが恥ずかしそうに笑う。

「いや、そんなことないですよ?類さんから見たら、俺なんて……。」

亀梨さんが注がれたグラスをちょっと持ち上げて、乾杯の形を取る。

二人もグラスを持ち上げ、グイッと喉に流し込む。

三人の喉仏が上下に動いて、ビールが喉に入って行く。

え?じゃ、亀梨さんの上司って……。

「あ、すいません。」

ポケットから携帯を取り出して、着信を確認した亀梨さんが、

携帯片手に場を抜ける。

その後に入るようにショウ君がやってくる。

「まだかかるかと思ってました。」

爽やかに笑って、持ってたグラスを二人に当てる。

類さんのグラスからは、素早く離したけど。

「いや、業者も来るからね。後は後輩に任せて来ました。」

豪快に笑う田村さんに、ショウ君も釣られて笑う。

「いいですねぇ、使える後輩がいて。」

「いやぁ、それがなかなか……。」

二人が後輩の話を始めると、類さんがおいらに目配せする。

ん?なんだろう?

「この後……少し時間ありますか?」

「時間……ですか?」

おいらが首を傾げると、すばやくショウ君が入って来る。

「ありません!」

そのタイミングと言い方に、田村さんと類さんが笑う。










関連記事
スポンサーサイト



 関連もくじ一覧 ▼ 
総もくじ 3kaku_s_L.png a Day in Our Life
総もくじ 3kaku_s_L.png Kissからはじめよう
総もくじ 3kaku_s_L.png Step and Go
総もくじ 3kaku_s_L.png 果てない空
総もくじ 3kaku_s_L.png タイムカプセル
総もくじ 3kaku_s_L.png Hello Goodbye
総もくじ 3kaku_s_L.png season
総もくじ 3kaku_s_L.png 夏の名前
総もくじ 3kaku_s_L.png Welcome to our party
総もくじ 3kaku_s_L.png Deepな冒険
総もくじ 3kaku_s_L.png 三日月
総もくじ 3kaku_s_L.png WONDER-LOVE
総もくじ 3kaku_s_L.png 時計じかけのアンブレラ
総もくじ 3kaku_s_L.png みんなと作ったお話
総もくじ 3kaku_s_L.png 大人の童話
総もくじ  3kaku_s_L.png a Day in Our Life
総もくじ  3kaku_s_L.png Kissからはじめよう
総もくじ  3kaku_s_L.png Step and Go
総もくじ  3kaku_s_L.png 果てない空
総もくじ  3kaku_s_L.png タイムカプセル
総もくじ  3kaku_s_L.png Hello Goodbye
総もくじ  3kaku_s_L.png season
もくじ  3kaku_s_L.png Sunshine
もくじ  3kaku_s_L.png 五里霧中(5人)
総もくじ  3kaku_s_L.png 夏の名前
もくじ  3kaku_s_L.png Troublemaker(5人)
もくじ  3kaku_s_L.png Crazy Moon(5人)
総もくじ  3kaku_s_L.png Welcome to our party
総もくじ  3kaku_s_L.png Deepな冒険
もくじ  3kaku_s_L.png 花火(やま)
もくじ  3kaku_s_L.png miyabi-night(5人)
もくじ  3kaku_s_L.png ZERO-G
もくじ  3kaku_s_L.png 復活LOVE(やま)
総もくじ  3kaku_s_L.png 三日月
総もくじ  3kaku_s_L.png WONDER-LOVE
総もくじ  3kaku_s_L.png 時計じかけのアンブレラ
総もくじ  3kaku_s_L.png みんなと作ったお話
もくじ  3kaku_s_L.png Believe
もくじ  3kaku_s_L.png コスモス
もくじ  3kaku_s_L.png つなぐ
総もくじ  3kaku_s_L.png 大人の童話
もくじ  3kaku_s_L.png 智君BD
もくじ  3kaku_s_L.png ブログ
もくじ  3kaku_s_L.png ティータイム
もくじ  3kaku_s_L.png BORDER
【ふたりのカタチ (215)】へ  【ふたりのカタチ (217)】へ
  • TB(-)|
  • CO(-) 
  • Edit
  • 【ふたりのカタチ (215)】へ
  • 【ふたりのカタチ (217)】へ