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「ふたりのカタチ」
ふたりのカタチ(やま)【201~ 】

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「今の誰?」

振り返ると、東山さんの後ろ姿を目で追うショウ君で。

「前に京都で会ったことあるんだ。」

東山さんの姿が見えなくなると、もう片方の肩にもショウ君の手が乗る。

ショウ君はジロジロとおいらを隈なく見回し、最後にじっとおいらを見つめる。

「ショウ君?」

おいらが首を傾げると、真剣な顔のショウ君の手が、ぎゅっとおいらの肩を掴む。

「サトシ。」

「ん?」

「ああいう人、タイプでしょ?」

「タイプ……?」

「イケメンで、仕事ができて、頭が良さそうで。」

おいらがさらに首を傾げると、ショウ君の眉間に皺が寄って行く。

「スマートで、頼りがいがありそうで、手の上でコロコロ転がしてくれそうな人!

 俺ですら、サトシと握手してるのに、出て行けないくらいのオーラがあって……。」

あ、見てたの?

てか、イケメンで仕事ができてって……自分もだって気付いてる?

「俺より相当歳も上だよね?どこかのIT企業の社長とか?

 チェーン店のオーナーとか?

 どんな仕事してもできそうな感じだよな。

 取引先なら、すぐに企画書書いて持って行くよ。

 あの人に認められたいって俺でも思う。」

眉間の皺どころか、眉尻まで下げて、情けない顔のショウ君が、

ぎゅっとおいらを抱きしめる。

「それでも!この世で一番サトシを愛してるのは俺だから!

 男として絶対無理な相手でも、戦いを挑むよ!

 サトシを渡すわけにはいかない!!」

な、何を言ってるの

「ショ、ショウ君?」

「サトシ~っ!」

苦しいくらいに抱きしめられて、手をバタバタさせるけど、

それでも離してくれないショウ君。

「ショ、ショウ君!お客さんが見てるから!」

「ああ、サトシに貼っておきたい!

 これは俺のです!売約済みって!

 さすがに人のものには手を出さないだろ?

 いや、逆にその方が手を出したくなる?」

「ショウ君っ!」

おいらは両手をショウ君の腕に掛け、思いっきり引き離す。

「ショウ君、何言ってるの?」

「誘われたでしょ?今の人に?」

「見てたの?」

ショウ君の顔がみるみる泣き顔みたいな顔に変わっていく。

「やっぱり誘われたんだ~っ!」

また抱き着こうとするショウ君の腕を掴む。

「ちゃんと見てなかったの?」

ショウ君は怒られた子供みたいに項垂れて、口を尖らす。

「声までは……聞こえなかった……。」

そんなショウ君が可愛くて、おいらはクスッと笑う。

「聞こえてればわかったのに。誘われたけど、ちゃんと断ったよ?」

「ほんとに?」

「うん。仕事なら断れないけど、プライベートはちゃんと断るから安心して?」

「ほんとにほんと?」

そんなにおいら信用されてない?

「信じてくれないの?」

「何度も言うけど、サトシを信用してても、周りは信用してないから。

 それに、最近のサトシの色気はハンパないから……。」

ショウ君が、上目遣いでいやらしい顔をする。

「そ、それは……。」

おいらもちょっと頬が熱くなる。

「ショウ君のせいじゃん。」

「俺のせい……?」

「今日の朝だって……。」

「サトシ……。」

ちょっと機嫌の直ったショウ君が、おいらの頬に手を添える。

「はいはい。そろそろ控室に戻ってもらえますか?

 見てて恥ずかしくなってきますよ?」

突然の声に振り返ると、あきれ顔した類さんがいて。

ショウ君の顔付きが変わる。

「櫻井さんはどうやって入ったんです?まさかまた……。」

ショウ君がニヤッと笑って名刺入れを取り出す。

類さんが受け取った名刺を見てみると……。

マネージャー櫻井ショウの文字が……。

「え?いつの間に作ったの?」

「こんな時の為にね。」

「こんなの作らなくても、ちゃんと受付の人には言っておいたのに。」

ショウ君が、ニヤッと笑って、名刺入れを内ポケットにしまう。

「これで、突然でも対応できる。」

「じゃ、言っておかないといけませんね。」

類さんが、名刺をピッと指に挟む。

「嘘をついてタレントに会いに来る輩がいるから、

 くれぐれも名刺くらいで信用するな……と。」

類さんとショウ君の視線がぶつかる。

「俺のは嘘じゃないからな。」

「サトシさんがそれを許してるんですかねぇ?」

「サトシは認めてくれるさ、なんせ、愛し合ってるからな!」

「それはどうでしょうね?今はそうかもしれませんが、

 この先どうなるかわかりませんよ?

 誰にも、未来のことはわからない。

 櫻井さんより魅力的な人が現れたら、

 あなたにサトシさんを引き留める権利はありません。」

「俺とサトシの愛は永遠に不滅だ!」

「全てのカップルがそう思って付き合ったり結婚したりしますけど、

 どれくらいの確率で別れてると思います?」

「俺とサトシには無縁な話だ。」

「現実になるのが楽しみです。」

「る、類さん!」

二人の勢いに押されていたおいらが割って入る。

「忙しいんじゃないんですか?」

ハッと気づいた類さんが、名刺をしまって、おいらの腕を掴む。

「そうでした。もう控室に戻ってください。」

ショウ君が、類さんの腕を跳ね除けて、おいらの腰に手を回す。

「さ、サトシ、行こうか?敏腕マネージャーと一緒に。」

わざとらしく決め顔で笑うショウ君に、ムッとした類さんが、ショウ君の腕を跳ね除ける。

「こっちです。サトシさん。このマネージャーじゃ、

 会場の内部はわからないですからね。」

「だ、大丈夫です。おいら、ちゃんと控室確認したし……。」

おいらが話してる間も、おいらの後ろで小競り合いを続ける二人……。

大の大人が子供みたいで……。

やっぱり二人は気が合うんじゃないかと思う。

だって、ケンカするほど仲がいい……だもんね。










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