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花火(やま)

花火 27話 ~ やま ~

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耳が真っ赤になって、必死で顔を隠そうとしてる。

「ね?智は?智は俺のこと好き?」

また耳元で囁いて、今度こそ智の返事を待つ。

待つ……。

待つ………。

待つ…………?

「智……?寝ちゃった……?」

「ね、寝るか!こんな状態で!!」

裸で重なり合ったままの俺ら。

「でも、ベッドの上だし……。」

「翔君感じながらなんて……寝れるわけないじゃんっ!」

「え?ほんと?」

「……そうだよ。」

「じゃさ、じゃぁさ、言ってよ。

 俺のこと好きって。」

「い、言えるかっ。」

「エッチ始める時は言ってくれたじゃん。」

「それは……あそこではああ言うしか……。」

え?待って!?

それは、ヤレるなら嘘でも好きって言っておけって、男の嘘!?

「さ、智は……俺の体が目的!?」

上半身を上げ、智の顔を覗き込む。

「ば、ばかっ!んなわけねぇだろ!?」

「じゃ、なんでさっきはよくて今はダメなの!?」

「そ、それは……。」

智が顔を隠して黙り込む。

「やっぱ、体か……。」

「ちげぇって!」

智も上半身を持ち上げて振り返る。

「い、言えるか。ばか。」

言葉とは裏腹な、その顔が全ての答え。

頬を染め、はにかんだ智は、色気もにじませてるのに、

それでも好きだとは言ってくれない。

「言ってよ。俺、言われたい!」

「わ、わかるだろ……言…わなく……ても……。」

「ダメだよ。そういうのは、ちゃんと言葉に出さないと!

 昔の武士じゃあるまいし。」

「おいら、武士になる!」

「ならなくていい!」

なんでそんなに言うの嫌がるかな?

ここまできて、疑ってるわけじゃないよ?

たとえ“みたい”って言われたって、

智は俺のこと好きだって、体中で感じたから。

でも、でもね。

ちゃんと言われて安心したいじゃん?

もし、仮に、万が一!

智は俺を好きじゃなかったらなんて……。

1%でも可能性を残したくない!

「なんでそこまで、言うの嫌がるかなぁ。」

俺は上半身から力を抜いて、智の背中に体重を乗せる。

「なんでそこまで言わせたいのか、おいらにはわかんねぇ。」

「安心したいじゃん?」

智がびっくりした顔で振り返る。

「こんなにヤッて、まだ心配してんの?」

「だって……、智、みたいって言ったじゃん?」

「へ?」

あ~あ、智、自分の言ったことすっかり忘れてるよ。

「俺のこと好きみたいって言ったの!

 みたいなんて付けるから……。」

「い、いいじゃん、それくらい付いても、意味は変わんないんだし……。」

智が小さな声でブツブツ言う。

「変わるから!補助動詞が付いたら、100%じゃなくなっちゃうんだよ?

 “みたい”なんだから、違う可能性も現れちゃうんだよ!?」

「おいらにはちょっとわかんない……。」

智が俺の下から逃げようとするのを両手でぎゅっと捕まえる。

「だから……言って?」

耳元で囁くと、智の体がビクッと揺れる。

俺の声に感じるのは……本当みたい。

じっと床を見つめてる智。

「一度でいいから……言って?お願い……。」

智を優しく抱き込んで、顔が見えるよう、智の上から横にずれる。

向き合って、智の顔をじっと見つめる。

智も床から俺に視線を移す。

「智……。」

智はちょっと口を尖らせ、上目遣いで俺を見て、

聞こえるか聞こえないかくらいの声でつぶやく。

「一度しか……言わないからな……。」

「う、うん、いいよ!」

喜ぶ俺を見て、智が視線を逸らす。

「すき……だ…よ……。」

頭のてっぺんから肩まで赤くなった智の言葉に、俺の頭の中で花火が上がる。

ヒュ~ゥ~~~~、ドッカ~~~ンっ!

た~ま~~や~~~!

あの海の最後の花火みたいな大きな花火。

色鮮やかで、明るくて、キラッキラの花火。

思わず、思いっきり智を抱きしめ、唇を押し付ける。

「ん、んんっ、しょ…ぉ……。」

「俺、今の言葉、一生忘れない!」

智が俺を見てクスッと笑う。

まだ赤い顔のままで笑う智は可愛くて……。

俺のがニョキッと智の腹に挨拶する。

「え……翔君、また……?」

「俺の愛は永遠です!」

呆れたように笑う智に、もう一度キスをする。

「俺ら……付き合ってるんだよね?」

「そうだよ。何を今さら……。」

男女の恋愛とは違うから……。

一つ一つが新鮮で不安。

智の気持ちも確かめたいし、これでいいのか不安にもなる。

俺の唯一のよりどころが花火のジンクスだなんて、

智、思ってもみないでしょ?

「ね……。」

智のおでこにおでこをくっつける。

「ん~?」

「もっかい……する?」

智が笑って、俺の鼻をペシッと叩く。

「ヤリすぎ!」

「今の喜びを体で味わいたい!」

智を見つめながら、智の背中をツーッと撫でる。

ビクンと体を揺らす智。

「智だって……。」

智がその気になるように、精いっぱい色っぽい流し目を智に送ると、

智がクスッと笑う。

「でも、次はおいらの番だから!」

そうだった!

そうなると……ヤル気みなぎる、俺のは……。

「仕方ねぇなぁ。イカしてあげるから。」

智が俺のをギュッと握った。

それと同時に尻の肉が引っ張られる。

「翔君さ、こっち、向いてるよ。いくらでもイケるじゃん?

 こっちだったら!」

智がニッと笑う。

ああ。

今晩は、違った花火が見れそうじゃね?

目の前がチカチカするやつ!

でも俺、わかった。

智が他に目移りしない為に必要なのは、努力とテクニックだけじゃない!

ヤラれるのもヤルのも、どっちも気持ちいいとかんじられるような、

そんな大きな愛……だよね?










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