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「大人の童話」
15th moon(やま)

15th moon ⑯

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「……今日が最後だね。」

「……智……。」

翔は寝転びながら、智の肘を撫でます。

智はそれがくすぐったくて、少し肘を引きますが、それでも翔の手から離したりしません。

それくらい、翔の指は優しく智の肌を撫でるのです。

「翔ちゃんの故郷ってどんなとこ?」

優しく笑う智に、翔が変な顔をします。

「……智は、俺に帰って欲しいの?」

翔の指が、智の肘の薄皮を摘まみます。

「そんなわけないよ……でも、帰らなきゃ……いけないんでしょ?」

智が寂しそうに笑うと、翔は智から手を離し、頭の下に両手を入れます。

「そうでも言わないと……帝は引き下がってくれそうになかったからね。」

「翔ちゃん……。」

智が首を傾げて翔を見つめます。

まさか……翔はいなくなることはない……?

微かな希望に、智の瞳が揺らぎます。

「俺がARA18から来たって言うのは本当。」

翔は智の腕を引っ張り、自分の腕に智の頭を乗せます。

「ちょっと内乱があってね、正室の子供じゃない俺があそこにいると、

 いろいろ面倒なことがあって……最後には、罪を着せられそうになって、

 身を隠すことになったんだけど……。」

智には、翔の言ってることがよくわかりません。

「新しい星でやっていくには、その星の文化や宗教、

 言葉や環境も学ばなければいけないから、

 子供になるのが一番手っ取り早かったんだよ。

 子供なら、何もしなくても、周りが教えてくれるし、

 知らないことが当たり前だから。」

翔の指が智の髪を梳きます。

「成長速度はこことは全然違うみたいでびっくりしたけど。」

翔は笑って智の頬をくすぐります。

「この星くらい遅かったら、大人になる確率、低いんじゃない?」

やっぱり翔の言うことはよくわかりませんが、

子供は大人より、危険にあっても対処できないので、智は小さく頷きます。

「そうだよね……。だから子育てが手厚いんだね。」

翔は智とのこれまでを思い出し、クスッと笑います。

過保護なまでに、智は翔を大事に大事に育てました。

可愛い可愛い翔ちゃん。

そう言って、育ててくれました。

「いろいろあったけど、ここに来たおかげで智に会えた。」

智の額に唇を当てます。

「最高の快感も味わえた。」

翔の手が智の背中を滑ります。

「あ…ん……。」

智の吐息が翔の首筋にかかり、翔の奥を疼かせます。

「星にいた頃は、こんな快感、感じたことなかったんだよ。」

「翔ちゃ……。」

智の手も翔の耳の後ろを撫でます。

「吐きだせば、それなりの快感が得られるから、それで満足してた……。

 でも、本当の快感って……違うんだね?」

翔の唇が智の瞼を掠めます。

「ん…ぅんっ……。」

翔は唇で智の鼻筋を摘まんでいきます。

「今夜……迎えが来る……。」

やっぱり翔は帰ってしまうのか……。

そう思うと、智の閉じた睫毛がじんわり潤みます。

翔はそれを舌先で拭うと、智を抱き寄せます。

「それまでずっと……繋がっていたい……。」

二日二晩、やりっぱなしでした。

それでも飽くことなく、翔の精は尽きません。

智はだるい体に鞭打って、翔に腰を押し付けます。

「翔ちゃんが……そう思うのが、これから先も俺だけなら……。」

星に帰ってしまったら、きっと自分のことなど忘れてしまう。

翔くらいカッコ良ければ、引く手数多です。

すぐに恋人もできるでしょう。

本気じゃなくていい。

嘘でもいいから、自分だけだと言って欲しかった。

智は潤んだ瞳で翔を見上げます。

翔はたまらなくなって、ギュッと智を抱きしめます。

「もちろん……、誓うよ。

 俺が交(まぐ)わるのは智だけ……。

 智も……俺だけに……、智の声は俺だけに……。」

翔の熱い息が、智の耳たぶを熱くします。

翔の言葉が、智の内を熱くします。

「俺の声は……翔ちゃんだけ……。」

翔の手が、智の背中を這いまわり、なだらかな丘をギュっと掴みます。

「ぁあんっ……。」

指が肉を割り、翔の固い物が、智を固くします。

尽きることのない欲求も、今日で最後です。

翔の唇が、智の胸をねちっこく摘みます。

「あっ、いぁっ!」

もう止めてと、何度叫んでも止めてくれなかったその跡は、

赤くぷっくり腫れ、痛いくらいです。

それでも舌先で遊ばれれば、智の奥は疼きます。

攻められて攻められて、智の声は艶を増していくのです。

「ぁあ……あぁ~っ!しょっ……しょちゃ……。」

智が翔の名前ばかり呼ぶようになると、翔は満足したように笑います。

「俺を忘れないように……忘れられないように……、

 刻み付けておくからね。

 俺だけを見て、俺だけを感じて、俺だけを求めて……。」

「しょ、しょぉちゃ……。」

智に大きな楔が打たれます。

もう違和感などありません。

ぴったり収まるパズルのように、智と翔は繋がります。

「しょお~っ!」

智の高い声にビブラートがかかります。

綺麗な声です。

透き通るような声です。

さらに、半音上がる時には、艶と色気が漂います。

「しょお、しょお……ぁあ…んっ。」

小さく刻む時には、初々しさと軽やかさが加わります。

智の体が、ふるふると快感に震え始めると、

声がどこまでも伸び、広がりを見せます。

翔はこの時の智の声が大好きです

「もっと……もっと声、出して……。」

智を促すように、翔の腰がグラインドします。

「ぁあ~っ!しょおっ!……んっ、しょぉちゃあ~っ……。」

一際大きく、智の声が伸びます。

家の外をグルッと輪を描いて囲っていた帝の軍勢が、一斉に唾を飲みました。

声だけでイケそうなほど、兵士達も一緒に感じていたのです。










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