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「テ・アゲロ」
テ・アゲロ the twins (5人)

テ・アゲロ  the twins ⑧ -38-

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「お前、ほんと、性格悪いな?」

「性格?」

「あれで結構いい奴なんだぞ?」

大野は櫻井に抱きかかえられながら、衣服を直していく。

「ふふふ。無料でこんな大人の授業受けられたら、大喜びなんじゃない?」

「まぁ、あいつなら……大喜びだろうな?」

グッとボトムを引っ張り、素早くベルトを締め、ジッパーを上げる。

両足に力を込めると、櫻井の腕が離れて行く。

「あぁ、ちょっとシャワー浴びたいけど、こんな時間じゃダメか?」

櫻井も自分の衣服を直していく。

「あっちに水場がある。井戸水だから冷てぇか?」

大野が水場の方に歩いて行く。

母屋の裏手に、昔は洗濯等に使われていたであろう水場がある。

大野はそこに向かって歩き始める。

「……シャツで拭きゃいいか?」

大野がそう言ってシャツを脱いでいると、ジャリッと足音が近づいてくる。

二人が振り返ると、そこに立っていたのは、まだ顔を赤くしたままの有岡だ。

「どうした?夜は怖くて外に出られないんじゃなかったか?」

大野が、ふふんと笑う。

「こ、怖さも忘れてました……。」

二人に向かってタオルを差し出す。

「風呂、まだ入れますよ。」

「風呂かぁ、めんどくせぇな。」

大野はタオルを受け取り、櫻井を見る。

「入った方がいい。風邪引くし、何よりあなたはその方がいいでしょ?

 今日はゴム付けてないし。」

櫻井が優しく笑う。

「うっ、そうだった。」

笑い合う二人を見比べ、有岡が溜め息をつく。

「素敵でした……。濃厚なラブストーリーを見てるような気分でした。」

「ら、らぶすとぉりぃ?」

大野が面食らったように目をパチパチし、有岡がにっこり笑う。

「はい!」

「おめぇ、何言ってんだ?」

「飛び散る汗も、大野さんの声も、素敵な効果とBGMでした。

 櫻井さんの、攻める中にも愛に溢れた言葉……。

 思わず、自分のを握り締めて、イッちゃいそうでした!」

呆気にとられた二人が顔を見合わせる。

「素敵です!俺も……いつかあんなHができるように精進します!」

「お前……本当にばかだな?」

大野がつぶやくと、櫻井が堪えきれずに、あははと笑い出した。

「ね?大喜びだったでしょ?」

「だな?」

大野が首を竦めると、その視野の先に小さな石が浮かび上がる。

まるでお墓のように小さく土が盛ってあるその上に、苔の生えた石が乗っている。

大野がじっとそれを見ていると、それに気づいた有岡が、あぁと、大野の前に歩み出る。

「あれは父さんが中学生くらいの頃、野犬に襲われて……。

 叔父さんと一緒になんとか逃げたらしいんですけど、

 二人が必死で抵抗したせいで、犬は死んでしまったらしくて。

 その犬のお墓です。」

大野は振り返って櫻井を見る。

櫻井も小さくうなずく。

「神社で育ってるし、感受性が豊かだったんでしょうね。

 自分達が殺してしまったことも……。

 しかたないのにね?

 野犬なんかに襲われたら、無我夢中で、手加減なんてできるわけないのに……。」

「そうだな。襲われたんなら、確かにそうだ。」

大野はズンズンとその石の前まで歩いて行く。

石の前でしゃがみ込み、小さく手を合わせる。

「大野さん……。」

有岡も隣に並ぶ。

「父さんも……たまにそうやって、石をじっと見て……泣いてました。

 俺にも、決して後悔しないように、考えて行動しろと……。

 思春期の俺にはうるさいだけでしたけど。」

有岡が笑って、手を合わせる。

「じゃ、俺らはシャワー浴びてくるか?」

大野が振り返ると、櫻井がうなずく。

「母ちゃんはどうした?」

有岡がクスッと笑う。

「心配しなくても、もう寝てます。

 突然風呂場に行ったりしないから大丈夫ですよ。

 それとも……俺も……混ぜて…くれますか?」

有岡が、期待するように、上目遣いで大野を見上げる。

「ばぁか。混ぜるか!」

「え~!ぜひ実地で教えて欲しいのに~!」

櫻井がクスクス笑いながら、有岡の肩を叩く。

「君には今までの復習で十分。

 俺達の粋に達するには、まだまだ経験が必要だね。」

「は!師匠!師匠のおかげで素晴らしいものが見れました!

 これからもご指導ご鞭撻、よろしくお願いします!」

「うむ。では、このまま自室へGO!」

櫻井が腕を振ると、有岡はクルッと踵を返し、小走りで戻って行く。

「まるで犬だな?」

「なかなか躾がいがありそうだよ?」

櫻井が大野の背に手を添える。

「それで……あいつを呼んだのか?」

「呼んだんじゃないよ。逢い引きするならどこがいい?って聞いただけ。」

櫻井はクスクス笑いながら大野の背中を押す。

二人連れだって、勝手口から母屋に入る。

「そりゃ、あいつが見に来るわけだ。」

ニヤニヤ笑う櫻井は、大野の腰に手を回す。

「さて、続きはバスルームかな?」

「ばか、すぐ出んぞ。」

「そんなこと言ってもhoneyの体は正直だから……。」

櫻井の指が背骨を撫でる。

大野の背中をゾクッと電気が走る。

「やめれっ。それより、まだ報告、聞いてないぞ。」

大野が真顔で櫻井を睨む。

「ああ、それは……バスルームで……。」

櫻井に促され、大野がバスルームに入ると、櫻井は後ろ手で扉を閉めた。










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