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Don't stop(いろいろ)

Don't stop ~ にのあい+死神 Ⅳ ~

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「誕生日ってなんですか?」

死神がいつもの、本棚の上で首を捻っている。

「え?急にどうしたの?」

「いえね、最近、どこに行っても二宮さん、お誕生日おめでとうって…。」

「ああ、誕生日っていうのはこの世に生を受けた日。

私が生まれた日のことですよ。」

私は床に座ってゲームをしながら死神の話を聞く。

「なるほど。でもそれはあまりめでたくはありませんね?

 私のお迎えの方がよっぽどめでたい。」

「はは…。まぁ、そういうこともあるかな?」

いつの間にか死神は私の隣に降りてきて、体育座りでこっちを見ている。

「どうしたの?」

私はゲームから目を逸らさずに聞いてみる。

「でも、私はあなたに会えてよかった。

…ということは、やっぱり、お誕生日おめでとうなのかもしれない。」

私はあははと笑った。

この真面目な死神は、こうやって人間に染まっていくんだろうね。

きっと、死神としては相当な落ちこぼれ…。

大丈夫なんだろうか?とちょっと心配になる。

あと43年、しっかり見守ってもらわないと…。



玄関がいきなり騒がしくなった。

ゲームをしながらでもわかる。

靴を脱ぎ、ドタドタとリビングへやってくる。

「ニノ~!」

相葉さんは死神とは逆の、私の左側に膝を付き、私を両手で抱きしめる。

「ちょ……じゃまっ!」

私は体を死神の方に寄せる。

「今日は、俺が夕飯作るからっ!待っててねっ!」

「相葉さんが?…大丈夫?」

「まかしといて!」

そう言って相葉さんはキッチンに消えていった。

「彼は本当にあなたが大好きなんですね。」

死神はおもむろに、私を両手で包み込む。

「…どうしたの?」

「彼の気持ちになりたくて…。」

「どうして?」

「…楽しそうだから?」

「あはは。相葉さんはいつでも楽しそうだよ。」

死神はそのまま私を抱きしめ続けた。

「どう?楽しい?」

「人肌と鼓動が心地いいですね…。ずっとこうしていたくなります。」

私も死神の冷たい肌が心地よかったから、ゲームの邪魔ではあったけれど、

ちょっと笑って受け入れた。

しばらくして相葉さんがやってきた。

「はい。ここ、いるでしょ?死神!」

相葉さんは死神がいるところを手で払って自分が座った。

驚いた死神が宙に浮く。

「勘が働くようになりましたね…。」

私はくくっと笑った。

「なに?俺の悪口!?」

「違いますよ?死神が成長したなって。」

「当たり前だよ。油断できないからね。」

相葉さんは宙をきょろきょろと目で威嚇する。

「ご飯…できたんですか?」

「そうそう、できた。できた。来て。」

相葉さんはひゃっひゃっひゃと笑いながら、俺を連れて行く。

ダイニングのテーブルの上には、どうやったら食べきれるの?と

聞きたくなるような大量の餃子。

その餃子の上にハッピーバースデーのロウソク。

「これ、俺が握った餃子。」

「握る?」

「ニノの誕生日の為に親父に教えてもらったの。だから、本格的だよ~。」

相葉さんはにっこり笑ってどうだと言わんばかり。


「相葉さん、餃子は握るじゃなくて、包む…。」

「いいから、いいから。」

相葉さんはロウソクに火をつけていく。

餃子の上のロウソクは、なんだかオドロオドロしい。

死神はその光景を宙に浮かんでみている。

相葉さんがハッピーバースデーを歌いあげると、死神がポツリと言った。

「お誕生日って、あんまりめでたくなさそうですね…。」



二人でたらふく餃子を食べた。

相葉さんの餃子は、不恰好だったけど、とっても美味しかった。


「相葉さん、ありがとう。」

私がにこりと笑うと相葉さんが私のおでこにキスをする。

「俺の愛情感じてくれた?」

相葉さんは私の顔中にキスの雨を降らせる。

「相葉さん、くすぐったいから…。」

「ニノ、好き、大好き。」

「ふふふ。そんな餃子臭い口で言われても…。」

「二人で臭いから大丈夫でしょ?ね?ダメ?」

相葉さんは自分の匂いを嗅ぎ始める。

私はあははと笑った。

すると、宙に浮いていた死神が降りてきた。

「今日は他の仕事が入っているので、行って来ます。」

そう言ってウィンクした。

「あ、お誕生日おめでとうございます。…来年は私が餃子を作りますね。」

死神は宙に浮かぶと、どこかに消えていった。

「どうした?死神?」

「うん。他の仕事があるから、行くって。おめでとうって。」

私は宙に向かって微笑んだ。

餃子じゃなくって、ハンバーグだって教えてあげないと。

相葉さんは私の背中に手を回し、耳元で囁く。

「31歳、お誕生日おめでとう。ニノ。」

「ありがとう。」

「これからの誕生日もずっと一緒にお祝いしようね。」

相葉さんが私の唇に唇を重ねた。

いつもよりも、もっと優しくて、男らしいキス。

「あ、相葉さん、ベロになんかついた……ニラ!」

相葉さんはひゃっひゃっひゃと笑って、私の手を引いた。

二人並んで洗面所で歯磨きする。

口に泡をつけて歯磨きする二人が、鏡に映ってる。

その姿は、なんか可愛くて、幸せそうで…。

私は相葉さんに向かって笑いかける。

「どうひたの?」

相葉さんが泡を飛ばしながら、こっちを見る。

私は相葉さんの頬にキスした。

頬に泡でキスマークができる。

「ニノ!泡っ!」

二人で顔を見合わせて笑った。

こんな誕生日も悪くないね。

でも、来年も、再来年も、二人で並んで鏡に映りたいなんて、

絶対口に出しては言わない。

相葉さんが調子に乗るから!

来年は死神と祝ってるかもしれないしね!







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