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「短編」
短編(いろいろ)

Shake it! 中 ~ いちご ~

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曲が終わって、はぁはぁと荒い息を吐いて。

ホッとしたように男が笑う。

さっきまでの色気はどこへやら。

まるで子供みたいにふにゃっと笑う。

胸の奥がギュッとして、腹の奥がズクッと疼いて……。

俺は思わず男の手首を掴む。

きょとんと俺を見上げるそいつの手を、グッと引っ張って出入り口に向かう。

「潤っ!」

遠くでトーマの声がしたけど、俺はそれどころじゃない。

今すぐこいつとヤリたくて、取りあえず、歩きながら一番近いホテルを頭の中で探す。

「ど、どこ行くの?」

俺に着いてくる縺れそうな足。

「ホテル。」

転びそうになりながら、俺に引っ張られる男の足が、グッと踏ん張る。

反動で、俺の体が後ろに傾く。

出入り口付近で立ち止まるそいつと俺。

「え?いや?」

「ホテル行って、どうするの?」

怪訝そうに俺を見上げる顔は、柔らかそうなほっぺが可愛い。

「どうするって……ホテルでやることなんて、一つでしょ?」

肩を上げてウィンクする。

「平気なの?……あ、その……男同士で……。」

下を向くそいつは踊ってた時とは別人で、ビクビクと自信がなさそう。

「あんたは平気だろ?男誘う匂い、プンプンしてる。」

下を向いててもわかるくらい、耳までカッと赤くなって、俺の手を振り解く。

「ふざけるな!」

「ふざけてないよ。あんただって感じたでしょ?」

俺はそいつの胸を、指先でトンと叩く。

顔を上げたそいつはびっくりしてて。

「ここも。」

指をツーッと下へずらす。

ベルトを通り越して、ジッパーで止める。

「感じなかった?」

男は何も言わず、また俯く。

「いいじゃん、やろ?」

「やろって……おいら、付き合ってる奴いるし……。」

「なんだ、彼氏持ち?」

「彼氏って……。」

男は顔を上げ、俺を見て、首を振る。

「彼氏がいるのに、一人でこんなとこで踊ってんだ。遊ぶ気ありでしょ?」

「ちが……。」

「違わないよ。あんたのダンスは俺を誘った。

 俺はそれに乗っかった。それでいいじゃん。」

俺はまたそいつの手を握る。

今度は手の平を、グッと掴んで外へ出る。

「ま、待って!」

「待てない。」

俺は素早く手を上げる。

オレンジのタクシーが俺の前で止まる。

ドアが開いても、なかなか乗ってくれないそいつを無理やり押し込む。

急いで隣に乗り込んで、タクシーを走らせる。

こういうのはテンポが大事。

「お、おいら……。」

まだウダウダ言ってるそいつの顔を、じっと見つめる。

その顔はFAKE?

俺を誘う手口?

実は誘われてるのは俺?

「あんただって感じたんでしょ?ビート!」

「……ビート?」

「それでいいじゃん。俺と一緒にビートに乗ろう?」

ベッドの上で。

観念したのか、そいつが笑う。

「……ふふふ、おもしろいね。」

「何が?」

男が顎で俺を示す。

「俺?」

「うん、どうしたらそんな風になれる?」

俺は考えてる振りして片頬を上げる。

「ん~、想いのままに感じれば……いいんじゃね?」

俺が笑って首を傾けると、そいつも何を感じたのか笑い声を上げる。

「……おいらも、感じたい。想いのまま……。」



そうして、俺達はベッドの上に座って向き合ってる。

近場の安ホテル。

趣味が良いとは言えないパープルのシーツの上。

膝立ちで、食べるようなキスをして、シャツを袖から外す。

「ん、んんっ……。」

舌を絡めながら服を脱ぐのは難しい。

何が引っかかってるかわからないから。

クチュッと音をさせ、一瞬離れる唇。

それを追って、口ごと甘噛みする。

「んふふ、ぁんっ。」

そいつの唇は弾力があって、柔らかくって。

俺のビートがどんどん高鳴って行く。

ふざけるように逃げるそいつを追って、体だけ、覆いかぶさるようにキスを続ける。

さて、最後のTシャツはいつ脱ごう?

そんなことを考えながら、貪る唇は気持ちよくって、ゾクゾクする。

タイミングが見つからず、仕方なく体を離して、一気にTシャツを脱ぐ。

乱れた髪を、ブルブルっと振って、両手で撫でつける。

「んふふ。綺麗だね……じゅん。」

「何?俺のこと知ってんの?」

両手で両肩を優しく押さえる。

このまま押し倒そうと思ったら、そいつもTシャツを頭からスポッと外した。

「あの店で、呼ばれてた。」

「ああ、聞こえてたんだ。あんたは?」

「おいら……?」

そいつは魅惑的な笑みを浮かべて笑う。

乱れた髪までセクシー。

「ここんとこ、ずっと一人で踊ってたんでしょ?なんで?」

ほどよい筋肉の乗った体。

細く見えてたけど、意外と筋肉質。

抵抗されたら、まじ、無理かも。

「……一人で踊りたかったから。」

その二の腕を、筋肉を確かめるように撫でる。

「彼氏と……ケンカ?」

男がゆっくり首を振る。

「ケンカにもならない。」

吸い付くように重なる唇。

下唇で、そいつの唇を上下に撫でる。

プルッと俺の唇が弾けて、それを甘噛みするそいつの唇。

「どうして……?」

唇を合わせながらしゃべると、くすぐったくてゾクッとする。

「忙しくて……会う時間もない……。」

チュッと吸い上げて、舌先で歯列をなぞる。

「あ……。」

漏れる吐息もセクシー。

そいつの指が、俺の肩を撫でる。

近づく体。

お互いの熱が伝わって来る。

「大事にされてないの?」

「そんなこと……ない。」

見上げる男の瞳が、ゆらゆら揺れる。

思ったより長い睫毛に、引き寄せられる。

ギュッと抱きしめて、深く唇を合わせる。

舌全体を根元まで絡めて、唾液の音をさせ、奥へ奥へと入って行く。

そいつの舌も、俺を求めてる。

重なった胸から、ドクドクと早いビートが伝わって来る。










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