FC2ブログ

「みんなと作ったお話」
Waiting for you(やま)

Waiting for you ⑨

 ←Waiting for you ⑧ →Waiting for you ⑩


「……暑苦しい。」

サトシは冷ややかな目で俺を見つめる。

「え?」

俺がびっくりしていると、さらにサトシが言う。

「地上人は熱いな。いつもこんなに熱いのか?」

「い、いつもじゃないよ。慣れないとこに来たから……。」

サトシが、ふむと首を傾げる。

「それに、みんながみんな熱いわけじゃない。」

サトシを抱きしめてるから熱いんだよ。

わかれよ!

「翔が特別に熱いのか?」

サトシは抱きしめられたまま、俺の両腕を見る。

「僕も……地上に行ったら熱くなりそうだな。」

「そんな簡単に熱くなったりしないから!」

サトシは不満そうに俺を見上げる。

簡単に俺みたいに熱くなられたら……。

俺は想像して何度も首を振る。

ダメだ、ダメだ。

サトシが熱い目で見つめたら、誰だって……。

「では……なぜ、翔は熱い?なぜ、首を振る?」

「それは……。」

言えない。

言ったら終わりだ。

「それに……なぜ、そんなに心臓の音が早い?病気か?」

俺はパッと両手を離す。

「ご、ごめん……。」

「これが、触れたいと言うことなのか?」

「そ、そうだよ……。」

その通りだよ!

俺はサトシに恋してるから!

「心臓が音を立てていたのも、熱いのも?」

ニヤッと笑って、サトシが部屋の中へ入って行く。

「んっ!」

なんだよ!

わかって言ってんのかよ!?

「早く来い!」

呼ばれて、慌てて部屋に入る。

なんか俺……遊ばれてる?

サトシは振り向くことなく部屋の中央にあるベッドまで来ると、

上着の紐を外し始める。

サトシの部屋はシンプルで、ベッドと、小さな机、椅子、クローゼット。

それだけしかない。

壁の白に合わせたのか、家具は全て白く、

一通り見回して、ふと目に留まったのは机の上の青いノートだけ。

サトシの服よりやや濃い青で、地底の文字なのか?

それらしき記号が書いてある。

サトシは袖の飾りを外しながら、振り返る。

「翔も脱げ。」

「え?」

「脱げ。」

「ぬ、脱げ?なんで?」

俺は言葉のインパクトに、動揺を隠しきれない。

ベッドの前で脱げって、それ……。

「脱がないのか?地上人は。」

サトシはどんどん飾りを外していく。

「え、まぁ、脱ぐけど……、今?」

「今脱がなくて、いつ脱ぐ?」

サトシは笑って、上着を床に落とす。

俺はびっくりする。

サトシは下着を着ていない。

直接上着を素肌に着ていたのだ。

筋肉質な上半身を前に、目のやり場に困る。

「僕は疲れた。少し寝るが、翔はどうする?」

「え?あ……。」

言われて改めて気づく。

そうだ。俺が来たのは夜だ。

もう寝る時間のはずだ。

「お、俺も……。」

「だったら脱げよ?服を着たままベッドになんか入ったら、叩き落とすからな。」

サトシはそう言って、ズボンらしきものもストンと床に落とす。

「わっ……。」

俺は驚いて顔を背ける。

案の定……サトシは下も……履いていない。

「え?あ、俺も……全部?」

恐る恐る聞いてみると、真っ裸のサトシがベッドのシーツを捲る。

「当たり前だ。地上人は服を着て寝るのか?

 変わってるな。」

サトシはベッドに入ると、俺が入れるように半分空けてくれる。

「か、変わってるかな……。」

俺は頭を掻いて、どうしたもんかと考える。

ここは、郷に入れば郷に従え?

でも、実際会うのは初めての初対面の相手と……。

最初っから裸でベッドって言うのも……。

「早くしろ。触れ合いたいんだろ?触りたい放題じゃないか。」

サトシが怒り気味にそう言って、ゆっくり目を閉じる。

え?触られるのを期待してる……?

サトシの背中は微動だにしない。

ははは、そんなわけないか。

俺も……仕方なく?

服を脱ぎ始める。

ヨ、ヨコシマな気持ちじゃない。

ここの文化に倣っただけで……。

そうだ。文化だ!カルチャーだ!

俺は自分に言い分けしながら、全裸になると、サトシの隣に滑り込む。

冷たいシーツの奥に、サトシの仄かな温かさを感じ、カァーッと体が熱くなる。

そりゃそうだよ。

好きな相手と裸でベッドの中にいるんだから!

ならないわけない!

「翔、うるさい。」

「え?俺、なんか言った?」

ヤバイ!

思ったこと、しゃべってた?

サトシがチラッと俺を見る。

「お前の心臓がうるさい。」

サトシは俺に背を向け、シーツに包まる。

「あ、ごめん……。」

俺は慌てて深呼吸を繰り返す。

早くこの心臓、鳴り止ませないと!

俺がどうにかなっちゃうよ。

スーハ―、スーハ―、深呼吸を繰り返していると、サトシが振り返る。

「熱いのも、心臓も……恋のせいなのだろう?」

サトシがじっと俺を見つめる。

「そ、そうだよ。」

俺はやけくそになって答える。

「では、この……。」

サトシが俺の右手を取って、自分の胸に当てる。

手の平にサトシの肌が当たってドキッとする。

「僕の心臓がドキドキするのも、恋なのか?」

サトシの心臓が、ドクドクと大きな音を立ててあばらを押し上げる。

サトシも……俺を?

「サトシ……。」

俺はサトシを残った手で抱き寄せて言う。

「………………。」










関連記事
スポンサーサイト






 関連もくじ一覧 ▼ 
総もくじ 3kaku_s_L.png a Day in Our Life
総もくじ 3kaku_s_L.png Kissからはじめよう
総もくじ 3kaku_s_L.png Step and Go
総もくじ 3kaku_s_L.png 果てない空
総もくじ 3kaku_s_L.png タイムカプセル
総もくじ 3kaku_s_L.png Hello Goodbye
総もくじ 3kaku_s_L.png season
総もくじ 3kaku_s_L.png Sunshine(やま)
総もくじ 3kaku_s_L.png 五里霧中
総もくじ 3kaku_s_L.png 夏の名前
総もくじ 3kaku_s_L.png Welcome to our party
総もくじ 3kaku_s_L.png Deepな冒険
総もくじ 3kaku_s_L.png 三日月
総もくじ 3kaku_s_L.png 時計じかけのアンブレラ
総もくじ 3kaku_s_L.png 大人の童話
総もくじ 3kaku_s_L.png みんなと作ったお話
総もくじ  3kaku_s_L.png a Day in Our Life
総もくじ  3kaku_s_L.png Kissからはじめよう
総もくじ  3kaku_s_L.png Step and Go
総もくじ  3kaku_s_L.png 果てない空
総もくじ  3kaku_s_L.png タイムカプセル
総もくじ  3kaku_s_L.png Hello Goodbye
総もくじ  3kaku_s_L.png season
総もくじ  3kaku_s_L.png Sunshine(やま)
総もくじ  3kaku_s_L.png 五里霧中
総もくじ  3kaku_s_L.png 夏の名前
もくじ  3kaku_s_L.png Troublemaker(5人)
もくじ  3kaku_s_L.png Crazy Moon(5人)
総もくじ  3kaku_s_L.png Welcome to our party
総もくじ  3kaku_s_L.png Deepな冒険
もくじ  3kaku_s_L.png 花火(やま)
もくじ  3kaku_s_L.png miyabi-night(5人)
もくじ  3kaku_s_L.png ZERO-G
もくじ  3kaku_s_L.png 復活LOVE(やま)
総もくじ  3kaku_s_L.png 三日月
総もくじ  3kaku_s_L.png 時計じかけのアンブレラ
もくじ  3kaku_s_L.png つなぐ(やま)
もくじ  3kaku_s_L.png 白が舞う
総もくじ  3kaku_s_L.png 大人の童話
もくじ  3kaku_s_L.png Happiness(やま)
もくじ  3kaku_s_L.png 智君BD
もくじ  3kaku_s_L.png ティータイム
もくじ  3kaku_s_L.png ブログ
総もくじ  3kaku_s_L.png みんなと作ったお話
もくじ  3kaku_s_L.png コスモス(5人)
もくじ  3kaku_s_L.png 夏疾風(やま)
もくじ  3kaku_s_L.png STORY
【Waiting for you ⑧】へ  【Waiting for you ⑩】へ
  • TB(-)|
  • CO(-) 
  • Edit
  • 【Waiting for you ⑧】へ
  • 【Waiting for you ⑩】へ