FC2ブログ

「ふたりのカタチ」
ふたりのカタチ(やま)【181~200】

ふたりのカタチ (182)

 ←テ・アゲロ  the twins ⑧ -23- →ふたりのカタチ (183)


「それでも発表しようと思うなら、やればいい。」

「ショウ君……。」

ショウ君はじっとSHOさんを見つめたまま。

「あなたにとって、何が一番大事で、何が一番やりたいことなのか。

 その為に全てを犠牲にしてもいいと思えるくらい……。

 それが発表することなら、やればいいと思いますよ。」

SHOさんは黙ってショウ君の言葉を聞いてる。

「俺は……サトシが受け入れてくれるなんて、全く思っていなかった頃、

 ほとんど自暴自棄みたいな時期がありました。」

ショウ君が自暴自棄?

いつのことを言ってる?

「女は性欲処理機みたいに扱って……本当にどうしようもない男でした。」

ショウ君が自嘲するように笑う。

そんなの、おいらだって……。

諦めなきゃいけないのに、諦められなくて。

捨てなきゃいけない想いなのに、捨てられなくて……。

でも、思い続けたから、今がある。

捨てられる想いじゃなかったから、周りも認めてくれるようになった。

「サトシが受け入れてくれてからも、いろいろありました。

 サトシに、自分を蔑むようにはなって欲しくなかったから、

 少しずつ、認めてもらえるように努力しました。

 サトシのお父さんに認めてもらうのは……大変でしたよ。」

ショウ君が笑うと、SHOさんも微かに頬を歪める。

きっと、ショウ君の必死な姿を想像して、自分に重ねてるんだ。

「お父さんの気持ちもわかるから。

 それを否定するのではなく、俺らの気持ちも否定せず……。」

「そう……。誰かが間違ってるという問題じゃない。」

SHOさんがやっと口を開く。

「そうです。人の気持ちは……意識して変えられるものじゃない。

 誰かの指図通りに、できるものでもない。」

SHOさんがうなずく。

でも、だからって、周りを傷つけていいわけじゃない。

「お父さんが言ってました。一生認める気はないって。」

ショウ君がはにかんだように笑う。

父ちゃんは認めないと言いながら、おいら達が一緒にいることを許してくれた。

「それでいいと思っています。認めてくれなくても、

 俺達が一緒にいることを、知っていてくれればそれでいいって。

 一緒にいることが、俺達の幸せなんだってこと。」

「ショウ君……。」

あの時のことが思い出されて、目頭が熱くなる。

本当に、なんていい男を好きになったんだろうと思って。

なんてショウ君は大きい男なんだろうと思って。

おいらは間違ってないって、心の底から思えた瞬間。

「だから……急がなくていいんじゃないですか?

 今、その人と一緒にいられるんでしょう?」

SHOさんがうなずく。

「一緒にいられるなら、今はそれで十分じゃないですか?

 誰も……二人のことを知らないわけじゃないでしょう?」

「ああ……メンバーと……一部のマネージャーは知ってる……。」

「その輪を……すこしずつ広げていけばいいんじゃありませんか?

 無理をせず、少しずつ。」

うん、そうだね。

何も急ぐことはないよね。

少しずつ、少しずつ、自分達の笑顔がどこにあるのか、周りに知ってもらえれば。

SHOさんを見上げると、SHOさんは手を口に当てて、考え込むように俯いてる。

「いつか……ファンにも……理解してもらえるかな?」

「もちろん!」

おいらが叫ぶ。

「相手が男でも女でも、ショックはショックだろうけど、

 でも、好きになった人なんだって、ずっと一緒にいたい人なんだって、

 わかってもらえる時が来ると思う。

 むしろ、メンバーなら、逆に安心してくれる人もいるかもしれないし。」

「そう……かな?」

「うん。おいら、SHOさんのファンだけど、いつか誰かに取られちゃうんなら、

 メンバーで、ずっとSHOさんを見ててくれてる人の方がいい!」

「大野さん……。」

SHOさんがおいらの手を取る。

「うん、きっと。だから、焦らないで。

 おいら達なんて、幼稚園から一緒だけど、

 想いが通じたの、30になってからなんだから。」

「え?」

SHOさんが驚いてショウ君を見る。

ショウ君もうなずいて、おいらの手からSHOさんの手を払う。

「ショ、ショウ君!」

おいらがメッと睨むと、不満そうに口を尖らす。

「サトシ……SHOさんに相手がいたらショックなんだ……。」

ショウ君……。

だから、それはおいらがファンとして返事しただけで……。

おいらが困ってSHOさんを見ると、SHOさんがクスッと笑う。

「ふっふっふ。愛されてますね、大野さんは。」

たまに、やり過ぎな時もあるけど……。

うん、愛されてます!

「ショウ君……おいらがさっきSHOさんに言った言葉、もう忘れちゃった?」

ショウ君を見上げると、ショウ君が怒ったように言う。

「忘れるわけないだろ。」

おいらの手を握って、おいらを見つめるショウ君。

「人生の……パートナー。」

おいらは大きくうなずく。

「そうだよ。人生のパートナー。だから、ドシッとしてて。

 サトシは俺のもんだって顔で、ふんぞり返ってて。」

「サトシ……。」

「おいらはショウ君の。だから、手が触れたくらいで慌てなくて大丈夫。

 第一、今のはそういう意味じゃなかったでしょ?」

「そ、そうだけど……。」

「ね?」

おいらが首を傾けてショウ君を見上げると、ショウ君はウ~って唸って、

おいらの肩に両手を掛ける。

「わかった!ドシッと構えられる男になる!」

「うん!」

おいら達を見て、SHOさんが、クックックと笑う。

「これは……、俺も大野さんに惚れそうですよ。」

「SHOさんっ!」

おいらが叫ぶのと同時に、おいらの体はショウ君に抱き込まれた。










関連記事
スポンサーサイト






 関連もくじ一覧 ▼ 
総もくじ 3kaku_s_L.png a Day in Our Life
総もくじ 3kaku_s_L.png Kissからはじめよう
総もくじ 3kaku_s_L.png Step and Go
総もくじ 3kaku_s_L.png 果てない空
総もくじ 3kaku_s_L.png タイムカプセル
総もくじ 3kaku_s_L.png Hello Goodbye
総もくじ 3kaku_s_L.png season
総もくじ 3kaku_s_L.png Sunshine(やま)
総もくじ 3kaku_s_L.png 五里霧中
総もくじ 3kaku_s_L.png 夏の名前
総もくじ 3kaku_s_L.png Welcome to our party
総もくじ 3kaku_s_L.png Deepな冒険
総もくじ 3kaku_s_L.png 三日月
総もくじ 3kaku_s_L.png 時計じかけのアンブレラ
総もくじ 3kaku_s_L.png 大人の童話
総もくじ 3kaku_s_L.png みんなと作ったお話
総もくじ  3kaku_s_L.png a Day in Our Life
総もくじ  3kaku_s_L.png Kissからはじめよう
総もくじ  3kaku_s_L.png Step and Go
総もくじ  3kaku_s_L.png 果てない空
総もくじ  3kaku_s_L.png タイムカプセル
総もくじ  3kaku_s_L.png Hello Goodbye
総もくじ  3kaku_s_L.png season
総もくじ  3kaku_s_L.png Sunshine(やま)
総もくじ  3kaku_s_L.png 五里霧中
総もくじ  3kaku_s_L.png 夏の名前
もくじ  3kaku_s_L.png Troublemaker(5人)
もくじ  3kaku_s_L.png Crazy Moon(5人)
総もくじ  3kaku_s_L.png Welcome to our party
総もくじ  3kaku_s_L.png Deepな冒険
もくじ  3kaku_s_L.png 花火(やま)
もくじ  3kaku_s_L.png miyabi-night(5人)
もくじ  3kaku_s_L.png ZERO-G
もくじ  3kaku_s_L.png 復活LOVE(やま)
総もくじ  3kaku_s_L.png 三日月
総もくじ  3kaku_s_L.png 時計じかけのアンブレラ
もくじ  3kaku_s_L.png つなぐ(やま)
もくじ  3kaku_s_L.png 白が舞う
総もくじ  3kaku_s_L.png 大人の童話
もくじ  3kaku_s_L.png Happiness(やま)
もくじ  3kaku_s_L.png 智君BD
もくじ  3kaku_s_L.png ティータイム
もくじ  3kaku_s_L.png ブログ
総もくじ  3kaku_s_L.png みんなと作ったお話
もくじ  3kaku_s_L.png コスモス(5人)
もくじ  3kaku_s_L.png 夏疾風(やま)
もくじ  3kaku_s_L.png STORY
【テ・アゲロ  the twins ⑧ -23-】へ  【ふたりのカタチ (183)】へ
  • TB(-)|
  • CO(-) 
  • Edit
  • 【テ・アゲロ  the twins ⑧ -23-】へ
  • 【ふたりのカタチ (183)】へ