「ふたりのカタチ」
ふたりのカタチ(やま)【161~180】

ふたりのカタチ (171)

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SHOさんは、類さんにも挨拶して、部屋を出て行った。

イケメンの残り香は、やっぱりいい匂い。

目の前にいた時は、輝き具合に圧倒されちゃったけど、匂いも相当よかったみたい。

見送った類さんが、おいらのとこにやってくる。

「お疲れさまでした。この後は……?」

「ショウ君と待ち合わせ。」

おいらが笑うと、類さんもにっこり笑って、背中に手を添える。

「慣れない対談で疲れたでしょう?

 櫻井さんに疲れてるってちゃんと言うんですよ。

 あの人、夢中になると周りが見えなくなりそうだから。」

意味深に笑う類さん。

「だ、大丈夫。ショウ君はおいらを大事にしてくれるから。」

「それはわかってるんですけどね……。

 今日のサトシさんは、誰が見てもそそられるオーラがあるから、ちょっと心配で。」

オ、オーラ?

そそられるオーラっていったい何?

そう言えば、さっきSHOさんもそんなこと言ってたような……。

「取りあえず、サトシさん、一人の写真もちょっと撮らせてください。

 使うかどうかはわからないですけど……。」

「……わかりました。」

類さんに指示されて、ソファーに座って数枚と本棚の前で写真を撮られた。

使うかどうかわからないって言ってたのに、類さんの指示は細かくて……。

やっと終わった時には、ドッと疲れが押し寄せて来る。

慣れないことはするもんじゃないね?

結構時間経ってるかもと思ったけど、ショウ君の待ち合わせ時間には間に合いそう。

おいらは急いでメイクを落とす。

落としてくれるって、女の人が言ってくれたけど、

これくらいは自分でできるからって、お断りした。

女の人も忙しそうだったから。

「あ、サトシさん?」

類さんが、カメラマンさんと話した後にやってくる。

「記事の内容、できたら連絡します。

 写真、使うかもしれないし。」

「わかりました。」

鏡の前で、顔を拭きながら類さんを見上げる。

「さっき……連絡先、もらったでしょ?」

え?類さん、見てたの?

見てたんなら、助けてくれればいいのに~!

「類さん!なんで声掛けてくれなかったの?」

おいらが頬を膨らませると、類さんは笑って、膨らんだ頬を突(つつ)く。

「だから、そんな顏しても、そそるだけだからね。」

類さんが、おいらの手からコットンを取って、おいらの顔を拭いてくれる。

「大丈夫……、自分でできるから……。」

類さんはクスッと笑って、頬の下の方を拭く。

「サトシさんが自分で落とすより、俺が手伝った方が早いですよ。

 櫻井さんと約束してるんでしょ?」

そうだけど……。

類さんが、おいらの顎を指で持ち上げる。

拭き残しがないか確認するように、黒目がキョロキョロ動く。

仕方なく、類さんに任せて、自分で顎を上げる。

残ってるとこを見つけたのか、類さんが新しくコットンにメイク落としを含ませる。

「SHOさん、櫻井さんに似てますよね。」

「やっぱりそう思う?だから、おいらファンなんだ。」

こめかみ辺りを拭かれながら、目玉だけで類さんを見る。

「SHOさんの好みも櫻井さんに似てるのかな……。」

類さんが楽しそうに笑う。

「俺なら、ちょっとくらいの遊びは大目に見ますけど、

 櫻井さんはそういうタイプじゃなさそうだから……。」

確かに、ショウ君はそういうタイプじゃない。

そういう実直なとこも、またショウ君のいいところ!

「サトシさんは大変だ。」

類さんはおいらの顎を拭って、にっこり笑う。

「SHOさんの連絡先、どうするんですか?」

「どうって……。」

言われても困るよ。

取りあえず、今日はありがとうございましたって、メールはしなくちゃいけないよね?

「櫻井さんの反応が楽しみだ!」

類さんは本当に面白そうに笑う。

反応って!

ちゃんとショウ君に見せるし、話すから大丈夫だよ。

仕事相手だもん。

ショウ君だって……。

ショウ君……心配する……?

おいらが感じたみたいに……ヤキモチ、焼いちゃったりする……?

それはそれで……ちょっと……嬉しいかも?

いやいや!

ショウ君に心配掛けちゃダメ。

でも、なんでも話すって言ったし……。

悩んでいたら類さんがクスッと笑う。

「ちゃんと話した方がいいですよ。櫻井さんみたいなタイプは、

 内緒にされるのをひどく嫌がるものだから。」

類さんにも、おいらが考えてることバレバレ?

……すぐ、顔に出ちゃうのかな……。

頬に手を当て、擦ると、類さんの手が伸びてくる。

「まだ終わってないんだから、触っちゃダメです。」

そう言って、手をギュッと握られて、膝の上に落とされた。

握られたまま、類さんはおいらの顔を拭っていく。

「まだ……終わらない?」

「もうすぐ終わりますよ……。

 少しくらい、俺にも手の感触、楽しませてください。」

「る、類さん!」

おいらが慌てて手を引っ込めると、また類さんが笑う。

類さん……完全に楽しんでる!

「SHOさんにたくさん握られてたでしょ?

 あんなに握手するSHOさん初めて見ましたよ。

 綺麗な女優さんにもそっけないって評判の人ですからね?」

またまた、そう言うこと言って楽しむんだから!

「その手には乗りません。類さん、楽しんでるだけなんだから。」

類さんはおいらの顔を念入りに見て、小さくうなずく。

「そんなことないですよ。サトシさんが……、

 もし、櫻井さん以外の誰かに慰めを求めることがあるなら、

 それは、俺ならいいなと思ってます。

 あの今をトキメクアイドルにだって、ちょっとしたジェラシーは感じてるんですよ?」

「うそばっかり。あんなに奥さんと仲が良くて?」

「そうです。男心は複雑なんですよ。」

類さんは、手にしていたコットンをゴミ箱に捨て、おいらの肩を叩く。

「ほら、待ち合わせに遅れますよ?」

おいらは慌てて壁に掛かった時計を確認する。

やばっ。急がなくっちゃ。










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