「ふたりのカタチ」
ふたりのカタチ(やま)【161~180】

ふたりのカタチ (161)

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「ショウ君……。」

おいらはショウ君に体を預け、その胸に頬を寄せる。

ショウ君の心臓の音。

ショウ君の力強い腕。

ショウ君……。

おいら、もうしばられてるよ?

がんじがらめ……。

他の人なんか見えないくらい、ショウ君にしか目がいかないし、

ショウ君の声なら、高架下でだって聞き分けられる。

ショウ君の姿なら、人込みでだって見逃さない。

だから……見つけちゃったんだよ。

ショウ君と後輩が歩いてるとこ……。

ショウ君の首に腕を回し、体を少し浮かす。

「どうした……?」

「どうもしない……ただ、もっとくっつきたくなっただけ……。」

「……うそつき。」

ショウ君が、ちょっと冷たい声で言う。

おいらはショウ君の肩から階段の下を見る。

一瞬、クラッとするような高さに見えるのに、ショウ君の腕の中だと安心感すら覚える。

うちの階段、結構急なんだ……。

歩いてると気づかないことに、ショウ君の腕の中だと気づく。

不思議。

高さが違うからもあるけど、それはほんの数センチ。

なのに、ショウ君の腕の中だと景色が違う。

ううん、腕の中だけじゃない。

一緒にいるだけで、それこそ、ベッドから見上げる天井まで違って見える。

首に回した腕に力を入れ、ギュッと抱き着くと、ショウ君の顔がおいらの方に向く。

「怖い?高さ。」

「怖くないよ……。ショウ君と一緒だもん。」

ショウ君がおいらのこめかみに唇を当てる。

「そうだよ。俺と一緒なら……。俺も、サトシと一緒なら、何も怖いものなんかない。」

ショウ君が微かに笑う。

自嘲するような笑いに首を傾げると、ショウ君が、今度ははっきりと笑顔になる。

「俺は、この階段、いつも怖いんだけどね?下りるとき。」

「んふふ。ショウ君、高いとこダメだもんね。」

「だから、下りるときは抱いてあげられないよ?」

「いいよ。おいらが抱いてあげようか?」

「……お願いしようかな?」

ショウ君がちょっと真剣な顔で答える。

「……後、10キロ、体重落としたらね?」

おいらが片目をつぶると、ショウ君が声を上げて笑う。

「やっぱり痩せてる方がいい?」

「そんなことないけど……健康の為には、あんまり太んない方がいいかも……。」

出張から帰ってきてから、ショウ君はメキメキと大きくなってる。

お腹の辺りが。

残業が減ったのと、安心したのとだと思うけど……。

元々太りやすいから、食事も気を付けた方がいいかもしんない。

太りやすいのは、おいらもだし。

すぐ顔が丸くなる。

……丸いショウ君は可愛いけど、おいらは……太らない方がショウ君好み?

ショウ君は寝室のドアを開け、ベッドの上においらを置く。

ダラリと、体の重みをベッドに預け、カーテンを閉めるショウ君をぼんやりと見る。

引きだしからローションを取り出し、クローゼットを開く。

「ショ……君?」

不思議に思って声を掛けると、ショウ君は振り返ってニッと笑う。

「縛ってあげるよ。身も心も……。」

ドキッとして、思わず上半身を起こす。

ショウ君の手には、細めの……ネクタイ?

濃い青地に赤と白のストライプのネクタイは、普通にショウ君が会社にしていくネクタイ。

え……?

ショウ君の手には、赤いネクタイがもう一本。

こっちは遊びに行く時用の、カジュアルなニットタイ。

ショウ君はベッドに寄って来ると、ローションの隣にネクタイを置く。

それでおいらを縛るつもり?

おいらがボォーッとそれに視線を合わせていると、

ショウ君の手が素早くおいらの服を脱がし始める。

「ショ……、おいら……。」

「いいから……。」

ショウ君が脱がせやすいように体を動かし、

それと同時に、ショウ君のシャツのボタンも外す。

肌蹴たシャツから見えるショウ君の肌が好き。

肉付きが良くなっても細い足と小さめのお尻も好き。

シャツを脱がすと、その胸に鼻を当て、すぅっと息を吸う。

ショウ君の匂いも……大好き。

コロンの匂いと汗の匂い。

それに混じってする、男の匂い……。

何て言うのかな……。

オスの匂いって言うのかな?

ちょっと獣のような、ワイルドな匂い。

「はぁ……ショ……。」

これだけでその気になれる……。

女の人はどうなんだろう?

ショウ君に裸で抱かれたら、抵抗できる人、いるのかな?

「ショウ……君……、おいら以外の前で裸になっちゃ……ダメ。」

「……わかった。」

ショウ君がにっこり笑う。

「裸で抱きしめても……ダメだよ?」

「そんなことするわけないじゃない。」

ショウ君の顔が楽しそう。

「この匂いも……嗅がせちゃダメ……。」

「嗅がせないよ……てか、嗅ぎたい人、サトシ以外にいるかな?」

「いるよ!だって……その気になる……匂い……。」

「下にいる時から、その気じゃない?」

ショウ君が、笑いながら、ゆっくりおいらをベッドに倒す。

「ショ……。」

期待と不安が入り混じる。

ただ、ショウ君を見つめてされるまま。

両手を頭の上で束ねられ、赤いネクタイで、ベッドフレームに結び付けられ、

露わになる体をもぞもぞさせると、ショウ君がニッと笑う。

たぶん、さっきと同じ笑顔。

なのに……エロく感じるのは、縛られてるから?










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