「ふたりのカタチ」
ふたりのカタチ(やま)【141~160】

ふたりのカタチ (159)

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「ショ、ショウ君が……誰かとキスするなんてやだ!」

「……大丈夫。もう二度とないから。」

翔君の手がおいらの頬に触れる。

産毛の上を、触るか触らないかで。

「ショウ君が……誰かの手を握るのも……。」

「そんなの、サトシ以外にする気はないね。」

「で、でも!握られちゃうかもしれないんでしょ?」

「それもないよ……実際、握られたことなんてないから。」

「ほんと?」

「ほんと。」

ショウ君が優しい顔でおいらを見つめてる。

太腿の当たりで、柔らかく手を握られて、

頬を撫でる手は、顎の辺りまで下がって……。

「寄り添って……二人で歩いてるの見た時、胸がぎゅぅってなった。」

ショウ君の手は、おいらの首筋を撫でる。

やっぱりそっと、触るか触らないかで……。

ゾクッとして、自分からショウ君の手に頬を当てる。

確かなショウ君の手の感触……。

温かくて優しい……。

「もう……そんなこともないよ。第一、寄り添ってなんか歩いてない。」

「よ、寄り添ってたよ。重なるみたいにして歩いてた。」

「それ、俺の後ろを歩いてたんじゃない?

 後ろからだから、距離感、わからなかったんでしょ?

 サトシ、俺がベタベタされるの嫌いなの、知らない?」

そう言えば……昔、ショウ君、触られるの嫌がってたかも……。

高校時代に付き合ってた彼女たちも、止めろって突き放されてたような……。

「お、おいらも……ベタベタしないように気を付ける……。」

全然気づかなかった。

おいら、結構ベタベタしてなかった?

これからは、気を付けよう……。

ついショウ君にくっついちゃうから……。

そう思って、握られた手を離そうとしたら、ショウ君にギュッと握られた。

「サトシはいいんだよ。気を付けなくても。」

ショウ君が笑う。

「サトシには俺からくっついてくんだから。」

「ショウ君……。」

嬉しくて、おいらの顔が崩れる。

そんなおいらの顔を、ショウ君の両手が包んで上を向かせる。

「後は?」

「あと……後は……。」

これ以上は、いくらいいって言われたって言えないよ……。

「いいから、言ってみて?」

本当にいいの?

チラッとショウ君を見ると、ショウ君がおいらを促すようにうなずく。

言うだけなら……いい?

子供の我が儘みたいだけど……。

おいらはスッと息を吸ってショウ君を見上げる。

「おいら以外に……笑い掛けないで……。」

ショウ君は笑って、おいらの頬にキスする。

「それから……。」

「おいら以外に……囁かないで……。」

「……囁く?」

ショウ君の唇が、耳たぶにくっついて囁くように言う。

息と熱さと唾液の音に、身震いしたくなる。

「ショウ君の声……みんな、その気になっちゃうから……。」

「囁くのなんて、サトシにだけだよ……。」

甘く優しい声……。

「おいら以外を……見ないで……。」

ショウ君の唇が、耳たぶの裏を通って、おいらの首筋を這う……。

「ぁ……。」

思わず漏れる吐息。

「サトシ以外……見てないよ……。」

ショウ君の声が掠れる……。

「はぁ…う……ショ……。」

首筋を通る、生温かさ。

そのすぐ後にくる冷たさ。

ショウ君が舌先で触れた軌跡……。

「おいら以外に……触らないで……。」

「……約束するよ……サトシ以外に触れない……。

 サトシ以外に微笑まない。

 サトシ以外に……話し掛けない……。」

襟元に顔を埋めていたショウ君が上目遣いで見上げる。

「サトシ以外を……愛さない。」

「ショ……。」

おいらは翔君を抱きしめる。

わかってる……。

ショウ君が……この先、おいら以外の誰かを……好きになるかもしれないこと……。

どんなに言葉を尽くしても、誰かを好きになったら全てなくなる。

おいら達がそうなんだから。

おいら以外、愛さないって約束したじゃない。

そう言ったって、好きになったら約束なんて、何の役にも立たない……。

それでも言って欲しい。

それでも言わせたい。

おいらだけだって。

おいら以外にないって。

鎖で縛るように……?

暗示をかけるように……?

子供だよ……。

子供だけど……これがおいらの本心……。

「ショ…君……。」

ショウ君の唇が、開いたシャツの間からおいらの胸を摘まむ。

筋肉の上の皮膚を引っ張って、チュッと吸い上げる。

「あ……んっ……。」

今、腕の中にいるショウ君は確かに実在してるのに、

胸についた赤い跡も、確かにそこにあるのに……。

ショウ君が誰かを好きになることを想像したせいか……。

不安で足がすくむ……。

ショウ君の唇が、胸の柔らかい場所を口に含んで……。

踏ん張っていたおいらの膝が、折れる。

抱きとめたショウ君が眉を下げて訝しそうにおいらを見つめる。

「なんて顔してるの……。」

ショウ君がおいらを力いっぱい抱きしめる。

「俺がここにいるのに……不安?」

……ショウ君にはお見通し。

きっとこの不安は、この先ずっとついてくる。

おいらがショウ君を愛しすぎたから……。

おいらが子供で、優しくないから……。

そして……ショウ君がイケメンだから!

「不安……だよ。だから、もっとぎゅっと……。」

ショウ君の首に腕を回して抱きしめる。

ショウ君も力いっぱい抱きしめてくれる。

気持ちを押し付けるように、唇を押し当てる。

すぐに絡まる舌と唾液。

相手を奪い尽くそうとするような激しいキスは、

ショウ君を飲み込んでしまいそうなほど、舌の根元まで絡んでいく。

溢れる唾液は、開いた口の端から零れる。

それに構ってはいられないほど、ショウ君の中へ、おいらの中へ……。

苦しそうに眉間に皺を寄せたショウ君が、おいらの尻を強く握った。

ガチャッと、皿がぶつかる音がした。










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